引越したばかりでまだカーテンをつけていない、急場凌ぎの適当なカーテンをつけてしまった、など、意外にカーテン選びにこだわっていたり満足したりしている人は少ないのではないでしょうか。とくに賃貸住宅に住んでいると、次の引っ越しのことを考えたら、ひとつひとつの窓に合わせて好みのものをオーダーするのはもったいない……と思ってしまいますよね。
でも、カーテンは部屋の中でかなり大きなスペースを占めるので、せっかく家具や他のファブリックに凝っていても、カーテンがおざなりでは部屋全体が残念な印象になってしまいます。今回は、すべてオーダーメイドなのに安価なカーテンも揃う、東京最大級のオーダーカーテン&ブラインド専門店「feel(フィール)」に、カーテン選びで押さえるべきコツと、最新トレンドについて聞きました。
その機能って本当に必要? カーテンに求めることを見直してみよう
カーテンは大きく分けると、“機能性のもの”と“そうでないもの”の2種類があります。機能性カーテンは防炎や遮光、防虫などの効果があるように作られていますが、実は“そうでないものより高くていいもの”というわけではないのだとか。
「機能性カーテンの需要が高まり、『せっかくだから遮光にしておこう』『光を遮って涼しい部屋にしたい』と、遮光カーテンを選ばれる方が多くなりました。でも、遮光カーテンを閉めると、部屋によっては電気をつけなければ過ごせないほど暗くなるんです。
エコの観点からいえば、真っ暗になってしまうより少し光が入った方が、電気を使わずに済む場合もありますよね。また、夜は防犯やプライバシーの問題から、部屋の様子を外に漏らしたくないと言う方もいますが、遮光でなくてもカーテン越しに人影が見えることはなく、逆に中の明かりが少し見えることで“人がいる”とわかり、防犯になることもあります。まずは、本当に遮光機能が必要かを考えてみてください」(feel代表取締役・飯野修一さん、以下同)
光が気になる人におすすめしたい解決策
遮光カーテンを選ぶ以外にも、光への対処方法はあります。以下の2点も視野に入れて考えてみましょう。
1.遮蔽できるレースカーテンを選ぶ
日中、涼しい部屋を保ちたい方におすすめなのは、カーテンではなくレースカーテンを機能性のものにする、という方法です。「UV機能がついたものや、外から透けにくいものもありますから、フローリングの日焼けや肌の紫外線防止にも役立ちますよ」
2. カーテンをリターン縫製にする
カーテン生地の端地を折り返し、レース用のカーテンレールに差し込む “リターン縫製”。これなら、脇から差し込む光や冷気漏れを防げます。「この方法をとっておくだけで、隙間からの光漏れはかなり防げるので、寝室にはぜひこの縫製を選んでいただきたいですね」
外からの視線が気になる場合は、機能的で“遊びのある”レースカーテンを選ぶこと
隣近所との壁が近い人や、外部からの視線が気になってレースカーテンを常時閉めている、という場合は、デザイン性の高いレースカーテンを選ぶといいでしょう。ずっと閉めきっていても、柄やデザインのあるレースがインテリアを華やかに見せます。
カーテンの寿命は10年以上! 長く愛せるものを選ぶこと
特別な機能が必要ない人は、とにかくデザインと触った印象で選びましょう。「カーテンは10〜15年程度はもちます。ちょっとした価格差で悩んだら、長く愛せて飽きのこないデザインを選んでみましょう。オンラインショップでもたくさんのカーテンが売られていますが、生地の薄さや光沢の有無は、実際に手にとってみないとなかなかわからないものです。光の透け具合や質感を、手で確かめて買うと失敗がないですよ」
次のページでは、インテリア別にぴったりのカーテンをおすすめしていただきます。
インテリアのタイプ別 おすすめのカーテンは?
ここではインテリアのいくつかの特徴に合わせて、それぞれおすすめのカーテンを紹介していただきました。
トレンドのグレイッシュインテリアには……マットなデザインのカーテン
グレーを基調としたインテリアには、落ち着く深い色のカーテンがおすすめ。「カーテンとしていちばん売れているのは無地のものですが、暗めの色は部屋を狭く感じさせてしまい、圧迫感があります。ちょっとした刺繍が入っているデザイン性のあるものを選ぶといいでしょう」(feel代表取締役・飯野修一さん、以下同)
・植物のある部屋には……ボタニカルデザインのカーテン
観葉植物やエアプランツなどを飾ったナチュラルなインテリアには、植物や花などをあしらったボタニカルなデザインのものがおすすめ。「ナチュラル派の方には、リネンなどの自然素材でつくられたカーテンも人気がありますが、自然素材はどうしても湿度の関係で縮んでしまい、年々丈が変わっていくものです。それを考慮した上で選ぶか、ポリエステルでもリネンのような風合いのものもたくさんあるので、そちらも合わせて検討されるといいでしょう」
・ミックススタイルのインテリアには……個性的なデザインのカーテン
色数の多い部屋や、個性的なデザインが好きなら、あえてカーテンもビビットな色や派手な柄など強いものを持ってくると、楽しい雰囲気になるはず。「賃貸住宅の方はなかなか壁紙の色や柄を変えられないので、カーテンで印象をぐっと変えるのもひとつの手。個性あるデザインのものをいくつか持っておいて、気分でかけかえるのもおしゃれですよね」
窓の採寸さえしていけばOK! feelのオーダーカーテンができるまで
実際に店頭でカーテンを選ぶ際には、どのような手順を踏めばいいのでしょうか。feelを例に、教えていただきました。
1.カーテンの採寸をする
カーテンを購入するにはまず、窓の採寸が必要です。「採寸は、カーテンをかけるフックからカーテンが必要な位置までの縦サイズと、窓の横のサイズを採寸していけば大丈夫です。feelでは、カーテン用の採寸メジャーと採寸の仕方を書いたパンフレットを無料でお配りしています。わからない場合はお店にご連絡をいただくか、出張採寸サービス(有料)もありますのでご利用ください」
2.店頭で気に入った生地のものを選ぶ
feelでは、都内最大級の店とあって、3000点ものカーテンを一挙に見ることができます。「絨毯やフローリングのパネルも用意していますので、カーテンと床の色を合わせながら見て決めていただくことができます。もっともお安いものだと、オーダーでも1窓5000円からご用意しています」
3.見積もりを出してもらう
わからないことは窓装飾プランナーでもあるスタッフに相談し、見積もりを出してもらいます。「カーテンの価格は本当にピンからキリまでありますが、10年使うと考えて好みのものを選ぶのがいいでしょう。店頭にある以外にもカタログで見ることもできますから、気に入ったものが見つかるようお手伝いさせていただきます」
実際に店頭でカーテンを触ってみると、写真ではあまり気にならなかった遮光カーテンの厚さに驚き、透けていてよく色がわからないかな、と感じていた黄色のレースカーテンも、実際に窓にかけてみるとはっきりとした発色で美しく見えました。引っ越ししたての新しい部屋だけでなく、暮らし慣れた部屋も、新しいカーテンで新鮮、かつ快適な空間にしてみてはどうでしょうか。
【店舗情報】
feel
所在地:東京都台東区台東4-31-3
営業時間:10:30~19:00
電話番号:03-3837-2066
定休日:第3水曜日(祝日、3月12月を除く)
https://www.feelin.jp/