MVNOサービスが拡大し、通信会社を自由に選んで使えるSIMフリーのスマートフォンが各社から続々登場しています。ひと昔前は、国内で使えるSIMフリースマホの選択肢はそれほど多くなかったのですが、現在はMVNO市場の広がりに伴い、購入しやすい低価格のエントリー機から、キャリア端末と同等かそれ以上のスペックを備えたハイエンドなモデルまで、幅広いラインナップとなっています。
しかし、選べる機種が増えたことで、かえって「どの機種を選んだらいいのかわからない」という声も。そこで今回は、GetNavi webがオススメする唯一無二の個性を持ったSIMフリースマホ「Moto Z」シリーズを紹介したいと思います。
「Moto Z」シリーズは、モバイル端末の老舗であるモトローラが開発したSIMフリーのAndroidスマートフォン。ハイエンドの「Moto Z」と、ミドルクラスの「Moto Z Play」をラインナップし、ユーザーの用途に応じて好きな端末を選択できます。どちらも、「Moto Mods」と呼ばれるアタッチメントを装着することで、ほかにはない様々な機能を付加できることが特徴です。
今回は、2017年6月末に発売されたばかりのシリーズ最新端末「Moto Z2 Play」を使い、その高い拡張性や便利な使い方を紹介していきます。
Moto Modsで簡単に機能拡張
まずは、「Moto Z2 Play」のスペックについて見ていきましょう。画面サイズは5.5型で、解像度はフルHD(1920×1080ドット)と、Androidスマホとしてはごく一般的。CPUにはQualcommのSnapdragon 626(オクタコア、2.2GHz)を搭載。メモリは4GB、ストレージは64GBで、従来機よりも処理性能が向上しています。最新の3Dゲームアプリも楽しめる十分なスペックといえるでしょう。もちろん、micro SDカードを挿して、ストレージ容量を増やすことも可能です。
また、AndroidスマートフォンのトレンドであるDSDS(デュアルSIMデュアルスタンバイ)にも対応。2枚のSIMカードを同時に挿しておけるので、通話用SIMとデータ通信用SIMを使い分けたり、海外出張時に現地SIMカードに挿し替えたりする手間が省けます。通話対応のSIMを2枚挿せば電話番号を使い分けることもできるので、スマホを2台持ちしている人にも便利な機能です。
バッテリーは3000mAhで、1日中使える大容量となっています。また、15分の充電で最長8時間稼働する急速充電機能「15W Turbo Power」により、バッテリーの充電を忘れてしまっても、お出かけ前の準備をしているあいだに十分な充電が可能。忙しい朝も慌てずに済みますね。
ユニークな機能として端末を便利使える「Motoエクスペリエンス」も見逃せません。このMotoエクスペリエンスには、端末を持ったまま手首をひねるとカメラが起動、端末を2回振り下ろすとライトの点灯など簡単なジェスチャーでよく使う機能を起動できる「Motoアクション」や、スマホのロックを解除しなくても通知をチェックできる「Motoディスプレイ」、スマホに手をかざすとOnになる機能、寝る前に画面が暖色系の表示に変わる「ナイトディスプレイ機能」などがあります。
本体のカラーは、ルナグレー、ニンバス、ファインゴールドの3色をラインナップ。光沢感のあるメタル一体型のボディは、従来モデルよりも薄く軽くなっており、手にしっかりなじみます。
背面には、Moto Zシリーズの最大の特徴である「Moto Mods」を装着するための専用端子を搭載。この端子は装着したMoto Modsに電源を供給できるため、Moto Modsを別途充電することなく使えます(予備バッテリーを搭載するMoto Modsもあります)。また、データのやりとりも行えるので、撮った写真や音楽データなどをBluetoothやWi-Fiを設定する必要なく送受信できます。
Moto Modsの取り付けはとても簡単。端子部に非常に強力なマグネットを備えているので、さっと取り付けられ、簡単に取り替えることもできます。また、Moto Modsを装着すると、スマートフォンが認識して自動で調整してくれるので、その後画面を2回タップするとセットアップが完了します。面倒なペアリングや設定もいらず、取り付けてすぐに使える点がうれしいですね。
スマホの常識を超えた10倍光学ズーム
続いて、豊富に用意されているMoto Modsのなかから、特におススメしたいものをピックアップして紹介していきます。まずは、取り付けるだけでスマホをまるでデジタルカメラのように変身させてしまう「Hasselblad True Zoom」です。こちらを、写真家の吉森信哉さんに使って頂きました。
