コーエーテクモゲームスのグループ会社であるコーエーテクモウェーブは、アーケード用VR筐体「VR SENSE」を今夏に向けて発売することを発表しました。このVR SENSEのすごいところは、映像や音声といったこれまでにVR表現に加え、触覚や香り、温度といった五感をフルに刺激して臨場感を演出してくれる点にあります。さっそくその画期的な内容をご紹介していきましょう。
家庭では味わえない臨場感をゲーセンで体感
VR SENSEは「Playstation VR」をベースとし、振動、匂い、冷暖、ミスト、触感、風など、五感を刺激する6つのギミックを用意した大型ゲーム筐体です。
多機能3Dシートの採用により、ゲーム中の前後左右の傾きや左右水平の傾き、上下の突き上げ、振動などをダイレクトに体感できるようになっています。
また、戦場のシーンでは焼け焦げた匂い、海辺のシーンでは潮の香りなどが感じられ、実際にその場所にいるような臨場感を高めてくれます。このほか、触感に訴えるタッチ機能や、疾走する馬に乗っているような風機能、シーンに合わせて気温の変化を感じられる温冷機能、雨や水しぶきを体感できるミスト機能なども備えています。視覚や聴覚以外に感じられるものがあればあるほどリアルな臨場感を得ることができるので、家庭で体験できるVRとは比べ物にならないのは間違いないでしょう。
家庭で使うには大型な筐体ですが、アミューズメント施設に設置することを考えるとかなりコンパクト。近くにスタッフがいなくても遊べる安心設計で、荷物もしっかりとしまいこめる収納ボックスも用意しています。現時点ではゲームは最大5つまで収録でき、その都度、プレイするゲームを選択できるようにするとのこと。出荷時にはコーエーテクモゲームスの3種類のゲームが収録される予定です。
筐体と同時に発表されたタイトルは、ホラーゲームの「ホラーSENSE」、ジョッキーとなってレースを体験できる「G1ジョッキー SENSE」、コーエーテクモゲームスの看板タイトルのVR版「真・三國無双(仮)」の3本。
縮小するアミューズメント市場に新風を
コーエーテクモゲームスによれば、アミューズメント業界の規模は年々縮小しており、平成18年の時点では7000億円あった市場が、平成24年には4000億円まで下がったとのこと。そこで、アミューズメントには新しい筐体が必要ということで、このVR SENSEが開発されました。
企画・デザインを担当したコーエーテクモホールディングスの襟川恵子会長は、襟川陽一社長にVR筐体の開発について相談したところ、「やってもいいけど、コーエーテクモゲームスの人間は使うな」と言われたそう。家庭用ゲームソフトなど多くの開発を抱えているコーエーテクモゲームスでは、新たなアミューズメント向け筐体を開発する余裕がなかったため、グループ会社のコーエーテクモウェーブの若手を数人集めて、開発に着手したとのことです。
今回披露された筐体はまだ試作品のため、コイン投入口や電子マネーリーダーなどの設置もなく、内装もこれからブラッシュアップしていく様子でした。また、今後の展開として、ゲームだけに限らず、映像コンテンツなども予定されているとのこと。どんな映像が楽しめるのか楽しみです。
発表会ではまだ筐体でプレイすることはできませんでしたので、とりあえず、普通のPlaystation VRで、真・三國無双のVR版を試遊してきました。VR版はいままでにない臨場感で、まったく別のゲームのような感覚です。シリーズファンはもちろん、これまで真・三国無双シリーズをプレイしたことのない人にもおすすめ!
2月10日~12日に幕張メッセで開催予定の「ジャパン アミューズメント エキスポ2017」に、五感を刺激するギミックが稼働する筐体を展示するとのことなので、体験してみたい人はこの週末は幕張メッセへGO!