コロナが猛威を振るった2020年。それでも「鬼滅」に「三密」、「あつ森」など、数々のトレンドが誕生している。ここでは、そんなトレンドを深掘り。大きな「流れ」が生んだ意外なヒットアイテムを紹介する。
【その1】マスク&その関連商品
新型コロナの流行により、外出時のマスク装着は当然に。一時的にマスクが品薄になったことは記憶に新しく、関連商品も大ヒット。マスクの浸透で新しい商品も誕生してきた。
【ヒットの裏付け】
国民総マスク時代となったことで、マスク関連市場は、前年比12倍の5000億円市場に。アパレル企業など異業種からの参入も相次いだ。
蛇の目ミシン
エポルク
実売価格5万5000円
市販マスクの不足や、マスクでオシャレをしたいという需要により、自分でマスクを手作りする人が増えた。気軽に取り出せるよう約5.5㎏に抑えた本機は、手元でスタート・ストップが可能でわかりやすい。
SOLEIL
抗菌マスクケース
実売価格960円
外出先で飲食をする際、取り外したマスクをしまうためのケースが様々なメーカーから販売された。本品は抗菌素材を用いたハードケースタイプ。使用後水洗いでき、清潔さを保つことができる。
シャープ
FG-F10M
実売価格1980円
ウイルスが飛沫感染することがわかってからは、フェイスシールドも注目を集めた。単体ではなく、マスクと併用することで予防効果を高めるのが狙いだ。
【その2】テレワーク関連商品
春先の外出自粛要請を受け、自宅で仕事を行うテレワークが浸透した。これによりノートPCの売り上げが増加しており、Zoomなどのツールを使ったビデオ会議も一気に一般化した。
【ヒットの裏付け】
自宅での仕事が求められ、ビデオ会議用の環境整備が必須となった。ノートPCの売上は昨年のほぼ2倍に。ウェブカメラ等のアクセサリも売れた。
日本HP
Chromebook x360 14
8万2880円〜
自宅での仕事用にサブPC需要が伸長。価格が安く、性能も十分なChromebookにはこれまで以上の注目が集まった。本機はヒンジが360度展開するコンバーチブル型で、ウェブカメラも内蔵する。
Jabra
Evolve 265
3万3000円
周囲の雑音を抑えてくれるノイズキャンセリング機能搭載のヘッドセット。常に優れた音質でオンライン会議が可能で、聞き逃しを激減させてくれる。
【その3】エコバッグ
2020年7月からレジ袋の有料化が実施され、日本でも本格的にプラスチックゴミへの対策が始まった。これにより、老若男女を問わずエコバッグを持つことが当たり前になった。
【ヒットの裏付け】
1枚数円とはいえ買い物は毎日のこと。積もり積もれば結構な金額になる。エコバッグ市場の規模は4.7倍に増え、切り替わりが進んだ。
サンスター文具
POKECA
実売価格1650円
常時持ち歩くエコバッグだけに、「たためる」タイプの人気が爆発。本品は、ボタンで留めることで、名刺サイズまで小さく折りたためる。カード入れも備えており、これひとつで買い物に行くことができる。
【その4】巣ごもり家電
「外へ出て遊ぶ」機会が減少したことで、自宅での生活が充実する家電製品に需要が集中。10万円の定額給付金が出たこともあり、ある程度の価格帯の商品も飛ぶように売れた。
【ヒットの裏付け】
定額給付金もあり、コロナ禍に家電は好調を維持。テレビや洗濯機、冷蔵庫といった大物やホームベーカリーなどの調理家電が特に売れた
ハイセンス
55U7F
実売価格9万8800円
低価格化が進む4K液晶テレビが爆発的にヒット。本機は、東芝との共同開発による新型映像エンジンを搭載。映像の輝度を引き上げる「バックライトブーストフィルム」なども備えた。
日立
ビートウォッシュ BW-V80F
実売価格9万4860円
自宅時間が増えたことで、洗濯の頻度も増加。本機は、高濃度洗剤液を浸透させる油汚れに強い洗浄方法と、大流量で洗う泥汚れに強い洗浄方法を使い分けできる。つけ置き洗いも可能だ。
パナソニック
SD-MDX102
実売価格4万1580円
作業工程をレクリエーション的にも楽しめるホームベーカリーが大ヒット。本機は、41種類ものオートメニューを備えるほか、「ねり」「発酵」「焼成」を単独で設定可能。初心者から玄人まで満足できる。
【その5】知育菓子
休校により、自宅に子どもがいる状況が続いた。そんな子たちをなだめるためか、知育菓子がヒット。おやつに子どもが集中してくれるため、忙しい主婦層を大きく助けることになった。
【ヒットの裏付け】
バンダイキャンディの「キャラパキ」の発売自体は2018年5月。2020年は「発掘」というワードを加えたことで、累計3000万個以上を出荷する大ヒットに。
バンダイキャンディ
キャラパキ 発掘恐竜チョコ
実売価格110円
お祭りなどでおなじみの「型抜き」ができる菓子。「発掘」というキーワードを加えたことで、子どもの挑戦心をくすぐり大ヒットに。チョコを溶かさず上手に型から抜けるか、多くの子が夢中となった。
バンダイキャンディ
魚ギョッと釣りグミ
実売価格66円
細くて長いヒモ状のグミを慎重にケースから取り出して、その先に繋がる大きな魚型グミを釣り上げられるかを楽しむお菓子。ヒモ状のグミが切れやすいため、大人でも熱中してしまう!
