雑貨・日用品
2019/2/1 19:00

寝心地だけじゃない! レイコップのまくら「結論、買い」に導いた最大の要因

レイコップといえばふとんクリーナーで一世を風靡したメーカーですが、そのほかにも温度コントロールできるマットレス「ふとんコンディショナー」など睡眠をケアするさまざまな製品を開発しています。そして、昨年4月から発売しているのが機能性枕「Sleex Pillow by raycop(スリックス ピロー バイ レイコップ 実売価格1万6200円 ※以下、Sleex)」です。今までにない発想の家電を輩出してきたメーカーが発売する枕とはどんなものなのか? 実際に使ってみることにしてみました!

 

ふとんクリーナーで有名なレイコップの高反発枕を試す

↑サイズは奥行き32×幅53cmで寝返りを打っても余裕のある幅。市販されている枕カバーとしては主流の43×63cmサイズのカバーが利用可能です

 

以前は「機能性枕」といえばテンピュールなどの「低反発枕」が主流でした。これは文字通り反発力が少なく、頭が枕にぐぐーっと沈み込み、粘土のように頭の形状に合わせて変形する枕。柔らかく包み込むように頭を支えるため、首や肩などの負担が少ないとされています。ただし、頭を沈み込ませてサポートするため、頻繁に寝返りを打つ方には向いていません。一方、最近よく聞く「高反発枕」は、頭をグッとのせても沈み込みにくい枕で、身体に負担をかけずに少ない力で寝返りが打ちやすい点が魅力。今回試用したSleexは、この高反発枕となります。

 

枕の両端は沈みにくいため、寝返りが打ちやすい

普段は昔ながらの羽根枕を使用している筆者は、高反発枕を使用するのは今回がはじめて。実際に利用してみると、たしかに頭があまり沈み込まず、頭を左右に動かす動作が普段より抵抗なくできました。また、頭を動かすとポヨンポヨンとバネのような反発力を感じるのも面白いと感じました。さらに、反発力が位置によって異なっているのも本品の特徴。枕の中央部分は比較的頭が沈みやすく、安定感がある一方、枕の両端は反発性が高く、頭が沈み込みにくく感じました。このため、左右へ寝返りを打ったり、横向きで寝る姿勢にもスムースに移行しやすいと感じます。

↑標準で付属するアウターカバーはポリエステル100%のメッシュタイプ。乾きやすく通気性も良いのですが、少々ザラザラとした肌触りが気になることも。気になる場合は市販カバーも使えます

 

↑枕中央はグッと押し込むと手が沈み込みます。枕の両端は反発力が強く、手が沈みにくいと感じました

 

また、Sleexを使用して最初に驚いたのはその軽さ。筆者が普段使用しているダウン80%の羽根枕だと重量が約1.5kgあるところ、Sleexはほぼ同じサイズながら、752g(実測値)とかなり軽量。日常使いするものだけに、枕を干したいときや、洗濯で移動させるとき、負担にならないのはうれしいポイントです。

特殊中材の効果で通気性が高く、熱がこもらない

高反発枕にはラテックス製などさまざまな素材がありますが、Sleexは中材に「三次元網状構造体」シーコア(C-CORE3D)を採用しています。シーコアは立体的な網目構造になったポリエチレンファイバーのこと。これはファイバー同士の隙間が大きいために非常に通気性が良いのが特徴です。

 

筆者は以前、低反発枕を使っていたことがあるのですが、暑い時期は頭と接する面がムレるうえ、こもった熱が逃げにくいのが不快で、羽根枕に買い換えた経緯があります。その点、Sleexは通気性が良く、購入時のまま使用すると暑い日でも枕が「ぬるく」ならず快適でした。ただし、冬は枕が体温で暖まりにくいようにも感じます。寒い時期は少し厚手の枕カバーを利用してもいいでしょう。

↑中材はシーコアといわれるポリエチレンファイバーが複雑に絡み合った立体網状構造体。枕の内部には4枚のシーコアが入っており、写真は一番薄い1cm厚タイプ。隙間が多く、通気性が高いのがわかります

 

4枚の中材を減らすことで高さを変更できる

ところでこのSleex、実は通常の枕のようにひとつの中材にカバーをかけただけの製品ではありません。中材は内部に4パーツ重ねられており、この中材をインナーカバーがまとめ、これをメッシュ状のアウターカバーが包むというもの。アウターカバーはもちろん、インナーカバーを外すことができ、中材パーツを減らすことで枕の高さを低くすることが可能です。

