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2018/7/1 10:00

【長く使うということ=ステータス】 ロシアの修理屋さんたちが教えてくれる大切なこと

日本人も学ぶべきロシアのMottainai

「お父さんが生まれた年に買った家具だから大切にしている」「これはお父さんと同じ年だ」「おじいさんがソ連の闇市で買って来たものだ」とか、ロシアでは家族が集まった際、修理しながら長く使ってきたものの話題で会話に華が咲くことがあります。長く大切に使われてきたものは家族の長い歴史とともに歩んできたので、世代が異なっていても、共通の話題になりやすいと言えるでしょう。

 

そんな家具などの前で家族写真を撮ったり、昔を懐かしんだり、おばあちゃんが着ていた毛皮のコートを孫がリメイクして着たり、そんなことが日常的な風景のようになっています。ものを大切にする文化が根付いているうえに、長く使い続けることが評価される国でもあるロシア。このような価値観が修理文化を守り、受け継がれていく要因の一つでしょう。

 

ものを大切にする、大切にしたいという気持ちをしっかりサポートする環境がロシアにはあります。ソビエト崩壊やルーブルの暴落など、不安定な状況を乗り越えてきた国民だからこそ、着実に育むことができたMottainai精神なのでしょう。

 

少しずつ景気が良くなってきたいまも、古いものをリサイクルして使う事を「モード」として、かっこよいと感じられる美意識は非常に学ぶべきところが多いです。日本は「もったいない」という言葉を生みましたが、ロシアのMottainai精神は現代の日本人にも共感できるところがあるのではないでしょうか。

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