「食べられるもの」と「食べられないもの」の見分けが難しい食べ物といえば、キノコ。もし自然の中で見たことのないキノコに遭遇したら、インターネットですぐに検索するでしょう。
しかし、今ネットに存在するキノコの画像のなかには、AIが生成した物が混じっていると言われています。いくつかの食用キノコをグーグルで検索すると、AIが生成したキノコの画像がトップに表示されるそう。そんな現状に、英サウサンプトン大学の菌類学者、デビッド・ホークワース教授は「誤解を招く可能性がある」と警鐘を鳴らしています。
例えば、「Coprinus comatus」という食用キノコの名前を検索すると、AIが生成した画像が上位に表示されるとのこと。その中には実際の「Coprinus comatus」とは全く似ていないばかりか、別のキノコに似ている物すら含まれているそうです。これらは「AI生成」と記載された画像で、その多くは画像サイトに使われているものだったと言います。
食用には適さないキノコを食べると、最悪の場合、人を死に至らせることもあるもの。だからこそ、AIが生成したキノコの画像がネット上に多く出回っていることに、専門家は危機感を感じているのです。
さらに、AI生成画像ではなくても、ネット上に投稿されたキノコの画像の多くは名前が間違っているそう。だからこそ、デビッド教授はネット検索でキノコを識別することを控えるようにアドバイスしています。
また、キノコを判別するアプリも危険とのこと。実際、ある判別アプリに有毒なキノコの写真を識別させたところ、食用キノコの一つと表示したといいます。このアプリを信用してそのキノコを食べていたら、命を落としていたかもしれません。
専門家は「ほとんどのキノコは触ったり匂いを嗅いだりしても安全ですが、有毒な野生のキノコの中には、食用キノコと間違いやすい物がある」とのこと。キノコの判別には信頼できる書籍を使用し、ネットの検索やアプリはそれらを補完したり比較したりするツールとしてのみ使うことがいいそうです。
【主な参考記事】
Daily Mail. Urgent warning from scientists: Google is showing AI-generated images of mushrooms that look nothing like the real species – which could have deadly consequences. September 30 2024