昨今のスマートフォン(以後、スマホ)の普及と、そこに搭載されるカメラの性能向上により、既存のコンパクトデジタルカメラ(以後、コンデジ)の存在価値はかなり薄れてしまった。しかし、スマホのカメラには、基本的に単焦点レンズが採用されている。一部、光学ズームを採用する製品もあるが、その倍率は3倍くらいなので、たいした望遠効果は期待できない。だから、スマホのカメラだと、遠くの風景や離れた被写体を“高画質で捉える”のは難しくなる。ということで、そういう撮影機会では「やっぱり、高倍率ズームを採用したコンデジの出番だよね」ということになる。
……だが、そんな常識を覆すような、斬新でユニークなスマホのカメラも登場している。いや、スマホのカメラというより「スマホ+カメラユニット」と呼ぶ方が正しいだろう。それがモトローラのSIMフリースマホの「Moto Z2 Play」と、それに取りつけて使う「Hasselblad True Zoom」である。カメラユニット側には、広角25mm相当から望遠250mm相当までカバーする「光学10倍ズームレンズ」が搭載されている。
通常、カメラ本体に撮影アクセサリーやユニットを装着する場合、情報伝達を行う接点部のカバーを外したり、ロック機構を操作したり、といった準備が必要になる。だが、今回のカメラユニット「Hasselblad True Zoom」にスマホ「Moto Z2 Play」を装着する際には、そんな手間は一切いらない。お互いの背面を合わせると、自動的にマグネットで固定される。面倒なペアリングも不要である。
実際のカメラ操作もいたって簡単。カメラユニット上部のシャッターボタン脇の電源ボタンを押して起動させる(レンズバリアが開いて鏡筒が伸びる)。そして、シャッターボタンの周囲にあるズームレバーで好みのズーム域に設定。そして、オレンジ色のシャッターボタンを押して撮影。普通のコンデジと何ら変わりない。
当然、スマホ本体の「Moto Z2 Play」にも、カメラは搭載されている。センサー画素数も「1200万画素」と十分な仕様である。しかし、冒頭でも述べているとおり、レンズは広角単焦点レンズ。そのため、望遠効果を得ようと思ったら、最大8倍のデジタルズームを使用することになる。……だが、コンデジを使ってきた人ならわかると思うが、どうしても“画質劣化”が避けられない。まあ、2倍くらいなら許せるかもしれないが、十分な望遠効果を得ようと8倍近くまでズームすると、かなりキビシイ結果になってしまう。
だが、カメラユニットの「光学10倍ズーム」を使用すれば、デジタルズームのような画質劣化を気にせずに、十分な望遠効果を得ることができる。そして、離れた被写体が大きく写せるだけでなく、前後のボケ効果も高めることができるのだ。デジタルズームの場合は、写真の見た目は望遠撮影っぽくても、レンズの焦点距離自体は変わらないので、ボケ効果は変わらないのである。
子どもの頃、望遠鏡や双眼鏡に憧れていなかっただろうか? まあ、世代や性別で温度差に違いはあるかもしれないが、自分の場合はかなり強く憧れていた(実際に買ってもらったし)。月面のクレーターや、旅先の展望台から見る遠方の風景、動物園で見る猛獣たちの表情。そういった光景や被写体が、あたかも目の前にあるような興奮は、今でも鮮明に覚えている。
最初に述べたとおり、昨今のスマホのカメラは性能が向上しているので、日常的な撮影なら「このカメラで十分」と感じている人も多いだろう。だが、望遠鏡や双眼鏡で見るような“非日常の光景”を撮ろうと思ったら、高倍率ズームを搭載するコンデジなどの出番になる。そして、この「Hasselblad True Zoom」を使用すれば、日常生活の必須アイテムであるスマホを使いながら、シームレス感覚で“望遠鏡や双眼鏡の世界”に入って行けるのである。
「Hasselblad True Zoom」のより詳細なレビューは「CAPA カメラネット」で紹介しています。こちらもチェックしてみて下さい。
Android Auto連携でカーナビにも
さらに、発売されたばかりの車載用ホルダー「Incipio Vehicle Dock」を、自動車ジャーナリストの会田 肇さんに使って頂きました。
あのGoogleが⾃動⾞向けに開発した⾞載システム「Android Auto」が⽇本でリリースされて約1年が経った。当初はAndroid Autoを使うには対応カーナビなどとの連携が必須だったため、⽇本での普及はどこまで広がるかは未知数だった。しかし、昨年11⽉にはスマートフォン単体でもAndroid Autoが利⽤できるようになり、利⽤する機会は⼀気に広がる環境は整ったといっていい。
