家電
掃除機
2016/3/12 20:30

“ロボット掃除機戦争”でルンバが負けない決定的な理由

ロボット掃除機のパイオニアで、多くのメーカーが競合モデルを発売する現在もトップシェアを維持する「ルンバ」。圧倒的な人気の理由は、唯一の“専業メーカー”であるということです。

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アイロボット
ルンバ980
本体上部にあるカメラと、底面のフロアトラッキングセンサーにより、フロア全体のマップを作成し、ルンバ自身の位置情報 を把握し続ける「iAdapt® 2.0 ビジュアルローカリゼーション」を実現。独自の清掃機構である「AeroForceクリーニングシステム」に、最新の強力モーター「ハイパワーモーターユニットG3」を搭載。吸引力は同シリーズのルンバ700と比べて、最大10倍にまで向上している。

 

英語で〝Better leave it to a specialist〞――。日本語だと〝餅は餅屋〞という諺で訳されます。

 

多くのロボット掃除機が市場に出回るようになり、低価格なモデルまで含めると、数えきれないほどのモデル数になりました。ただ、それらがどこまで増えようとも、常に二分されます。〝ルンバとそれ以外〞に。アイロボットのCEOのコリン・アングル氏は理由を明確に語ります。

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iRobot CEO
コリン・アングルさん
ロボット産業界の第一人者。1967年生まれ、ボストン出身。1997年には火星探査ロボットをデザインし、「NASA GROUP AchievementAward」を受賞しました。

 

「『ルンバ』は一朝一夕でできたものではありません。アイロボットが設立された1990年から約12年の歳月を掛けて、初代モデルは生み出されました。それからさらに10年以上の開発期間を経て、最新の980シリーズは誕生しています。最新の『ルンバ』にはゆうに25年以上のロボット技術が込められているのです。他の家電メーカーに、それだけの歳月を掛けてロボット掃除機を生み出したところはありますか?」

民間人がいくら武装しても本物の兵士には勝てない

「餅は餅屋」。アイロボットはロボット専業メーカーです。国家の命を受け、上は宇宙から下は深海と、あらゆる場所へとロボットを送りこんできました。

 

実はルンバの原型は、地雷探査ロボット『フェッチ』。ここに、現在のルンバの独自技術「iAdapt」の元となるものが積まれています。つまり、生命に関わる極限状況で活躍できるロボット製造を背景に、『ルンバ』の最も重要な、その動作パターンを統率するテクノロジーを開発。それを包むハードウェアも目に見えない隅々のパーツに至るまで、〝ロボットがロボットとして〞存在するための耐久性や汎用性の高さを背負わせているのです。

 

ロボット作りにはセオリーやルールが存在します。当然ながら家電作りのそれとはまったく別物です。「ルンバ」にはそのセオリーがあてはまり、「ルンバ」以外のロボット掃除機には、実はそれがあてはまりません。同じロボット掃除機とくくられ、一見同じような形状をしているものの、「ルンバ」と「ルンバ」以外は似て非なるもの。埋め尽くしがたい差があるというのが答えです。

 

短期間訓練しただけの民間人をいくら形ばかりフル武装させたとしても、本物のソルジャーには勝てないのです。