↑Sleexの中身。左からシーコア4枚、インナーカバー、アウターカバー

 

↑シーコアは厚さが異なるものが4枚入っています。1cm厚のシートが2枚、2.5cm厚が1枚、4cm厚が1枚です

 

↑すべてのシートを入れた最大の高さと、一番薄いシートだけを入れた最低の高さの比較。ここまで高さ変更が可能。とはいえ、さすがに1cmシートを1枚で使うことはなさそうですね

 

筆者のベストの高さは4cm×1枚+1cm×2枚だった

購入時はもちろん高さがマックスであり、実測値で約9cmほど。この状態で仰向けで寝ると、筆者は首が曲がってしまい少々呼吸がしにくいと感じました。ただし、横向きにに寝る場合は、この高さがちょうど良い印象です。

↑購入時のフルサイズの高さで寝たところ。仰向き寝だと首が曲がってアゴ下に不自然なシワがより呼吸が苦しい

 

↑ただし、横向きだと首が曲がらず肩にも負担がかからずラク

 

個人的に仰向けで寝るのに最適だった高さは4cm厚と1cm厚×2枚を使用した状態。これ以上パーツを減らすと、仰向けで寝ているうちに後頭部が痛くなってしまいました。

↑4cm厚と1cm厚×2枚を使用した状態で寝たところ。アゴの下のシワがなくなり、マックス状態よりものどがラクになりました。枕の高さ調整の重要さがわかります

すべてのパーツが水洗いできる点が気に入った!

Sleexで一番気に入った点は「すべてのパーツが水洗いできる」こと。アウターとインナーカバーは洗濯ネットに入れて洗濯機で洗うことが可能。また、中材は40℃以下の水と中性洗剤でジャブジャブ洗うことができます。その点、いままでの枕は乾燥が大変でした。羽根枕も低反発枕も綿を詰めた枕も、すべて中材が詰まっているために乾燥に時間がかかってしまうのです。「洗ったのに、乾かすのに時間がかかりすぎて、むしろ生乾き臭がする…」ということもよくありました。また、乾ききっていないまま使用すると湿気と体温により、ダニやカビが繁殖しそうなのも気になっていました。

 

その点、Sleexは中材のパーツを分割して洗濯・乾燥できるうえ、ポリエチレンファイバーは隙間が多いため、乾燥が一般的な枕より格段に早いのも魅力的でした。綿のような細かな繊維ではないため、中材にダニなどが発生しにくいだろうな、という点も大きな魅力に感じました。

↑中材はカバーから出して、風呂に並べてシャワーで手軽に洗えました。洗浄後はバサバサと振ると、ほとんどの水分が飛ばされます。あとは壁などに立てかけて乾燥させるだけです

 

唯一気になったのはプラスチックのようなニオイ

ただし、唯一気になったのはニオイです。標準のアウターカバーだけをつけた状態だと、中材のプラスチックのようなニオイがうっすらとして夜中に起きてしまうことがありました。ただし、筆者は比較的ニオイに敏感なので「これくらいのニオイなら気にならない」という人も多いでしょう。また、一度中材を洗剤で洗ったところ少しニオイは軽減されたので、今後頻繁に洗えば徐々に樹脂臭が低減する可能性もありそう。多少通気性は悪くなりますが、市販のカバーを使ってみてもいいかもしれません。

 

高反発の感触が嫌いではないユーザーは「買い」

Sleexの価格は直販価格で税込1万6200円(2019年1月現在)。最近は数万円する枕も多くあるため、機能性枕としては高額とはいえませんが、気軽に「試してみるか」と購入する値段でもありません。ただし、個人的には「高反発の感触が嫌いじゃない人は買い」だと思いました。最大の理由はメンテナンスの手軽さ。洗いやすく、中材が常に清潔に保てる点は非常にポイントが高かったです。また、その日のコンディションで高さが簡単に変えられるのも気に入りました。普段は、4cm厚と1cm厚×2枚の中材で使用し、腰が痛くて横向きで寝るときはフルサイズにするといった使い方ができるのはうれしいです。

 

特に寝返りを多く打つほうで、清潔感を重視する方、また日によって高さを変えたい方、ぜひSleexに注目してみてください。