そんな折、Android Autoの普及にさらに拍⾞をかけそうなシステムが登場した。モトローラのAndroidスマートフォン「Moto Z」シリーズと組み合わせて使う⾞載ホルダー「Incipio Vehicle Dock」である。このシステムの最⼤のポイントは「Incipio Vehicle Dock」が⾞載ホルダーとなっていて、「Moto Z」シリーズを装着すると⾃動的にAndroid Autoが起動するようになっていることにある。背⾯にはAndroid Autoを起動させる専⽤チップが内蔵されており、これがあらかじめ「MotoZ2 Play」にインストールされているAndroid Autoを起動させる仕組みとなっているのだ。
Android Autoには、Google Mapをベースにしたナビゲーション機能のほか、⾳楽ストリーミング再⽣とハンズフリー通話が主要機能として組み込まれている。Android OSの機能の中からカーユースとして活⽤できるものをパッケージ化したことで、アプリを起動して表⽰されるメイン画⾯には再⽣中の楽曲、天気、通話、地図の検索履歴などの限られた情報を表⽰。スマホの画⾯サイズでも⾒やすいよう最適化されており、普段からAndroidスマホを使っている⼈にとっては違和感なく使えるだろう。
「Incipio Vehicle Dock」の背⾯には⾞のエアコン吹き出し口などに装着して使えるアタッチメントも付属。あらかじめ本機を⾞載⽤としてセットしておけば、クルマに乗り込んだ際に煩わしい操作なしに充電も開始する。つまり、この組み合わせなら、バッテリー残量を気にすることもなくAndroid Autoが⻑時間にわたって利⽤可能となる。しかも、Bluetoothとのペアリングを済ませておけば、⾳声ガイドをカーオーディオのスピーカーから出せるし、スマホ内の楽曲再⽣も可能だ。スマホでより使い勝⼿の良いカーナビ機能を求めるのであれば、最上のシステムとなるのは間違いない。
「Moto Z2 Play」でAndroid Autoのルートガイド機能を使ってみたところ、どんな時でもスムーズに⾳声コマンドを受け付けてくれた。認識率も⾼く、ほとんどのコマンドに正確に反応するのでストレスなく目的地設定などができた。⽂字をキーボードから⼊⼒しなくても⾳声で直感的に操作できるところが素晴らしい。仮に⾳楽などを再⽣中にうまく反応できないときでも、メイン画⾯右上にあるマイクのアイコンをタップしても⾳声⼊⼒は可能となる。
目的地設定の使い勝⼿は、⾞載カーナビと同等かそれ以上と感じた。目的地設定はAndroid Auto定番の「OK Google」という⾳声によるコマンドからスタートし、施設名をそのまま読み上げてもいいし、地名と組み合わせた⼊⼒にも対応。「近くのレストラン」とか、「お腹減った」といった曖昧なコマンドにも反応して適切な候補をリストアップする。認識率も⾼く、その扱いやすさはまさにクラウド接続できるスマホならではのメリットといっていい。
これまでスマートフォンを使った⾞載システムは、多機能ではあるものの、決してスマートに扱えるというものではなかった。そんな環境を「Moto Z」シリーズと「IncipioVehicle Dock」の組み合わせは⼀変させたのだ。特に、ドックに設置するだけでAndroidAutoが起動することで、ナビゲーションから⾳楽再⽣に⾄るまで、ドライブに必要と思われる機能すべてが⾳声で操作できてしまうなんて、これは⾞載ナビでもなかなかできない芸当だ。カーナビとしての実⼒こそ完璧とはいえないまでも、よりイージーにドライブを楽しみたい⼈にオススメしたい組み合わせといえるだろう。
「IncipioVehicle Dock」のより詳細なレビューは「LE VOLANT BOOST(ル・ボラン ブースト)」で紹介しています。ぜひチェックしてみて下さい。
さらに豊富なModsを用意
Moto Modsは、このほかにもパワフルなサウンドをどこでも楽しめる「JBL SoundBoost | Speaker」や、画面を投写して大画面で共有できる「Moto Insta-Share Projector」、バッテリー時間を最大22時間延長できる「Incipio offGRID Power Pack」など、バラエティ豊かなラインナップが用意されており、用途に応じて選ぶことができます。これらのModsは、将来スマホ端末を新しいMoto Zシリーズに買い替えても使い続けられるよう、統一規格化されていますので、安心して購入することができますね。
SIMフリースマホに機種変したいけど、どの機種を選んだらいいか迷っている方は、ぜひ高い拡張性とほかにはない個性的な機能を兼ね備えたモトローラの「Moto Z」シリーズをチェックしてみて下さい。