デジタル
2017/3/17 20:06

「ドローンの交通整理は誰がやる?」問題に楽天が着手! インフラ整備で日本の空はどう変わる?

楽天とAirMap社(米国)が、ドローンの無人航空機管制システムソリューションを提供する合弁会社「楽天AirMap」を設立すると発表しました。楽天とドローンといえば、まず思い浮かぶのはドローンによる宅配サービス「そら楽」。昨年5月の1か月間、キャメルゴルフリゾートにてプロジェクト第1弾を行っていたことも記憶に新しいですよね。

↑そら楽で荷物を運んだドローン

今回楽天とタッグを組むことになったAirMap社はドローン空域管理の第一人者で、すでに125箇所以上の空港および空域管理者がAirMap社の空域管理者向けのツールを利用しています。この2社が合弁会社を作ることにより、ドローンの無人航空機管制ソリューションと商用化ドローンの運用・発展に向けて大きく動き出そうという狙いがうかがえます。

 

拡大するドローン事業の「誰がとりまとめるの?」問題に対応

ドローン事業は今後さらに拡大していくと見られており、現在すでに世界で毎日10万台以上のドローンがフライトしています。このようにドローンが普及していくにつれ浮かび上がってくるのが、今後何百万台のドローンが飛んだとき誰が管制するのかという問題。しかも、ドローンは航空機よりも低空を飛行するのため、ビルや人がいる場所など、通常の航空機の管制システムよりも遥かに多い情報を処理しなくてはなりません。

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↑ドローン経済圏には、物の移動、安全保障、通信、監視・点検、撮影などさまざまなものがあります。荷物配送や自家用飛行機といった次世代の航空イノベーションも始まっており、ドローンの数は今後右肩上がりで増加する見込み

 

それに対応するために設立されたたのが今回の楽天AirMap。空域管理者、ドローン操縦者双方の悩みを解決するUTM(無人航空機の管制システム/Unmanned Traffic Managementの略)を提供します。

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↑楽天AirMapのUTMはオープンプラットフォームなので、メーカーや操縦者、空域管理者が相互的にデータや情報のやり取りができます

 

UTMに集約されたデータをもとに、空港などの空域管理者はドローンの飛行情報をリアルタイムで確認することができます。

 

一方、ドローン操縦者にとっての「ドローン禁止区域がどこなのかわかりにくい」問題も同時に解決。現地の看板などでは見落としてしまう可能性もありますが、楽天AirMapが提供するUTMプラットフォームがあれば、禁止区域で飛行しようとすると警告がSMSや電話で直接連絡が届くため安心して飛ばすことができるようになります。

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↑風の強さなども加味し、正確な到着予定時刻もわかるようになります

 

将来的には管制システムだけでなく、ナビゲーションへの活用も考えているとのこと。ドローンを使った荷物配送は、離島や買い物弱者などの手助けとなるほか、被災地などでの活躍も期待できるので、安心かつ安全で運航できる管制システムは必須。インフラがしっかり整えば現在なにかと制限されているドローンの飛行区域も広がるのかも知れないので、期待したいところです。