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2023/9/7 6:00

「フリクションボール」がイタリアの小学生に大人気! その意外な理由とは?

書いた文字を消せるボールペンとして知られている「フリクションボール」。この便利な文房具のメインユーザーは日本では20〜30代のビジネスパーソンですが、実はイタリアでは小学生にとって不可欠な存在になっています。一体どうしてそうなったのでしょうか?

↑イタリアの小学生がフリクションボールを使う理由は?

 

便利なフリクションボールは、イタリアでもさまざまな商品が販売されています。日本では仕事で使う人が多いですが、イタリアでは当たり前のように小学生が使っているのです。

 

この現象について調べてみると、その背景にイタリアの教育方針があることが分かりました。

 

日本の学校では書き損じのないきれいなノートや答案を書くために、鉛筆やシャープペンシル、消しゴムが使われています。しかし、イタリアの学生は間違えた箇所や思考の過程がわかるよう、ノートの筆記やテストには鉛筆ではなくボールペンを使うのが一般的なのです。

 

ただし、小学生のうちは書き損じが多いため、消して書き直せるフリクションボールが重宝されます。ボールペンに慣れることができるうえ、鉛筆と同じように簡単に消すことができるので、授業で使うのには最適といえます。

 

キャップタイプの青、黒、赤と替芯は多くの文房具店で取り扱われている一方、9月から始まる新学期の前には大型スーパーなどで大々的に販売され、店内にズラリと並びます。しかし、学校では使わない青、黒、赤以外の色や少し値段が高いノックタイプはオンラインショップでの取り扱いのみで、街中で見かけることはほぼありません。

↑スーパーにズラリと陳列されている

 

価格は文房具店でだいたい5ユーロ(約790円※)と普通のボールペンの約10倍以上ですが、替芯もあって本体は長く使えます。担任の先生がフリクションボールを指定買いさせてクラス全員が使用するほど、小学生の間には浸透しています。

※1ユーロ=約158円で換算(2023年8月29日現在)

 

間違え方も含めて思考の過程を重視するイタリアの教育方針により、同国の小学生にとってなくてはならないものになったフリクションボール。間違いや考え方を消さずに残しておく機能が、子どもたちの知能の発展に役立っているようです。この発想は、私たちがボールペンを使う際にも応用できそうですね。

 

執筆/Ciho