食品の保存に欠かせない「ジップロック」。その汎用性の高さと丈夫さ、種類の豊富さから、食品保存以外にも活用している家庭は少なくありません。衣類や洗面用具をカテゴリー別にまとめて旅行のパッキングに役立てたり、子どものおもちゃやアクセサリーなど、細々したものの整理収納に活用したりする使い方は、ジップロック︎愛用者にとって、もはや一般的だとか。
そこで、まだまだあった意外な活用術を、整理収納アドバイザーの西口理恵子さんに教えてもらいました。
1. ストック食材を貼り付けて保存!冷蔵庫の扉を壁面収納に
冷蔵庫の扉や側面の材質がステンレスや鉄板、鋼板に塗装したものであれば、マグネットを付けることができるのは、ご存知の通り。実際にゴミの収集日のお知らせや子どもの園や学校のプリント類などを貼っている家庭は多いことでしょう。ここを収納場所にしてしまおうというアイデアです。
「『コンテナー』の130mlにキューブ型のスープストックや乾物などを入れて、裏にマグネットを張り付ければ、あっという間に小さな収納庫の完成! 取り出しやすくて便利です。さらに食品の名称と賞味期限を書いてラベリングしておけば、ストック量の把握と使い忘れ防止にも役立ちます。この正方形のコンテナーが並んでいると見た目もかわいいので、たくさん貼り付けたくなります」(西口さん)
「また、『お手軽バッグ』のSサイズやSSサイズは、大きめのものを入れるのに便利です。こちらはマグネット付きのクリップで挟んで貼り付けておきます。こちらもかわいらしいマスキングテープに日付などを書いておくといいですね」(西口さん)
2. 在庫管理がしやすい!“見える”エマージェンシーセット
地震など、緊急時の非常用持ち出し袋。大きく「非常用」と書かれた銀色の袋にまとめてあるけれど、いつの間にか奥の方へ追いやられていたり、久しぶりに開けてみたら食品や薬品の多くが賞味期限切れや使用期限切れだったり……ということも。肝心なのは、いつでも見えるようにしておくということのようです。
「マチの広い『スタンディングバッグ』に非常食、薬と衛生品というように、カテゴリー分けして入れておきます。種類別にすることで、一刻を争う緊急時に探しやすく手に取りやすいというメリットがあります。また、透明で中が見えるので、保存期間切れを防げます。わが家ではこれを玄関横の廊下の収納に入れています。ここを開けるたびに中身が見えるので、『これは賞味期限が近いから食べよう』と、すぐに使うことができるんです。こうした利用頻度の低いものは、見える収納であることがとても大事なんですね。このように保存すれば、日常の中で非常食を使いつつ常に新しい食料を備蓄することができます」(西口さん)
3. 香りの強さを調整できるオリジナルサシェ
香料や乾燥ハーブなどを入れた小袋“サシェ”。簡単に作れるので、好みの香りで手作りする人が増えていますが、ジップロックがあれば、より手軽に作ることができます。
「固形石鹸と造花、ポプリを『イージージッパー︎』に入れるだけで、お手軽サシェの完成です。スライド式ジッパーで開閉が楽なので、口を大きく開いて香りをたくさん広げたり、小さく開いてほのかに香るようにしたりと調整することができるんです。衣類の引き出しに入れたり、フックをつけてクローゼットにかけたりして使います。私は出張用のトロリーバッグに入れて持ち歩いています。バッグを開けたときにフワッと広がる香りに癒されます」(西口さん)
4. ステーショナリーがすっきりまとまるポーチ付きノート
バッグの中でペンや付箋が散らばってしまい、使いたいときに「さあ、困った!」という経験はありませんか。そんな不便を解消してくれるのが、『フリーザーバッグ』をポーチとしてノートに貼り付けて使うという方法です。
「作り方はとっても簡単。『フリーザーバッグ』の裏面の4辺に両面テープを貼り、ノートの表紙に貼り付けるだけです。筆記具をはじめ細々としたステーショナリーをすべて一緒に持ち歩けるので便利です。私は手帳に『フリーザーバッグ』を貼り付け、その中にハガキと切手を入れて持ち歩いています。こうすることで、出先でのちょっとした隙間時間を利用して初めてお会いした方へのお礼状をその日のうちに書くことができるんです。『フリーザーバッグ』はサイズが豊富なので、ノートの大きさや入れるものに合わせてチョイスできるのがいいですね。『イージージッパー』を使ってもいいと思います」(西口さん)
5. 子どものひまつぶしグッズを入れたおもちゃのバインダー
電車移動や順番待ちでいかに子どもに退屈させないかということは、多くのママやパパにとって大きな関心事のひとつ。2児の母である西口さんが日常的に役立てているというこの「おもちゃバインダー」は、そんなときの救世主です。
「レストランに入ってごはんが出てくるまでの15分間。この時間をいかにもたせるか……ということを考えると、ひとつのおもちゃでは足りないんですよね。そこで、いろいろなジャンルのおもちゃを一度に持ち歩けるバインダーの提案です」(西口さん)
