バッグの中、机の上、ポケットの中……。常に身近にある文房具は、仕事のパートナーともいえますよね。ここでは5人の文房具の達人に、相棒認定されたアイテムを紹介。話題の新製品から誰もが知る定番品まで、新旧あらゆる文房具が集まりました。
【その1】ポスタルコ「ユーティリティーポーチ」1万3500円(相棒歴1か月)
NYでスタートし、現在は拠点が日本にあるブランド「ポスタルコ」のポーチ。バッグに入れて持ち歩くだけでなく、単体での使用もできるサイズ感。ナイロン製で洗濯できるのもうれしいポイントです。
「USBケーブルなどPCグッズを入れて、毎日バッグにイン。デザイン性と実用性を兼ね備えていて気に入っています」(放送作家/ライター・古川 耕さん)
【その2】コレクト「情報カード(5×3サイズ) 125mm×75mm 無地(100枚入り)」389円(相棒歴6年)
1970年代に知的生産術のヒットとともに流行した5インチ×3インチの白紙のカード。1枚につきひとつ情報を書き留め、情報の整理分類に活用するのが一般的な使い方です。
「一週間単位のTo Doリストと毎日のTo Doリストをカードで管理。これがなくなると仕事が回らなくなります」(古川さん)
【その3】ぺんてる「サインペン」108円(相棒歴10年)
作家ペンと呼ばれる放送作家にとって定番のペン。世界初の水性サインペンで、50年以上の歴史アリ。無重力でもインクが漏れないため、1965年にはNASAの公式ペンに採用されています。
「主に赤を、たまに緑や青を使用。シンプルなデザインで完成されています。いい意味で特徴がなく使いやすい」(古川さん)
【その4】カミテリア「メモテリア」540円(大、suke/sukeは648円)、432円(小、suke/sukeは540円)(相棒歴7か月)
サラサラ(sara/sara)、デコボコ(deco/boco)といった言葉に合う紙5種類を、1冊にしたメモ帳。紙は手触りや色が異なるため、同じ筆記具を使っても違う表情を楽しめます。
「ペンが同じでも、紙を変えるとまったく異なる筆記感が楽しめる。インクの濃淡が出て美しいので、万年筆を楽しみたいときに使います」(文具ソムリエール・菅 未里さん)
【その5】ステッドラー「ピグメントライナー」302円(相棒歴5年)
水性顔料インクを使った、キリッと濃い線の引けるドローイングペン。キャップを閉め忘れても、インクが薄い皮膜を作って乾燥を防ぐ「18時間キャップオフ」機能が付いています。
「夢日記や文房具連載のイラストを書くときに愛用。ペン先の種類が豊富で、好みの太さが見つかります。0.05、0.2、0.3、0.8mmをストック中です」(菅さん)
【その6】スタロジー「半透明ふせんグリッド25mm幅」540円(相棒歴4年)
半透明の方眼入りふせん。テキストの上に重ねて貼って図表を書き込むなど、情報を追加するのに便利。方眼サイズは写真の25mmのほか、15mmと50mm幅があり、用途に合わせて選べます。
「雑誌や書籍に貼って使用。薄く入った方眼のおかげで、文字が曲がらずに書け、垂直に貼ることもできます」(菅さん)
【その7】Beahouse「どや文具ペンケース」8208円(相棒歴4年)
ボックスとトレーがひとつながりになったペンケース。収納時は、トレーに広げた文房具をボックスに流し込み、クルッと巻くだけ。大量収納と検索性の高さを兼ね備えています。
「あれこれ大量に持ち歩きたい。使うものを素早く取り出したい。そんな欲求を満たす筆箱の、いまのところ最適解」(文具ライター・きだてたくさん)
【その8】ネオラボ「ネオ スマートペン N2/N リング ノート」実売価格2万2470円/実売価格630円(相棒歴6か月)
専用ノートとスマホアプリを組み合わせることで、書き込んだ内容を直接デジタル化して保存できます。手書き文章のテキスト変換など機能が多彩で、音声の録音も可能。
