ソニーモバイルコミュニケーションズは、壁やテーブルに投写し、投写した映像をタッチすることで操作ができる画期的なスマートデバイス「Xperia Touch」を発表。投写した映像にタッチできるというだけでも驚きですが、実はこのデバイス、Android端末としての機能も搭載。本稿ではその多彩すぎる機能の全容をご紹介します。
コンパクトサイズの短焦点プロジェクターとしても秀逸
Xperia Touchは、投写距離がゼロでも投写できる短焦点プロジェクターでありながらAndroidタブレット機能を搭載。しかも、赤外線センサーにより投写した映像をタブレットの画面のようにタッチ操作することができます。
短焦点プロジェクターというと、同じソニーからポータブル超短焦点プロジェクター「LSPX-P1」が発売されていますが、プロジェクターの能力に関しては、それとほぼ同等になります。
投写サイズは壁にベタ付けした状態で23インチ、壁から離して投写すると最大80インチの大画面で楽しむことができます。壁にベタ付けで投写できることを利用して、テーブルに投写することも可能。
プロジェクターは光源にレーザーダイオードを搭載しているので、自動的に投写距離に合わせてピント合わせもしてくれます。好きな場所に向けて投写するだけで、細かい設定をしなくても済むのは便利ですね。
本機は約1200mAhの内蔵バッテリーを搭載しており、バッテリー利用で約1時間の投写が可能です。
タッチ操作+Android OSで、まさにスマホ感覚
「LSPX-P1」と違う点は、赤外線センサーとAndroid端末が組み込まれている点です。続いては本機ならではの特徴を見ていきましょう。
赤外線センサーは本体から放射状に放出されており、投写されたスクリーンのどの場所をタッチしても、正確な場所を把握し、反応してくれます。毎秒60フレームのリアルタイム検索なので、タッチした瞬間に反応してくれますし、最大10点のマルチタッチにも対応。複数人数での操作もできてしまいます。もちろん、フリックやピンチイン、ピンチアウトなど、スマホやタブレットでおなじみのタッチアクションにも対応しています。
残念ながら、タッチアクションが使えるのは、投写サイズが23インチの場合のみ。大画面で投写している際はリモコンや別の機器によって操作することになります。
Xperia TouchはOSとしてAndroid7.0を搭載しているAndroid端末でもあるので、通常のスマホにできることはたいていできます。
例えば、ゲームアプリや動画配信サービスを大画面で楽しむこともできますし、メールやSNS、ビデオチャットなどのやりとりも可能。ただし、SIMスロットは付いていないので、ネット接続はWi-Fiに頼るしかありません。家にネット環境がない人はスマホのテザリングなどを利用することになります。
音声による操作も可能。「オッケーGoogle」ではなく、「ハイ!Xperia」という掛け声になりますが、声をかけると音声認識モードに切り替わり、インターネット検索やアプリの起動、予定の確認などを行うことができます。
PlayStation4のリモートプレイにも対応しており、PS4が設置してある部屋以外で遊ぶのはもちろん、インターネット経由で外出先から自宅のPS4を起動して遊ぶ、なんてことも可能。PS4のワイヤレスコントローラー「DUALSHOCK4」とXperia TouchはBluetoothで接続できるため、自宅でPS4で遊んでいるのと全く遜色なくプレイ可能です。
Xperia Touchは、短焦点プロジェクターとも、Androidタブレットともいえる、不思議なアイテム。あえて表現するならば、プロジェクターをディスプレイにし、Android OSで動くパソコンというほうがイメージに近いかもしれません。いずれにせよ、私たちをわくわくさせてくれる新機軸のスマートデバイスであることに違いはありません。これがあるだけで、自宅が一気に未来的な雰囲気になること請け合いです。