パナソニックは、IHジャー炊飯器とスチームオーブンレンジにおけるフラッグシップモデルの新製品発表に伴い、23日に都内でメディアセミナーを開催。従来モデルでも十分以上の「美味しさ」ではあるが、そこからさらにどのような点が進化したのでしょうか? その注目ポイントや魅力を家電コーディネーター・戸井田園子さんのコメントとともにご紹介します。
かまど炊きを再現した“加圧追い炊き”でもちもち感がアップ
今回発表された「Wおどり炊きSR-SPX7シリーズ」は同社のスチーム&家電圧力IHジャー炊飯器のフラグシップにあたるモデルで、5.5合炊き「SR-SPX107」と1升炊き「SR-SPX187」の2機種をラインナップ。発売は6月1日で、実売想定価格は5.5合炊きが11万円前後(税別)、1升炊きが11万5000円前後(税別)となっています。
本製品は、炊飯工程後半の追い焚き時にも加圧して釜内を高温化する「加圧追い焚き」機能を新たに搭載。加圧による高温化で、米の芯まで熱を加えることに成功し、従来より甘みが約10%アップ、もちもち感(ねばり)が約9%アップしたとのことです。
また、銘柄炊き分けメニューに今年デビューする「金色の風」(岩手)など新たに4銘柄が加わり、従来の46銘柄から50銘柄に拡大した点もポイントです。
家電コーディネーターの戸井田園子さんに会場で本製品の感想をうかがったところ、次のように語ってくれました。
「まだ発売前のお米まで積極的に取り入れ、銘柄炊き分けという強みをより強化しているのが魅力的。お米を踊らせないメーカーも新規参入するなか、独自の“Wおどり炊き”をあらためて打ち出し、スタンスを明確にしている点は、長年培ってきた技術に対する自信の表れだと感じました」
「加圧追い炊き」という新機能はもちろん、従来からの強みが着実に進化している点もフラッグシップらしいこの製品のトピックといえるでしょう。
0.5秒の超速センシングで吹きこぼれなし
一方、炊飯器とあわせてスチームオーブンレンジのフラッグシップモデル「3つ星ビストロ NE-BS1400」も発表されました。実売想定価格は17万円前後(税別)で、発売は同じく6月1日です。
本製品では、「高精細・64眼スピードセンサー」の受光面積が従来の1.5倍となったことで食品の検出温度精度がアップし、温度判定時間が従来の1秒から0.5秒に半減。これにより、沸騰状況を素早く判定して適切な温度に自動調整できるため、ふきこぼれを抑えることが可能となりました。
また、この性能を生かして、耐熱ボウルにすべての材料を入れラップでフタをしてレンジに任せきりにする「ワンボウルパスタ」「ワンボウルシチュー」といったワンボウルレシピを提案しています。
本製品に関して、家電コーディネーターの戸井田園子さんは以下のようにコメント。
「もともと64眼による一発センシングで検知スピードは速かったですが、さらに精度を上げて0.5秒で確実に検知する技術はスゴイ。1秒と0.5秒では、ふきこぼれに大きな違いが出ます。この進化で実現したワンボールレシピも画期的!」
たかが0.5秒と思ってしまいがちですが、その差はかなり大きいようです。
年々進化し続けている調理家電ですが、メーカーによる美味しさの追求はとどまるところを知りません。「Wおどり炊き」は10%の甘みアップ、「ビストロ」は0.5秒の検知スピードアップと、数値だけ見れば小さいですが、その差を追求できるのも技術の蓄積があればこそ。今回ご紹介した製品の技術的背景やより詳細なレポートも後日予定しておりますので、お楽しみに!