「筆記と音声の同期記録がとにかく便利。テープ起こし作業にかかる時間が半減するので、本当に助かっています」(きだてさん)
【その9】三菱鉛筆「ユニボールシグノ RT1 0.38mm ブルーブラック」162円(相棒歴4年)
ペン先端のフチを丸く削りこんだ「エッジレスチップ」を採用。握り方や角度が悪くても紙への引っかかりが少なく、滑らかにコントロールの効いた筆記感を味わえます。
「致命的な悪筆なんですが、現時点でもっともマシな字が書けるペンとして愛用しています。滑らかさが絶妙で、手放せません」(きだてさん)
【その10】コクヨ「キャンパスノート B罫 A7変形」86円(相棒歴2年)
国民的ノートと言っても過言ではない、お馴染みキャンパスノートの小型版。ハガキのほぼ半分ぐらいというコンパクトさでどこにでも収納できるため、手帳代わりにも使いやすいんです。
「手書きのメモに大事なのは、いつも身に付けておけて、サッと取り出せるサイズ感。財布の中に常備しています」(文房具カフェ スタッフ・大内良介さん)
【その11】オート「ミニモボールペン」540円(相棒歴2年)
軸径3.7mmとノック式では世界最細のボールペン。細いにもかかわらず、ノック機構を搭載し、さらにリフィルは業界標準の4C規格。メモ帳などに挟んで持ち歩ける、ペンホルダー台紙が付いています。
「キャンパスノートとセットで使用。ノートよりひと回り小さいので、台紙ごとノートに挟み、長財布に入れて持ち歩いています」(大内さん)
【その12】コクヨ「ドットライナー ノック」378円(相棒歴6か月)
ノックで中からヘッドが飛び出すペン型テープのり。通常は先端がカバーで密閉されているので、ペン立てやペンケースに入れてもヘッドにゴミが付着しないんです。
「大きめサイズで、握りやすく使いやすい。背が高いので、ペンスタンドに入れても埋もれずにサッと取り出せます」(大内さん)
【その13】デルフォニックス「アイアンカードボックス」2700円(相棒歴2年)
コンパクトでポップな鉄製カードボックス。2段の引き出しを開くと、中には紙製の仕切りが付いており、名刺やカード類を分類して収納可能。鮮やかな色でデスク回りのアクセントにもなります。
「重厚感があってかっこいいのが愛用の理由。デスク上でさほど場所を取らず、ブックエンド代わりにも使えます。雑貨っぽい見た目も魅力」(ロフト 文房具バイヤー・土谷貴史さん)
達人が愛用している文房具は、バラエティ豊かな13アイテムが揃いました。山ほどある新製品を試して辿り着いた厳選アイテムには、こだわりが満載。仕事効率アップのために使ってみては? ちなみにぺんてるのサインペンは、土谷さんも「使えばロングセラーの理由がわかります」と大絶賛しています。ストレスフリーに筆記できるので、ぜひお試しあれ。
【教えてくれた人】
放送作家/ライター 古川 耕さん
「文房具でモテるための100の方法」を連載。「OKB(お気に入りボールペン)48総選挙」の総合プロデューサーでもある。
文具ソムリエール 菅 未里さん
毎日が楽しくなる文房具を紹介するサイト「STATIONERY RES TAURANT」を運営。新刊「毎日が楽しくなる きらめき文房具」(KADOKAWA)が発売中。
文具ライター きだてたくさん
機能派文具からオモシロ文具まで、いじり倒して語る文具ライター。自称世界一の色物文具コレクション(3000点以上)を保有している。
文房具カフェ スタッフ 大内良介さん
表参道にある文房具カフェのスタッフとして、各所の文具展示会を回り、日々素敵な文房具を探している。
ロフト 文房具バイヤー 土谷貴史さん
ロフトの文房具バイヤー歴11年。世界の鉛筆集めが最近のマイブーム。ヨーロッパの学童用鉛筆のデザインが面白いと注目している。
構成・文/きだてたく、鈴木翔子(本誌) 撮影/篠田麦也