スポーツ
2017/6/1 21:00

「ジロ・デ・イタリア2017」はオランダ人が初優勝! まさかの“トイレ離脱”も最終日に逆転

自転車のグランツール(3大ツール)初戦、ジロ・デ・イタリアは5月28日に迎えた大会最終日の逆転劇で決着した。

 

5月5日にサルデーニャ島のアルゲーロで開幕した、記念すべき100回大会のジロ。序盤戦はクイックステップ・フロアーズのボブ・ユンゲルスが大会をリードしていたが、第10ステージの個人タイムトライアル(TT)で優勝し、個人総合トップに躍り出たのが同選手だ。

 

ジロのリーダージャージー、マリア・ローザに袖を通したトム・デュムラン。TTのスペシャリストとして名を上げ、今大会はチーム・サンウェブのエースとして出場していた。

 

デュムランはその後、山頂ゴールの第14ステージも制してライバルたちに大きな差をつけたが、第16ステージでまさかの事態。レース中にお腹を壊し、“トイレ離脱”でそこまで築いたアドバンテージを一気に失ってしまう。

 

どうにもならず、道端の草むらで用を足してしまったため、レース後のデュムランのツイートも「お花を摘みに」的な表現に。山岳ステージだから仕方ない!

 

こんな一件もあり、ライバルであるナイロ・キンタナやヴィンチェンツォ・ニバリに再びチャンスが巡ってきたが、そこからデュムランが粘った。チーム力で決して恵まれていないなか、特に山を得意とするキンタナに対して孤軍奮闘。第19ステージでキンタナにマリア・ローザを譲り渡したものの、最終日時点でトップとの差を53秒にとどめた。

 

そして迎えたミラノでの最終ステージは、大得意の個人TT。

 

デュムランは予定通りの快走を見せ、ステージ2位の好タイムでフィニッシュ。その結果、上位のキンタナらを見事に抜き返し、自身初のグランツール制覇を成し遂げたのである。

 

オランダ人のジロ優勝は初めて。デュムランがアクシデントに見舞われたことで結果的に最後までわからない展開となり、100回大会に相応しい盛り上がりを見せた。大成功の大会だったといえるだろう。