1994年に登場し、爆発的ヒットを記録したリーボックの「インスタポンプ フューリー」。いまやすっかりとストリートに定着したリーボックの名作ですが、同モデルはランニングシューズとして登場したことをご存知でしょうか? そしてこの度、リーボックから2017年のSSモデルとして「The Pump テクノロジー」を搭載した新作を含む、3モデルのランニングシューズがリリースされることになりました。
今回発表されたのは、「The Pump テクノロジー」を搭載した「ポンプ シュプリーム」と「ポンプ プラス」、そして「ポンプ プラス」の機能性をシューレースタイプに落とし込んだ「リーボックライト」の3モデル。機能性や価格帯、取扱店などは各モデルによって異なっています。
例えば、「ポンプ シュプリーム」は主要取扱店がセレクトショップである一方、他の2モデルはリーボックショップをはじめとしたスポーツ量販店での販売がメイン。また、価格面でも「The Pump テクノロジー」を搭載した2モデルの間でも大きな違いがあるようです。
ほかにも注目すべき点は数多く、それぞれのモデルの特性は気になるところ。そこでGetNavi webでは、ランニングシューズとスニーカー事情に精通した神津文人(こうづふみひと)さんに、新作3モデルの注目ポイントを解説してもらいました。
【わたしが解説します!】
神津文人さん
カルチャー誌、ファッション誌、モノ誌とメンズ誌の編集部を渡り歩いてフリーランスに。現在はフィットネス関連、スニーカー関連を中心に雑誌やWebメディアで執筆中。『青トレ:青学駅伝チームのコアトレーニング&ストレッチ』(徳間書店)にも携わった。
「The Pump テクノロジー」とは?
空気を注入するエアチェンバーをアッパーに組み込むことで、足のフィット感を調整することができる「The Pump テクノロジー」。空気を送り込むだけでシューズとの一体感を高めることができる同システムが登場したのは、いまから28年ほど前の1989年のこと。バスケットシューズ「The Pump」で初めて搭載され、その後はテニスやランニング、エアロビクスなどのシューズにも「The Pump テクノロジー」が採用されました。
そして、1994年に登場した「インスタポンプ フューリ―」ではシューレースをなくした斬新なデザインに話題が沸騰。それまでの「The Pump テクノロジー」はエアチェンバーをアッパーに内蔵していましたが、同モデルはエアチェンバー自体をアッパーの一部にすることで、軽量化とフィット感の向上に成功しました。これにより、デザインも自然と独創的なものになり、1990年代半ばのスニーカーブームの火付け役として大ヒットを記録したのです。
昨今のランニングカテゴリーでは「ジーポンプ フュージョン」というシリーズが販売されており、同シリーズにも「The Pump テクノロジー」が搭載されています。「インスタポンプ フューリ―」とは構造が少し異なり、空気を送り込むポンプボールがアッパーの両サイドに設けられているのが特徴。ですが、新作の「ポンプ シュプリーム」と「ポンプ プラス」はいずれも「インスタポンプ フューリ―」と同じ位置にポンプボールが配され、より空気が入れやすくなるように改良されています。
このように、常に進化を遂げているリーボックの「The Pump テクノロジー」。新作のエアチェンバーは、見た目で空気が入っているのがわかる構造に変更されるなど、機能性以外にも使いやすさとデザイン面もしっかりと考慮されています。そして、それらの要素を反映させたのが「ポンプ シュプリーム」と「ポンプ プラス」なのです。それでは、ここからは各モデルの機能性や注目ポイントを紹介していきます。
【神津さんの注目ポイント】
3年前の「インスタポンプ フューリ―」復刻でブームが再来!
「2014年に誕生20周年を記念して、オリジナルスペック&カラーで復刻された『インスタポンプ フューリー』が再びヒット。20年以上経過したいまでも斬新なデザインとして注目されており、トレンドに敏感な若年層からは“新しいモデル”として受け入れられています。また、僕のような1994年当時を知る中年層からも、未だに懐かしのモデルとして親しまれているのも人気の理由です」
【URL】
「ポンプ シュプリーム」商品ページ
おしゃれランナー向けの「The Pump テクノロジー」最新モデル!
Pump Supreme ENGINE/ポンプ シュプリーム エンジン
2万3000円(税抜) 2月4日発売予定(展開店舗限定)
「The Pump テクノロジー」をシュータンのトップから中足部にかけて配置することで、ポンプの機能をデザインの一部に取り込んだ最先端ランニングシューズ。スタイリッシュなシルエットとデザインが特徴で、スリップオンスタイルでありながら高い柔軟性と優れた機能性を両立させています。
【神津さんの注目ポイント】
その1)安定性と軽さを両立!
「『ポンプ シュプリーム』は履き心地の良さを追求するためにソールから開発がはじまったモデルで、リーボックのシューズのなかでも柔軟性はとても高いです。また、ソールに埋め込まれているカーボン素材がシューズのねじれを抑えてくれるので、安定したランニングを後押しします。なお、重量は『インスタポンプ フューリー』と比べると100gほど軽量に。楽しくランニングができるモデルといえそうです。」
その2)トレンドにマッチしたおしゃれなランニングシューズ
「近年のランニングシューズ市場は、“走れるおしゃれなシューズ”の需要が高まっています。“アスレジャー”という言葉が登場したように、年々スポーツウエアをファッションの一部に取り入れる風潮が広がっているのです。そんなトレンドにぴったりなのが、この『ポンプ シュプリーム』。取扱店舗もユナイテッドアローズやビームスといったセレクトショップが多いところからも、ファッションに精通したユーザーをターゲットにしていることが伺えます」
お手頃価格&ランニング向けの機能が充実!
Pump Plus/ポンプ プラス(左)
1万3500円(税抜) 2月3日発売予定
「The Pump テクノロジー」や「フュージョンフィットスリーブ」といった機能性はそのままに、「ポンプ シュプリーム」のデザインを継承。軽量で縫い目が少なく柔らかいスリッポン式の「フューズアッパー」が足当たりを軽減し、フィット性に優れた履き心地を実現します。
ReebokLight/リーボックライト(右)
9990円(税抜) 3月3日発売予定
「ポンプ プラス」のデザインと機能性を踏襲したモデルで、手ごろな価格帯も特徴のひとつ。「The Pump テクノロジー」を搭載していないシューレースタイプで、往年のランナーも手に取りやすいシンプルなランニングシューズに仕上がっています。
【神津さんの注目ポイント】
その1)「ポンプ シュプリーム」にはない機能に注目
「足との一体感を高めてくれる『フュージョンフィットスリーブ』がくるぶしまで伸びているので、足首をしっかりと守りたいランナーにオススメ。また、両モデルにはシューレースが設けられているので、アッパーの保護力とサポート力はスリップオンタイプの『ポンプ シュプリーム』より優秀といえるでしょう」
その2)トレーニングやフィットネスでの使用にも対応
「フィットネス施設でスタジオトレーニングをする人、トレーニングの一部としてランニングを取り入れている競技者にもぴったりな汎用性の高さを備えています。ランニングシューズの相場は平均1万4000円前後ですが、『リーボックライト』は1万円(税抜)を切るコスパの良さも魅力のひとつ」
【URL】
「ポンプ シュプリーム」商品ページ