「『ストックバッグ』や『お手軽バッグ』の底をテープで補強します。その部分に穴を開けてリングファイルに通すだけで、とても簡単。お子さんがお片づけしやすいのもポイントです。また、お子さんが保育園や幼稚園で作ってくる作品を入れるファイルとしても使えるんです。園で作る作品は立体のものも多く、そういうかさばる作品も立てて収納ができます。作ったときの年齢をラベリングしておくといいですね」(西口さん)
6. 粘土で作る即席お絵描きボード
子どもとの移動や待ち時間に使えるアイデアをもうひとつ。
「四辺を補強した『ストックバッグ』に粘土を入れて、薄く平らに伸ばします。ここに使い終わったペットボトルや調味料などのキャップをポンポンと押せば、お絵描きができるんです。新しく描きたいときはまた粘土を平らに伸ばせばよいので、何回でも楽しめますよ」(西口さん)
7. 知育おもちゃを簡単手作り!センサリートイ
五感を刺激して赤ちゃんの感性を育むといわれている注目のおもちゃ「センサリートイ」も、ジップロック︎でできるのだとか。
「市販の『センサリートイ』は高価なので、四辺をセロテープで補強した『ストックバッグ』に市販のヘアジェルとキラキラ光るスパンコールなどを入れて手作りしてみました」
「柔らかい感触の中に硬いものがあると刺激になるので、ボタンも入れています」(西口さん)
8. お子さんと一緒に作るイベントバッグ
子どもと一緒の季節のイベントも、ジップロック︎でより楽しくなりそうです。
「クリスマスやハロウィンなど季節のイベントで、わが家の子どもは『フリーザーバッグ』に持ち手をつけてバッグにしています。好きなシールを貼ったり、中にかわいいイラストが描かれたペーパーナプキンを入れたり、好きな絵を入れたりして好みのデコレーションを楽しみます。ハロウィンのときはこの中にいただいたお菓子を入れて、大事に食べていました」(西口さん)
「ほかにも、旅先でお菓子のお土産を何種類か買ってきて、アソートにして『フリーザーバッグ』に入れて差し上げるというのもおすすめです」(西口さん)
9. ジップロックで送るお楽しみお手紙
最近めっきり減ってしまったという人も多い、手紙のやりとり。でも、ポストに手紙が入っていたらうれしいものです。さらに手紙以外にも、自分のためにセレクトしてくれたものが入っていたら、ちょっとしたサプライズに!
「料金はサイズや重さによって変わるので、郵便局の窓口で送ることが必須ですが、ジップロック︎は郵送することができるんですよ。『フリーザーバッグ』に相手に送りたいアイテムを入れて封を閉じ、テープで補強するだけです。旅先で見つけた素敵なアクセサリーを、『あなたに似合いそうだから送るね』なんてお友達に送ることもできるんです」(西口さん)
10. アウトドアシーンでもお役立ち!コンパクトに持ち歩けるティッシュケース
アウトドアシーンや花粉症の季節など、ポケットティッシュだけでは足りない! というときにおすすめのアイデアがこちら。
「『ストックバッグ』にティッシュの取り出し口となる切り込みを入れて、ティッシュを入れるだけ。自分の好きな箱ティッシュを必要な分量だけ、コンパクトに持ち歩けるティッシュケースの完成です。ティッシュだけでなく、ウェットティッシュ版もできます。ウェットティッシュの場合は、切り込み部分にマスキングテープでフタをするだけです。かさばらずにたくさん持てて、とても便利です。マイカーの助手席のポケットに入れておいてもいいですね」(西口さん)
11. 軽さがGOOD!スポンジのお手軽アイシング
冷凍品に入っている一般的な保冷剤は、冷たすぎたり重かったりして、日常生活では使いづらい面も。スポンジと『フリーザーバッグ』を使ったこちらなら、そんな悩みも解消できそうです。
「スポンジを濡らして『フリーザーバッグ』に入れ、そのまま冷蔵庫でスポンジを凍らせるだけで、ひんやりしたアイシングになるんです。軽いのでランニングやウォーキングの後のアイシングや、キャンプのときの保冷剤にも便利です。わが家では保冷剤として持って行き、バーベキューの後は中に入っているスポンジで洗うようにしています」(西口さん)
以上、今日から真似したい意外な活用術を11パターンご紹介してもらいました。今回は耐久性が高くラインナップも豊富なジップロックを使いましたが、このアイデアはお手持ちの食品保存袋やコンテナーにも応用できそう。ルールはないので、自由に使って楽しみましょう。
【プロフィール】
整理収納アドバイザー / 西口理恵子
整理収納アドバイザー、インテリアコーディネーター。日本の女性にもっと 楽しんで収納に取り組んで欲しいと願い、整理収納・インテリア・美を総合した「美人収納 」を考案。
文=羽田朋美 撮影=@Living編集部
何気ない日常を、大切な毎日に変えるウェブメディア「@Living(アットリビング)」