アイリスオーヤマといえば、2009年より本格的に家電事業に参入して以来、急成長を続けている企業です。近年は、左右で別々の温度にできる両面ホットプレートや、おひつとIHヒーターに分離する炊飯器など、リーズナブルながらユニークな商品を次々と発売。今年の4月にはエアコンの分野に新規参入し、格安のモデルを発売して話題となりました。そんな同社の昨年の家電事業(LED事業含む)の売り上げは485億円と、前年比で20%の成長を実現。いま白物家電でもっとも勢いのある企業として注目を集めています。
PC作業はスタンディングで45分に限定
そんな同社は、働き方も一風変わっています。社内にはイスのない丸テーブルを複数設置しており、何か提案やトラブルがあると、ここに関係者がサッと集まり、方針を決めてサッと解散するスピーディなミーティングが可能となっているそう。また、2007年から自席にパソコンを置くことを禁止。PC作業を行う際は、別途設けられた「パソコン島」に移動してPCを使用することを義務付けました。なお、一回あたりのパソコンの使用時間の上限は45分に制限しています。
そして今回、同社が発表したのが、「座った状態でのパソコン作業の禁止」。要は、先述のパソコン専用のデスクからイスを取り払い、デスクをスタンディング用の丸テーブルに変えるということです。同社によると、その狙いは①集中力と作業効率を高め、労働生産性の向上を図る②立って作業をすることで眠くなることを防ぎ、独創的なアイデアの創出を促進③血流と代謝を改善し健康を維持する、この3点だといいます。
確かに、パソコンに張り付いて仕事をしていると、行動しようという意識が薄れ、頭も重くなってくるのは事実。一方で、PC作業をスタンディングにし、45分の制限があるとなると、PC作業は集中してなるべくスピーディに済まそうとするはず。PCでパパッと資料を作り、サッと会議を行い、次の瞬間には上着をとって営業へ……そんなスピード感を出すのが、同社の主な狙いではないでしょうか。極端な例ではありますが、実際に急成長を遂げている企業だけに、見習うべき点があるのは間違いありません。