2020年6月、原宿駅の目の前にオープンした地下3階・地上10階建ての複合施設「ウィズ原宿」の中に、「IKEA原宿」が誕生しました。これまで郊外型だったイケアが、都心の駅チカな場所にできたことで、オープン直後から連日賑わっています。原宿店ならではのディスプレイや新商品をご紹介するとともに、店舗開発秘話をIKEA原宿のストアマネージャー、青木エリナさんに伺いました。
アクセスのよさがイケアに新しい流れをつくる
商品点数の多さとそれらをコーディネートしたインテリアが見られる広い売り場が人気のイケアは、これまで郊外を中心に開発を進めてきました。休日、家族で車に乗ってイケアに行く────そんなこれまでのイケアのイメージを新しくしたのが、駅から徒歩1分という立地にオープンした原宿店です。
「IKEA原宿をオープンするにあたって考えていたのは、『これまでイケアに行ったことがない方にも来ていただけるように』ということでした。本当はもっと頻繁に行きたいけれど、遠いからなかなか行きにくい、という声もいただいており、アクセスが良い場所への出店を決めました。他店舗より商品点数は少なく(他店舗はおよそ9500点に対し、原宿店では1000点ほど)、広さもありませんが、その分このエリアならではとなる、厳選した商品を取り揃えています」(IKEA原宿 ストアマネージャー / 青木エリナさん、以下同)
首都圏にはじめてイケアができたのは14年前。2006年にオープンした千葉県船橋市の「IKEA Tokyo-Bay」(前・IKEA船橋)が一号店となりました。
「この14年を経て、都市部に暮らす方々の家での過ごし方やニーズは、少しずつ変わってきています。限られた空間を効率的に使ったインテリアのアイデアは、都心に近づくほどに求められ、イケアが提案する環境問題への取り組みに、興味を持ってくださる方も多くなりました。イケアのコンセプトとなる、サステナブルで健康的な生活のご提案や、心地よく暮らすためのサポートを、IKEA原宿を通して都市部に暮らす方々にも体験していただきたいです」
若者の街・原宿が、感度の高い人の集う場所に
都心部への店舗展開はさまざまな場所が考えられますが、その中から原宿をチョイスした理由は、“トレンドに敏感な若年層が集う街”だからだそう。
「ファッションや流行の最先端の街であることは周知の通りですが、それに加えて環境問題やサステナブルな意識を持つ、比較的若い世代の方々が集う街でもあります。デザイン性や機能性を重視しながらも、低価格で素材に配慮したものを扱うイケアに、ぴったりの場所だと感じました」
では早速、店内をチェックしてみましょう。
世界でココだけ! 忙しいときもスピーディに買い物ができる「コンビニ」
IKEA原宿で新しい試みとなったのが、この「スウェーデン・コンビニ」。こちらは世界でも初めての取り組みで、日本のコンビニエンスストアの便利さからインスパイアを受けて開発しました。
「1階入口のすぐ右側にあるスウェーデン・コンビニでは、毎日焼きたてのパンが並んでいるのがご覧いただけます。欲しい商品をクイックに購入することができ、オープン直後からとても人気のある売り場になっています。イケアではミレニアル世代へのヒアリングもしていますので、その結果を受けてソリューションやデザインを考えました。休日はもちろん、平日のランチタイムやお仕事帰りなど、気軽に寄れる場所として楽しんでいただいています」
パンが並ぶ脇には、無料で給水できる「mymizu(マイミズ)」のスポットがあります。こちらはIKEA原宿をはじめ、6月から全国のイケアで導入されています。マイボトルを持ち込めばいつでも無料で給水でき、アプリをダウンロードすることで、世界中にある20万か所の給水スポットを検索することができます。
スウェーデン・コンビニで購入できるサステナブルフード3
これまでと変わらずイケアが提唱するのは、「すべての製品においてサステナブルな観点を持つ」ということ。スウェーデン・コンビニで扱っている商品も、オーガニックや添加物不使用などのアイテムが並びます。その中からおすすめの商品をご紹介しましょう。
1. 植物由来100%でパーム油不使用のインスタント
「プラントベースカップラーメン」
173円+税(野菜ベースの塩味)・228円+税(カレー味)
