松阪牛や伊勢えびなど、高級食材の宝庫として知られる三重県。その日本酒は、紀伊山地からの清冽な軟水を使い、やわらかな飲み口の甘口が多い傾向にあります。今回は、なかでも注目の4銘柄を紹介。すでにスターの地位を確立し、入手困難となっている銘柄もあります。以下でしっかりチェックしていきましょう。
その1
リンゴのように爽やかな味わい
作(ざく)
雅乃智(みやびのとも)
純米吟醸 八反錦(じゅんまいぎんじょう はったんにしき)
3780円(1.8ℓ)
蔵のある鈴鹿で生まれ育った杜氏が、伊勢杜氏の伝統を引き継いで醸した酒。栓を開けるとおだやかな甘い香りが漂い、口に含むとリンゴのような爽やかな甘酸っぱさを感じます。滑らかなのどごしも心地良い1本です。
その2
やわらかな口当たりで自然と杯が進む
瀧自慢(たきじまん)
純米大吟醸
4212円(1.8ℓ)
秒単位で行われる米洗いをはじめ、妥協のない仕事で少数精鋭の蔵人が醸す蔵。本品は、純米大吟醸らしい透明感とやわらかな口当たりが楽しめて、ついつい杯を重ねてしまいます。キレも抜群なので、食中酒としても優秀。
その3
だしを生かした和食に合う燗もおすすめの食中酒
天遊琳(てんゆうりん)
特別純米酒 瓶囲い
3024円(1.8ℓ)
限定給水による米洗いや薄盛りの麹造りに徹するなど、繊細な匠の技で醸す蔵。本作は、穏やかな香りで主張しすぎず、和食をはじめ食中酒としておすすめ。燗にすると、米の旨み、酸味もほどよくスムーズに楽しめます。
その4
次世代スターの地位を確立した入手困難な銘柄
而今(じこん)
純米吟醸 八反錦火入(はったんにしきひいれ)
3240円(1.8ℓ)
而今は十四代、飛露喜に続く次世代の筆頭。酒銘には「過去にも未来にも囚われず、今をただ精一杯生きる」との意味があり、この精神のもとに6代目の蔵元、大西唯克氏が精魂を込めて醸すブランドです。伊賀山田錦、愛山、千本錦などを使って毎月違う種類を出荷するなか、本品は1~2月に発売する食中酒タイプ。香り、酸、旨みのバランスが良く、キレも良いので、盃が進むこと間違いなし。すでに個人レベルでは入手困難な銘柄となっているので、居酒屋で見かけたら、機を逃さずに楽しんでみてください。
蔵元コメント
木屋正酒造 大西唯克さん
火入れ酒でも、生と同様のフレッシュな味に仕上げるのが理想。ありがたいことに、そう評価して頂くことも多くなりました。ポイントは、米から甘みを引き出し、酸で切ること。そのためには、蔵の清潔さが必要不可欠です。不衛生だと、酸が多く出てしまうんです。使った道具はすぐに洗う、そんな当たり前のことにも手を抜かないよう、心掛けています。
以上、三重県の日本酒4選でした。いずれもスイスイ飲める軽快な味のお酒なので、日本酒の初心者にもオススメです。居酒屋で見かけたら、ぜひ試してみてくださいね。