【Snapseed】開発:Google 価格:無料 iOS用/Android用
Google「Snapseed」は、無償ながら高機能を誇る写真加工アプリだ。色や明るさ調整といった基本はもちろん、エフェクト系のフィルターを使って写真をアーティスティックに仕上げたり、トーンカーブや部分調整といったワンランク上の画像編集を楽しんだりもできる。今回は、特にユニークな3つの機能を紹介する。
写真の周囲を広げられる「アンクロップ」がスゴイ
インスタグラムやメルカリに代表されるように、ウェブでは正方形の写真が使われることが少なくない。厳密には、インスタグラムもメルカリも正方形以外にも対応しているが、サムネイルに関しては正方形表示である。写真にこだわり、サムネイルの見栄えを重視するなら、自動的にクロップされる長方形写真ではなく、最初から正方形の写真をアップしたいところだ。
ただし、そもそもスマホやデジカメの写真は、アスペクト比が4:3や3:2であるため、トリミングしても見栄えのいい正方形写真にならないことがある。例えば、高層タワーのような縦に長い被写体を縦位置で撮った場合、正方形にトリミングすると建物の上下が切れてしまう……。そんなときに役立つのがSnapseedのアンクロップ機能だ。
アンクロップでは、写真を切り取る(クロップ)のとは反対に、写真の周辺を拡張し、画像合成によって何もない部分を自動的に埋めることができる。タワーの縦長写真なら、縦をそのままにして、左右を拡張することで正方形フォーマットに近づけることができるのだ。絵柄が複雑な写真ではうまく拡張できないが、空や壁などのシンプルな背景なら十分に実用的な仕上がりが得られる。
画像や文字を追加して情報量を増やせる「二重露出」と「テキスト合成」
同じくSnapseedの合成機能として「二重露出」と「テキスト合成」にも注目したい。二重露出は、フォトショップのレイヤーのような感覚で、異なる2つの写真を重ね合わせる機能だ。重ね合わせの方法は「加算」「減算」「オーバーレイ」など6タイプから選択でき、不透明の調整もできる。ここでは、1枚だけでは少々地味な花火写真を2枚重ねて、華やかさを強調してみた。
そして「テキスト合成」では、不透明度や色、吹き出しなどを選んで写真に文字を重ねられる。例えば、商品写真に説明文を加える用途などに生かせるだろう。
顔の向きを動かして人物の印象を変える「ポーズ」が面白い
人物写真用の機能としては「ポーズ」が面白い。これは、人物の顔を自動認識させたうえで、画面を上下左右にスワイプすることで顔の向きを微調整できるツールだ。やりすぎると不自然になるが、軽めに調整を加えることで、視線の印象に変化を与えられる。
さらに、瞳孔の大きさや、口角の上げ下げ、顔の膨らみの各調整も可能だ。記念写真やプロフィール写真の見栄えをアップできるほか、SNSなどで顔バレを避けたいときなどに役立つだろう。
こうしたSnapseedのユニークな機能は、フォトショップユーザーにとっては新味があるものではないかもしれない。しかし、かつては数万円もするフォトショップを買わなければ実現できなかったことが、いまや無償のスマホアプリで簡単に行えるのだ。写真加工のハードルは低くなり、誰でも自由に楽しめるようになったといっていい。難しく考えず、軽やかに使いこなしたい。