4月に誕生したばかりのプラントベース(植物性)カップラーメンは、スウェーデン・コンビニの中でも人気商品です。一般的にカップラーメンに多く使われているパーム油は、原料となるアブラヤシの生産性を上げるために、インドネシアやマレーシアの熱帯雨林を伐採してまでアブラヤシを生育していることが問題となっているのです。イケアのプラントベースカップラーメンはパーム油不使用でノンフライ、化学調味料も使わずに作られています。
2. 素材を厳選して作っているドリンク
「オーガニック野菜ジュース・オーガニックりんごジュース・オーガニックジンジャーエール」
182円+税(野菜ジュース)・137円+税(りんごジュース・ジンジャーエール)
すべての商品が有機JISマークを取得しているドリンクは、オーガニックかつ無添加で作られています。特に野菜ジュースは20種もの野菜350gを濃縮して作られており、忙しい日々を送る人やヘルスケアに敏感な人におすすめです。ジンジャーエールは国産のオーガニック生姜をメインに、使われている砂糖やレモン果汁、りんご果汁などもすべてオーガニック。すだち果汁が入っていてすっきりとした味わいです。
3. イケアでしか買えない!本場スウェーデンのブルワリーから輸入した低アルコールビール
「オムニポロ レギュラー/リンゴンベリー」※他にブルーベリー&バニラとローズヒップあり
264円+税(レギュラー)・410円+税(リンゴンベリー)
スウェーデン・ストックホルムで人気のクラフトビールブルワリー「Omnipollo(オムニポロ)」が作る低アルコールビールは、この6月に新商品として輸入がはじまりました。アルコール分0.3%で、それぞれに華やかで個性のあるドリンクです。レギュラーはさっぱりとした飲みやすい口当たりのビールで、柑橘を感じる酸味と香りが特徴的。右のリンゴンベリーは、スウェーデンを代表するリンゴンベリー(こけもも)のジャムといただくチーズケーキをイメージしたそうですから、ぜひトライしてみたいものです。
そのほか、インテリア、キッチン&フードなどエリアごとに「IKEA原宿」を見ていきましょう。
提供元:心地よい暮らしをサポートするウェブマガジン「@Living」
IKEA原宿限定商品はひとつだけ! 陳列方法で魅せる新しさ
IKEA原宿に入ると、見たことのない商品がたくさん目に入ります。ところが実は、IKEA原宿として限定で販売しているものは1商品だけ。他のものは別店舗でも購入できる商品なのです。
「陳列の仕方やレイアウトなど見せ方を変えたことで、これまであった商品が新しく目に留まるようになった、という声をたくさんいただいています。また、各エリアに“眠る”“整える”などのわかりやすい言葉をつけているので、目的のものを探しやすくなっています」
IKEA原宿でしか買えない限定品は、おなじみのイケアバッグがキーホルダーになった「クノーリグバッグ(90円+税)」のイエローバージョン。ジッパーつきでバッグとして使えるので、リップや小銭など細かいものを入れてバッグに下げておくのもかわいいですよね。
狭小住宅での家具配置イメージができるルームセット
IKEA原宿のもうひとつの特徴が、このインテリアの見せ方。都市部の暮らしを反映し、狭いスペースを有効活用できる方法や、ひとり暮らしの部屋で快適に暮らすアイデアなどが豊富で、眺めるだけでも勉強になりそうです。
6畳の寝室をイメージしたルームセットでは、収納がついたベッドや、ハンガーラックつきの衣類収納棚など、自分の部屋の広さを考えながら家具を選べます。
・ひとり暮らしの部屋にもぴったりのソファベッド
こちらは「ヘムネス デイベッドフレーム(3万6355円+税)」。普段はソファやシングルベッドとして使いますが、ベッドスペースを引き出すことでダブルベッドに早変わりするという優れもの。ベッド下の収納も大容量で、都心部の暮らしに寄り添った設計です。
・ホームオフィスシーンをイメージできるルームセット
紹介したいのは、スペースが有効活用できそうなワークデスク「フィエルボ ラップトップテーブル(7272円+税)」です。奥行きが36cmしかないので、ちょっとした空間が活きそうです。ホームオフィスを作りたいけれど場所が狭くて……という人におすすめ。
・縦置きでも横置きでも使えるスピーカー
「シンフォニスクブックシェルフ型WiFiスピーカー(1万3628円+税)」は、壁に取り付けることでシェルフとしての活用もできるのが斬新。どんな場所にも置けるデザインのものを購入しておくと、引越しや模様替えのときも扱いに困りません。
収納の仕方を考えることでスマートに見せるアイテム
