「MEG ザ・モンスター」が公開になったり、「シャークネード」シリーズが話題になったりと、サメ映画に関するトピックが多々ある近ごろ。筆者の住むハワイでは、サーファーがサメに襲われたというニュースを年に何度か耳にします。2011年に公開された映画「ソウル・サーファー」は、サメに襲われて片腕をなくした女性サーファーが主人公の物語。ハワイが舞台となった実話なのです。そんなハワイのサメ襲撃件数がアメリカでは2番目に多いことが、今年の7月に発表された調査で明らかとなりました。
アメリカでサメ襲撃率が高い州ランキング
アメリカのセキュリティシステムに関する会社、セーフワイズが発表した調査によると、2007年から2016年の10年間で、アメリカで起きたサメによる襲撃事故は443件。そのうち6件が死亡事故です。サメの襲撃事故件数が多い州の結果は次のとおり。
1位 フロリダ州(244件)
2位 ハワイ州(65件)
3位 サウスカロライナ州(39件)
4位 ノースカロライナ州(33件)
4位 カリフォルニア州(33件)
※( )は、2007~2016年間の10年間で起きた件数
ハワイでは10年間で65件が発生しており、1年で6~7回程度起きている計算になります。そして2位以下に大きな差をつけて、ぶっち切りの1位だったのがフロリダ州です。海に面していない州もある中、断トツでサメの襲撃が起こっているのは、南部のビーチリゾートがあるフロリダ州でした。
ちなみに、オーストラリアでサメ襲撃率が高い州ランキング
また、フロリダやハワイ以外でも、サメによる襲撃のニュースを聞くのが、オーストラリア。シドニーのタロンガ動物園が発表しているデータによると、2017年の1年間でオーストラリアで起きたサメ襲撃件数は18件。うち1件は死亡事故となっています。
2017年、オーストラリアでサメ襲撃事故件数が多かった州は次のとおりです。
1位 西オーストラリア州(6件)
2位 ニューサウスウェールズ州(5件)
3位 クイーンズランド州(3件)
※( )は、2017年間に起きた件数
オーストラリアでは毎年10~20件ほどのサメによる襲撃が起こっており、アメリカの発生件数と比較すると少ないことがわかります。
サメに襲われないために気をつけるべきこと
ビーチ遊びでサメに襲われないためには、次のようなことに気をつけましょう。
[1人で海に行かない]
多くのサメが個人を狙って攻撃します。人間が1人で海にいると、サメは他の生物と認識して襲ってくる可能性があるのだとか。
[沖に行かない]
沖にいくと、知らない間にサメのテリトリーに入ってしまうかもしれません。何かあった場合も、すぐに助けを呼べるように、砂浜近くにいた方が安全です。
[夜は海に行かない]
サメは夜の方が活動的。真っ暗な中だと、サメが近づいていることにも気付きにくくなります。
[出血しているときは海に行かない]
サメは血に反応して人に近づいてきます。治りきっていない傷から出血している場合など、海に行くのはやめましょう。
ハワイやフロリダなど、サメが出没する恐れのあるビーチでは、「サメに注意」という警告の旗を出していることがあります。そんなときはビーチには近づかないといった、基本的な心がけもやっぱり大切です。
サメに襲われるリスクはどれくらいあるのか?
ただ、ここで覚えておきたいのは、サメに襲われるリスクは、人が交通事故に遭う確率よりもずっと低いということ。
フロリダ自然史博物館が、サメに襲撃された件数とアメリカの人口から割り出したリスク算出によると、サメに襲われて死亡するのは、およそ370万人に1人。一方、溺死する人は1,134人に1人、交通事故で死亡する人は84人に1人、ガンは7人に1人、心臓病は5人に1人。
これらの数字と比べても、サメに襲われて命を落とすことより、交通事故や病気になって死に至ることの方がずっとリスクが高いとわかります。
とはいえ、せっかくの海でサメに襲われるようなことがあってはいけませんから、ここで紹介した注意事項も頭に入れて、海を満喫したいですね。