1月18~20日の3日間に東京ビッグサイトで開催された「第3回ウェアラブルEXPO」では、最新のIoTデバイスやウェアラブル機器などが展示されました。コンシューマ向けの製品も一部ありますが、ほとんどがビジネス用途の企業向けのため、普段はなかなかお目にかかれないモノも登場しています。今回は、同展で見つけたおもしろいアイテムをピックアップして紹介します。
指の動きをセンシングする手袋
まず紹介したいのが、ヤマハの「Stretchable Strain Sensor」です。これは伸縮する変異センサーにより、指の動きをフィードバックできるシステムで、ピアノや笛などの指の動きを感知してデータ化することができる手袋型のデバイス。
また、指の動きによって、撮影している映像にリアルタイムで映像効果を加えるデモも行われました。今後、VR機器の操作デバイスとしての使用も期待されています。
また、全身用のモーションセンサースーツも展示。腕や足などにひとつずつ装着する従来のセンサーに比べ、簡単に着脱できるジャンプスーツにすることで、準備に必要な時間を大幅に短縮することができます。
実用化が進むスマートグラス
今回のウェアラブルEXPOでは、メガネ型のスマートグラスも多く見られました。コンシューマ分野ではやや下火となっていますが、業務用分野ではどんどん実用化が進んでいるようです。
フィジオテックの「ワイヤレス アイトラッキング グラス」は、メガネの内側の下部にある黒いセンサーが目の動きを感知し、メガネをかけている人がどこを見ているかを確認できるデバイス。
メガネの中央部にカメラが仕込んであり、どんな映像が視野に入っているかモニターで確認できます。さらにそのなかでどこを見ているか、緑の点によって確認ができます。広告のどの部分が良く見られるか、といった研究のためにマーケティング会社が利用したり、脳科学者が研究のために使ったりするそうです。業務用で、価格はグラスが160万円、システムが430万円とのこと。
アイトラッキング技術は、目で画面上のカーソル操作などを行うシステムにも利用されており、VRゲームの操作にも活用されていく見込みです。
普通のメガネをスマートグラスに変えてしまうアイテムを開発しているのが、メガネフレームのブランド「neoplug」。このブランドでは、デバイスとメガネをつなぐアタッチメントを開発しており、様々なデバイスを利用して普通のメガネをスマートグラスにすることができます。
メガネの弦の形状とアタッチメントを規格化することで、対応メガネであれば、どのウェアラブルデバイスでも簡単に装着できるようになります。すでにウェアラブル端末をリリースしている会社が数社参加しているとのこと。
このほか、業務用スマートグラスの先駆け的存在でもあるエプソン「MOVERIO Pro」もブースを出していました。
眠気からドライバーを守るヘッドデバイス
最近、高齢者やタクシードライバーによる自動車事故のニュースが多く聞かれますが、事故の原因のひとつであるドライバーの居眠りを防いでくれるのがKenpalの「ドライブスコア」です。これは、脳波から眠気を感知し、居眠り事故を防止するシステム。ドライバーに装着させ、データを常時送ることで、ドライバーの眠気状態を常に把握することができます。眠気が襲ってきたら、アラートが鳴るとともに運用管理者に通知し、そこからドライバーに注意を促すことができるようになります。長距離トラックや深夜バスなどでは必須なシステムなのではないでしょうか。
コンシューマ向けとは違った切り口のアイテムが並んだ「ウェアラブルEXPO」ですが、ここに展示される技術のなかから、次なるトレンドが生まれる可能性は大いにあります。次回は2018年1月17日~19日の予定ですので、最新技術に興味のある方は足を運んでみてはいかがでしょうか?