近年、何かと耳にするようになったIoT(Internet of Things=モノのインターネット)家電。モノである家電がインターネットにつながり、人の行動パターンや嗜好を学習しながら日常を快適にサポートするなどの機能が期待できるため、今、熱い注目を集めています。
シャープではすでに、IoTを搭載したオーブンレンジ「ヘルシオ」やプラズマクラスターエアコンなどを投入していますが、新たにIoT冷蔵庫「SJ-TF49C-B」を発表。冷蔵庫をクラウドに接続したら、どんな便利なことができるのでしょうか? 期待しつつ、発表会に参加してきました。
ドアの開閉や買い物メモの登録を通じてユーザーのライフサイクルを学習
シャープは「もっと人に寄り添う存在に」という思いから、「COCORO+(ココロプラス)プロジェクト」としてIoTを推進。人工知能と情報を利用し、「賢く学習して動作する」という要素に音声対話を取り入れることで、わかりやすく人に伝え、親しみや愛着を感じさせる家電を目指しているそうです。
今回発売されるIoT冷蔵庫は、容量485Lの「SJ-TF49C」。既存の「SJ-GF50B」との違いはIoTであるという点。発売は3月21日で、市場想定価格は税別35万円前後です。使い続けることでクラウドがユーザーの生活リズムを学習し、“グッドタイミング”で必要な情報を音声メッセージで知らせてくれるよう、進化したというわけです。
その“グッドタイミング”を推測するために利用しているのが、「ドアの開閉」と「買い物メモの購入登録」。ドアの開閉頻度や時間帯の情報を蓄積して、例えば「日中は冷蔵庫の開閉がないから家にいないようだ」「夕食の支度は〇時から始まるようだ」など、ユーザーの生活リズムを学習していくそうです。
同時に、スマートフォンにダウンロードした「COCORO KICHEN」アプリに入力した「買い物メモ」の購入登録を通じて、冷蔵庫の中にあるであろう食品を把握したり、食材別の買い物サイクルを学習。これらの情報をもとに、後述するさまざまなサポートを行ってくれるとのこと。
ちなみに冷蔵庫が発話するタイミングは、ユーザーが冷蔵庫のドアを開けたとき、または本体にある「おはなし」ボタンを押したとき。おはなしボタンがピンク色に点滅しているときは、「話したいことがある」ときだそうです。
3つのナビがメニューや買い物、耳より情報まで、積極的に話しかける
では、どんなタイミングでどんなおしゃべりをしてくれるのでしょうか。
1つめの「食材すっきりナビ」では、ドアを開けたタイミングで、例えば「今日は、この前買った鶏肉で、鶏肉のつけ焼きはどうですか?」と提案してくれます。
また、夜6時にドアを開けると、定期購入食材の購入予測日から、「そろそろ卵がなくなるころじゃないですか? まだ残っているなら、献立相談してくださいね」と教えてくれます。これにより食材の使い忘れが防止できるほか、冷蔵庫にある食材を活用した献立相談も可能。レシピはアプリで確認できます。
2つめの「買わなきゃナビ」は、気づいたときに買いたい食品を音声でメモできる機能。おはなしボタンを押し、「買い物メモお願い。牛乳」と話しかけると、買う食品を登録し、スマートフォンのアプリにも情報が共有されます。さらに定期的に購入している食品の買い物時期も知らせてくれることも。買い物メモに登録されたリストは「購入済み」にすることで、冷蔵庫に追加されたと認識されます。
ここで実際に、買い物メモを登録する様子を実演していただきましたので、以下の動画で確かめてみてください。
そして、3つめの「生活リズムナビ」では、明日の天気やスケジュール、雑学や冷蔵庫の整理のヒントなど、ユーザーの役に立ちそうな情報のほか、「お疲れ様」などねぎらいの言葉までかけてくれるそう。こういったところにも「人に寄り添う」精神が感じられます。
使えば使うほどユーザーに寄り添う冷蔵庫になる
本機は、2週間使い続けることでユーザーのライフスタイルを把握するとのこと。もちろんその後も情報を蓄積し続けるため、使えば使うほど、より暮らしにフィットした情報を提供してくれます。オーブンレンジ「ヘルシオ」との連携も可能なため、組み合わせて使うことで、より料理の幅も広がりそう。今後さらに進化が期待されるシャープのIoT家電から目が離せません!