コイケヤ
プライドポテト 芋まるごと
実売価格159円
自宅時間が増えた大人は、健康を維持できるお菓子を求めた。あえて食塩を使わず、素材の芋の味を引き出した「プライドポテト芋まるごと」は大ヒットに。
【その6】バリカン
三密への注意喚起が進み、人に会う機会が減った結果、身だしなみへの意識にも変化が。髪や髭の手入れを自分で行う人が急増し、品薄になるほどバリカンの売り上げが伸びた。
【ヒットの裏付け】
外出自粛が始まった3月下旬ごろから家電量販店を中心に売上がじわじわ増加。4月になるとメルカリなどでの高額転売も相次いだ。
ブラウン
BT3240
実売価格4690円
39段階の長さ調節と付属するアタッチメントで自由自在にヘアーや髭を整えることができる。カット力が強く、切れない&剃れないといったトラブルもない。フル充電で約80分間使用可能だ。
【その7】クラウドファンディング
自粛によって多くの企業が苦戦するなか、自分の愛する店舗を応援しようという投げ銭がブームに。クラウドファンディングもさらに盛んとなり、クラファン初のヒット商品も続々と誕生した。
【ヒットの裏付け】
コロナが猛威を振るっていた5月には、クラウドファンディング利用者が前年同月比の590%を記録。その知名度を一気に向上させた。
Makuake
購入することで応援の気持ちを伝える新しい買い物がコンセプトのクラウドファンディングサイト。多くの企業が参加し、2020年を代表するようなヒット商品もここから誕生した。
【その8】radiko
在宅ワーク中にも楽しめるエンタメとして、ラジオの価値が再評価。1週間以内なら過去番組を遡って聞けるradikoの利便性の高さもあり、深夜ラジオの新規リスナーも増加した。
【ヒットの裏付け】
テレワーク普及後は、radikoの会員数が急増。現在ラジオリスナーの97%が利用するという。音声コンテンツは今後世界的に成長が見込まれる。
radiko
登場から10年を迎えたラジオ聴取サービス。1週間までなら過去の番組を聴くことのできるタイムフリー機能を備えており、アプリのインストール数は1000万人に迫る。
【その9】ゲーム
おうちエンタメの代表格として、2020年は、ゲームが好調だった。実在の土地を舞台とし、旅情すら味わえるオープンワールドゲームなどが売れたのも特徴だ。
ソニー・インタラクティブ・エンタテインメント
Ghost of Tsushima
7590円(通常版)
元寇のあった時代の対馬を舞台に、侍となって元軍と戦うアクション作。海外製ゲームながら日本文化へのリスペクトが感じられる作りで、美しい風景は世界中のゲーマーから賞賛された。
ユービーアイソフト
ASSASSIN’S CREED VALHALLA
9240円
戦士団を率いて定住の地を探すアクション作。綿密な時代考証が歴史学者にも称賛された。バイキングは海戦より実は陸戦が得意といった知識も身につく。
【ヒットの裏付け】
コロナによる世界的なロックダウンで、テレビゲームが大躍進。ライトユーザーが世界観の作り込まれた大作に手を出す新たな傾向も見えた。
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