増えていくモノをいかに整理して収納しておくか、という点も、都市部に住む人たちの悩みのひとつです。モノが迷子にならないようわかりやすく収納でき、見た目がシンプルでインテリアの邪魔にならないアイテムも、IKEA原宿では豊富に取り揃えていました。
・狭い場所にも置ける小さなワゴン
左側のワゴン「ロースコグ ワゴン(4545円+税)」は、これまでにキッチン収納のルームセットなどでもよく見かけたサイズですが、右側の小さなサイズ「ロースフルト ワゴン(3454円+税)」は、先ほどのデスク脇に置いたりベッドのサイドテーブルとしても使える大きさです。組み立て式なのでコンパクトに持ち帰ることができるのもおすすめポイントです。
・通気がよく中身を確認しやすい靴箱
メッシュタイプで通気性がよく、靴が探しやすい「スクッブシューズボックス4個セット(1181円+税)」も、限られた場所を上手に使うためのアイデア。靴箱に入れたり、季節ものはクローゼットにしまっておいたり、移動も楽です。
・デスク周りをすっきり見せるアイテム
こちらはワークデスク周りのコードや充電器をスマートに見せるアイテムです。奥のボックス「クヴィッスレ ケーブルマネジメントボックス(1363円+税)」は、ごちゃごちゃになりがちな配線を一括してまとめられる収納ケースで。手前のものは、スマートフォンを充電する「ノールドメルケ ワイヤレス充電器(1818円+税)」。スマートフォンを十字のマークの上に置くだけで充電できます。
2階にはキッチン&フード関係のグッズが充実
IKEA原宿の2階には、キッチン周りのアイテムも揃っています。鍋やフライパン、食器などはスタイリッシュで飽きのこないシンプルなデザインのものが多く、どんなスタイルが好みでも気に入るモノが見つかりそうです。
冷蔵庫には、イケアで人気のスウェーデンミートボールやサーモンなどの食品が並んでいます。他にも、オーガニックで低温圧搾の菜種油やクッキー、エルダーフワラーのシロップなどの取り扱いも。
・お買なプライスのオーガニックコーヒー
「ポートール コーヒー(636円+税)」は、ダークローストやミディアムローストなどの種類があり、すべてがオーガニックなのにこの価格とは驚き。
・シックでやさしい色合いのマグカップ
キッチンに揃えたくなるマグカップも色鮮やかです。サイズや形も豊富で、口の広いものはスープマグにもなりそう。
・北欧らしい柄のマイバッグがいろいろ
キッチン関係のものを扱う“料理するエリア”よりもカフェ寄りのコーナーには、たくさんのマイバッグがありました。7月からほとんどのお店でレジ袋有料化がはじまっていますから、いくつか持っておくとファッションや使い方に合わせて選べそうですね。
IKEA原宿オリジナルの“ツンブロード”が食べられるスウェーデンカフェ
空間を広くとったカフェでは、IKEA原宿ならではの食事を楽しめます。コロナ禍にある現在、各テーブルの間に透明フィルムを吊るしたスペースを設けたり、使用できる椅子の間隔を開けたりと、ソーシャルディスタンスを保ってゆったり使うことができるようになっていました。
ツンブロードは、スウェーデン伝統のフラットブラッドに具材を載せて包んだもの。メニューのひとつには、植物由来の原料で作ったベジソーセージのツンブロードがあります。
「他のイケアストアで販売しているベジドッグと同様で、通常のソーセージよりもカーボンフットプリント(二酸化炭素排出量)が格段と低い商品です。ツンブロードの人気メニューであるサーモンはASC認証(養殖に関する国際的な認証)のものを使用しています」
いつもストックしておきたいキッチン用のブラシや、かわいい柄の保存バッグなどの消耗品も、アクセスのいい原宿へ行けば、手軽に買い足せます。駅から徒歩1分で、環境や体のことを考えたフードを楽しめるスウェーデン・コンビニやカフェも便利ですよね。他店を訪れたことがある人にとっても、新しい発見がいっぱいのIKEA原宿を、ぜひ体験してみてはいかがでしょうか。
【店舗情報】
IKEA原宿
所在地:東京都渋谷区神宮前1-14-30 WITH HARAJUKU内
営業時間:11:00~20:00(当面の間は20:00までですが通常は21:00まで)
Tel:0570-01-3900
定休日:年中無休(2月第4水曜日をのぞく)
アクセス:JR原宿駅または東京メトロ千代田線明治神宮前(原宿)駅より徒歩1分
https://www.ikea.com/jp/ja/stores/harajuku-pube424fb30
※コロナウィルス感染拡大防止のため、営業日時を変更したり、場合によっては入場制限することもあります。