日本酒を飲み始めたいけれど、何から飲めばいいかわからない……。そんなときは、とりあえず静岡の日本酒を選んでみてはいかがでしょう。なぜなら、静岡県は「吟醸王国」と呼ばれ、「吟醸造り」という澄んだ酒質&フルーティなお酒で有名な地域だからです。飲みやすいお酒が多いので、初心者や女性にも大いにおすすめできます。今回は、なかでも間違いのないお酒を厳選して紹介していくので、ぜひ覚えて帰ってください。
その1
本醸造なのに吟醸酒と同様の風味が楽しめる!
磯自慢(いそじまん)
特別本醸造・特撰(とくべつほんじょうぞう・とくせん)
2992円(1.8ℓ/地元価格)
吟醸王国、静岡を代表する銘柄。洞爺湖サミットの乾杯酒となるなどの高評価を得るに至ったのは、現社長の寺岡洋司氏が品質第一を掲げ、いち早く糖類無添加に切り替えたことに始まります。以後、特上山田錦の調達、蔵への冷蔵設備の導入といった施策を行い、多くの蔵の手本に。その実力を知る格好の“教材”が本品です。価格を抑えた本醸造ながら、味、香りとも吟醸同等の風味が楽しめます。
【蔵元コメント】
磯自慢酒造 寺岡洋司さん
蔵全体に冷蔵設備を導入したのは、温暖な気候が吟醸造りに不適だったため。さらに、清潔さを保つため、総ステンレス張りにしました。また、兵庫県特A地区の山田錦農家を1件ずつ回り、6年かけて購入にこぎつけるなど、最高の酒米の調達にも尽力しています。
その2
透き通るようなボディに豊かな旨みを含む
開運(かいうん)
無濾過純米(むろかじゅんまい)
2980円(1.8ℓ)
能登杜氏四天王、故・波瀬正吉氏の技を受け継ぐ蔵。近年は、太陽光発電で使用電力の約半分を発電するなど、環境に配慮した取り組みも行っています。本作は透き通るような酒質に豊かな旨みを含んだ一本。生無濾過ですが燗につけても絶品です。
その3
静岡型吟醸造りの技が生きた優しい味わい
喜久醉(きくよい)
純米吟醸(じゅんまいぎんじょう)
2160円(720㎖)
洗米、麹作りを手作業で行うなど、丁寧な仕事で少量を醸す蔵。静岡型の吟醸造りの技が生きた酒は、どのクラスでも旨いと評判です。本品は、澄み切った酒質にほのかな吟醸香が特徴。身体に沁みこむような優しい味わいです。
【喜久醉ならこちらもオススメ】
喜久醉 特別本醸造(きくよい とくべつほんじょうぞう)
2160円(1.8ℓ)
「下手な大吟醸より旨い」との呼び声も高い傑作。大井川の伏流水を井戸からくみ上げて使い、静岡酵母の特徴を生かして透明感のある味わいに仕上げました。香りは穏やかで、白身魚のお刺身などの淡い味の料理から、油っこい料理まで対応します。
その4
米の旨みとともにキレの良さが持ち味
白隠正宗(はくいんまさむね)
誉富士(ほまれふじ) 純米酒
2622円(1.8ℓ)
銘柄は幕末の幕臣・山岡鉄舟が名づけたもの。2012年度からは純米酒のみの酒造りに転換しました。本品はしっかりとした米の旨みとキレの良さが持ち味。穏やかな香りで飲み飽きることもありません。ぬる燗で飲むのもオススメ。
その5
米由来の甘さの中にほどよい酸味が宿る
花の舞酒造[浜松市]
花の舞(はなのまい)
ぷちしゅわ日本酒ちょびっと乾杯
680円(300㎖)
もろみが良い発酵をするよう、仕込み蔵で音楽を流している蔵。この酒は米由来の甘さの中にほどよい酸味を感じるとともに、ぷちぷちとした可愛らしい発泡感が楽しめます。イタリアンやフレンチなど、洋食の味にも好相性。
静岡の日本酒を飲めば、日本酒が苦手だった人もイメージが変わるはず。飲食店でみかけたら、ぜひ試してくださいね。