成城石井のオリジナル商品ブランド「desica」シリーズの「レトルト」カテゴリに、注目グルメがあります。それは、「骨付き肉を煮込んだ旨味たっぷりバターチキンカレー」「有機キヌアとガルバンゾビーンズのスパイシーカレー」「24ヶ月熟成 パルミジャーノ・レジャーノのビーフハヤシ」の3種類。いずれも素材やレシピにこだわった本格派のレトルト商品です。
そんななか、ひとつ気になることがあります。それは「無印良品のバターチキンと成城石井のバターチキンは、どちらがおいしいのか?」ということ。無印良品はレトルトカレーにも力を入れていて、レトルトカレーだけで約30種類も展開しています。なかでもいちばん人気なのが「素材を生かしたカレー バターチキン」。口コミでの高評価もあとを絶ちません。
王者・無印良品のバターチキンと新鋭・成城石井のバターチキン、おいしさ対決の勝者は? 本稿では、味と質に定評のある両社のカレーをじっくり比べてみました。
成城石井はご飯と合わせたい辛さ控えめ仕様
まずは成城石井のバターチキンカレーから。袋を開けるとゴロッと1本、手羽元が出てきます。これはレトルトなのにインパクト大ですね! そしてカレーを口に運ぶと、まず濃厚なピーナッツと24か月熟成させたイタリア産パルミジャーノ・レジャーノの生み出すコクが押し寄せてきます。そこに、トマトと鶏のうまみが加わって、とにかくどっしりと深い甘みのある味わい。よく煮込んで寝かせたカレーのうまさに近い感覚です。
スパイス感や辛さは控えめで、インド料理のバターチキンカレーとはイメージは異なりますが、白いご飯との相性も良く、あとを引くおいしさです。ちなみに手羽元ですが、よく煮込まれていて骨から簡単に肉が離れるものの、少々パサつき感がありました。
無印良品はナンやチャパティ向けの本格派カレー
一方、無印良品の「素材を生かしたカレー バターチキン」は、成城石井のカレーよりも少し赤みが強い見た目。そして温めるとスパイスのいい香りが立ち込めます。一口目にはまずトマトの爽やかな酸味が広がり、そのあとバターのまろやかさ、そしてコリアンダー、クミン、カスリメティ、フェンネルなどのスパイスが鼻の奥に抜けていきます。
辛くはないので子どもでも食べられますが、酸味と甘さとスパイスのハーモニーはまさにアジアン料理。インド料理屋でバターチキンカレーを頼むと出てくる味が、そのまま食卓に運ばれてきた印象です。
カレーそのものとして完成されているので、白いご飯に合うというよりは、思わずカレーだけをスプーンですくって食べたくなる味。なので、ナンやチャパティに合わせるのが向いているかも。ちなみに具材ですが、レトルトにしては珍しい大きめな鶏肉が4個ほど入っていました。こちらもよく煮込まれていることもあって、パサッとした食感です。
最終結論は……答えを出せず!?
成城石井と無印良品、どちらのバターチキンカレーがおいしいのかというと……それは「どちらもおいしくて決められない!」でした。カレー自体の方向性がまったく違うので、甲乙付けがたく、最終的には好みや気分といった感じでしょうか。
成城石井のほうはスパイスのクセがあまりなく、スパイスに不慣れな方でも食べやすく仕上がっています。ただ、アジア料理好きの友人に言わせると「バターチキンカレーと聞いてしっくりくるのは無印良品のほう」とのことでした。家族やカップルで、じっくり食べ比べてみるのも楽しいですよ!