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2016/9/2 17:00

フランス人は「ボジョレーヌーヴォー」に興味なしは本当か? グルメ大国・フランスにおける最新ワイン事情とは?

先日お届けした、グルメ大国・フランスの人に聞いた本場のパン事情レポート。そこで日本とフランスでは、トレンドや嗜好が大きく異なることが明らかになりましたが、今回は別の方にワインについて聞いてみました。高級ワイン「ロマネコンティ」やシャンパン「ドンペリニョン」があり、「ボジョレーヌーヴォー」の文化は日本でもよく知られていますが、そんなワイン大国の実態はいかに?

 

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フラビ・デグラン さん

ヴェルサイユ出身。日本の食のなかでは和菓子がお気に入り。

 

ワインのフルボトルが最安2ユーロで買える!

フランスのワインは日本のコンビニやスーパーで買える身近な存在ではありますが、ほかの国よりも品質がよく、値段も高いイメージ。そこでまずは、本国フランスではどこで売っていて、いくらぐらいなのかを聞いてみました。

 

「普段はスーパーマーケットが多いわね。でも、特別な日に飲むような高品質なワインは、豊富にそろっている専門店に限るわ。価格はピンからキリまであるけど、安いものでフルボトルが1本2ユーロぐらいかしら。ビストロやバーではさすがにそこまで安くなくて、グラスで5ユーロが底値ね」(デグランさん)

 

2016年8月31日現在、1ユーロが114円なので2ユーロは228円。フルボトルでここまで安いワインは、日本ではほぼ皆無といえます。とはいえ、さすがに2ユーロのワインはおいしくないそうで、デグランさん自身は買わないとか。ちなみに、これらのワインはすべてフランスのワインなのでしょうか?

 

「2ユーロのワインはわからないけど、フランス産以外にイタリア、スペインといったほかの欧州ワインもあるわ。特に白ワインはドイツが多い印象ね。また、ニューワールドだとチリワインが多かった気がするわ」(デグランさん)

 

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フランスは、自国のワインに対する格付けの制度などがきちんと定められている国なだけに、他国のワインにはあまり興味がないかと思いましたが、決してそうではなさそう。ただ、年々おいしくなっているといわれ、国内外の注目度が高まっていると噂される我らが日本ワインは、フランスで見たことはないとのこと。残念な気もしますが、ではワイン以外の日本の酒はフランスではどう扱われているのでしょう?

 

「伝統的な和食にラーメンなど、日本の料理は本当に大人気。それもあって、日本のお酒は昔と比べてよく見かけるようになったわ。たとえば、ビールならアサヒやキリンが多いイメージ。ウイスキーはサントリーとニッカね。日本酒も、前は日本料理の店で飲むのが中心だったけど、いまでは酒屋などに行けば見かけるわ」(デグランさん)

 

日本酒の増加とともに、梅酒も少しずつポピュラーになっているとか。ただ焼酎は浸透していないそうで、日本の食文化の普及はまだ道の途中のようです。

 

 

ボジョレーは日本ほど盛り上がらない!

もうひとつ、フランスのワイン文化で気になるのがボジョレーヌーヴォー。日本では毎年秋になると様々なお店でPRされるほど定番イベントになっていますが、本国の熱はいかほどでしょうか?

 

「ワインのイベントのひとつね。ドイツのオクトーバーフェスト(世界最大規模のビールの祭典)の意味合いに似ていて、収穫を祝うという要素が大きいの。ただ、オクトーバーフェストのように盛り上がるということはないわね。特別にボジョレーヌーヴォーがおいしければみんな買って飲むと思うけど、そうではないから興味のない人もいるわ。逆に日本でボジョレーが盛り上がっているのは意外だったわ」(デグランさん)

 

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日本におけるボジョレーヌーヴォーの盛り上がりは、やはりクリスマスのケーキやバレンタインデーのチョコのように、売り手側のPRの要素が大きいのかも。ただ、フランスの文化が日本で注目されていることについては大歓迎というのが、デグランさんの素直な気持ちとも。

 

日本の食がフランスで注目される一方、日本でもフランス生まれのミシュランガイドがグルメシーンに大きな影響を与えるなど、相互の関心は年を追うごとに高まっています。これからもより興味を深め合って、“おいしい関係”を築いていきたいですね!

 

※この企画は、外国人留学生へのリサーチから得た知見をもとに、海外向けに日本企業のブランディングや商品PRのサポートを行う「LIFE PEPPER」とのコラボによるものです。