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2017/8/7 6:00

渋滞時、もう足がプルプルしない! 最新の運転支援システム「アイサイト・ツーリングアシスト」その機能と歴史

【アイサイト・ツーリングアシスト(あいさいと・つーりんぐあしすと)】とは、スバルの運転支援システム「アイサイト」に新機能を追加した進化版。高速道路のすべての車速域でアクセル、ブレーキ、ステアリング操作を自動でアシストし、渋滞やロングドライブの疲れを大幅に軽減することができます。今年夏発表予定の新型「レヴォーグ」、「WRX S4」に全車標準装備されるということで、話題となっています。

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↑アイサイト・ツーリングアシストの概要

 

スバルが開発したステレオカメラによる運転支援システム

日産の「プロパイロット」、トヨタの「Toyota Safety Sense P」など、交通事故の防止を目的として、自動車メーカー各社が運転支援システムの開発を進めています。スバルでは1988年から車載用ステレオカメラの開発に着手し、1999年にはステレオカメラによる運転支援システム「ADA(Active Driving Assist)」を、世界で初めて搭載する「レガシィランカスターADA」(現アウトバック)を発売しました。

 

このADAを発展させ、人間の目の識別方法を取り入れて開発されたのが、「アイサイト」です。2008年、レガシィ アウトバック「2.5XT」に搭載されてデビュー。世界で初めてステレオカメラのみで自動車、二輪車、歩行者に対する衝突被害軽減ブレーキ、車間距離を一定に保つ「全車速追従機能付クルーズコントロール」をはじめとする運転支援機能を実現しました。

↑アイサイトのステレオカメラ↑アイサイトのステレオカメラ

 

その後、自動ブレーキ機能によって自動車、二輪車、歩行者に対する衝突回避を実現した「アイサイトver.2」、ステレオカメラシステムを刷新し、操舵制御によるレーンキープ機能を追加するなど、各種運転支援機能を強化した「アイサイトver.3」と進化。アイサイト搭載車は非搭載車に比べて追突事故発生率が84%減少するという成果を達成しました。また、運転支援システムとして初めて2015年度のグッドデザイン金賞を受賞しています。

 

今回の「アイサイト・ツーリングアシスト」は、基本的にはアイサイトver.3をベースにした進化版です。「車線中央維持」の作動領域を従来の「60km/h以上」から「0km/h以上」にまで拡大。また、「全車速追従機能付クルーズコントロール(ACC)」の対応速度域を0km/h~約120km/hにまで拡大することで、渋滞時もアクセル、ブレーキ、ステアリング操作を自動でアシストできるようになりました。これにより、渋滞の際のアクセルとブレーキ操作の連続によって、疲労で足がプルプル…ということもなくなりそう。行楽シーズンの高速道路では、絶大な威力を発揮しそうですね。

↑渋滞時(左)は、区画線が見えない状況でも、先行車を認識して操舵を支援
↑メーターの表示の例。渋滞時(左)は、区画線が見えない状況でも、先行車を認識して操舵を支援。高速巡航時(右)は、先行車がいない場合でも、区画線を認識することで車線内中央付近を維持します

 

【一言まとめ】
「アイサイト ツーリングアシスト」は、スバルの運転支援システム「アイサイト」の進化版。渋滞時のノロノロ運転にも対応し、さらに快適に運転できる。