スマホやタブレットが普及し、ネットサーフィンやメール、動画の視聴だけならパソコンを使わずに済ませるという人も多いのではないでしょうか。しかし、書類を作成したり、本格的な写真・動画の編集を行ったりする場合は、やはりキーボードを備えたパソコンが便利。今回は、初心者やライトユーザーにおすすめな5万円以下のエントリーモデル4機種をピックアップし、「ビジネス用途」と「プライベート用途」の両面から使い勝手をチェックします。
チェックしたのは、デジタル機器に詳しいフリー編集者/ライターの柳 雄大さんと、GetNavi web編集部の一條 徹の2人。スペックだけではわからない実際の使い勝手まで、実機を使ってしっかり確認しています。
前回の記事はコチラ
5万円以下のノートPCはどれを選ぶべき? 自分に合った1台がわかる4機種徹底比較
5万円以下のノートPCでYouTubeも映画も楽しみたい! 使ってわかったおすすめモデル
今回は、4機種の特徴から、それぞれのモデルがどのような人に向いているのか解説していきます。
1.モバイルに最適な11.6型ノートPC
ASUS
VivoBook E203NA-464
直販価格3万9744円
●OS:Windows10 Home(64bit)●CPU:Celeron N3350デュアルコア1.1GHz●GPU:Intel HD Graphics 500●メモリ:4GB●ストレージ:eMMC 64GB●ディスプレイ:11.6型HD (1366×768ドット)●インターフェイス:USB 3.0×2、USB Type-C×1、HDMI、ヘッドホン/マイク●バッテリー:連続使用約7.6時間●サイズ/質量:286×193×16.9mm/約980g
【デザイン】
「シンプルなデザインですが、カラーバリエーションを用意しているのでビジネスでもプライベートでも使えそうです」(柳)
【サイズ・重量】
286×193×16.9mm/約980g
「モバイルに最適な11.6型でサイズもコンパクト。僕の場合は、持ち歩くなら1kgは切ってほしいのですが、これは980gなので合格ですね」(柳)
【ディスプレイ・サウンド】
11.6型HD (1366×768ドット) TFT液晶/グレアタイプ
「光沢のあるグレアタイプということもあり、動画や写真が色鮮やかに見える印象です。TFT液晶は視野角が狭いため、正面以外からだと見え方が変わってしまいますが、机の上で楽しむ分には問題ないでしょう」(柳)
「独自の『SonicMaster』技術により音質を強化。低音の迫力こそありませんが、ステレオ感のあるサウンドが楽しめます」(一條)
【キーボード】
「コンパクトにまとまっていて、かなり使いやすいと思いました。キーを打っていてストレスをまったく感じなかったですね」(柳)
【インターフェイス】
ASUS「VivoBook E203NA」:USB 3.0×2、USB Type-C×1、HDMI、ヘッドホン/マイク、microSDカードスロット
「HDMIやUSB Type-Cを備えているので将来的にも様々な機器と接続して使えます。カードスロットがmicroSDのみ対応なのが残念」(一條)
【総評】
「持ち歩いても苦にならない軽量コンパクトな筐体に、使いやすいキーボード、充実したインターフェイスと、モバイルノートPCとして使うのに最適な1台。外出先や出張時に活躍してくれるビジネス用ノートPCを探している人にオススメです」(柳)
2.大画面で見やすいA4サイズノートPC
レノボ
ideapad 320(Celeronプロセッサーモデル)
直販価格6万2640円、Eクーポン適用時4万2595円
●OS:Windows10 Home(64bit)●CPU:Celeron N3350デュアルコア1.1GHz●GPU:Intel HD Graphics 500●メモリ:4GB●ストレージ:500GB HDD●ディスプレイ:15.6型HD (1366×768ドット)●インターフェイス:USB 3.0×1、USB 2.0×1、イーサーネット (RJ-45) ポート、HDMI 、ヘッドホン/マイク、DVDマルチスーパードライブ●バッテリー:リチウムポリマー(連続使用5.5時間)●サイズ/質量:378×260×22.9mm/2.2kg(バッテリー含む)
【デザイン】
「全6色のカラーバリエーションが揃っているので好みの色を見つけられそう。他人とかぶらない個性的な1台を探している人に最適です」(一條)
【サイズ・重量】
378×260×22.9mm/2.2kg(バッテリー含む)
「15.6型と大きめサイズで、そもそも持ち歩くことを前提にしていないモデルです。自宅やオフィスに置いて使う分には、画面も大きいので使いやすいでしょう」(柳)
【ディスプレイ・サウンド】
15.6型HD (1366×768ドット) ノングレアタイプ
「光沢のないノングレアタイプは、映り込みが少なく、長時間見ても目が疲れにくい点がメリット。ただし、グレアタイプのディスプレイに比べると若干白っぽくぼやけた感じに見えます。ここは一長一短といったところですね」(柳)
「Dolby Audioに最適化されたスピーカーを内蔵しており、タイトな低音と臨場感のあるサウンドが楽しめます。エンタメ性の高い1台といえるでしょう。画面が大きいのでテレビ代わりに使っても◎」(一條)
【キーボード】
「4機種のなかでは唯一、テンキーも備えているのですが、それがエンターキー横に隣接しているためミスタッチが多くなってしまい、タイピング中にストレスを感じてしまいました」(柳)
【インターフェイス】
USB 3.0×1、USB 2.0×1、イーサーネット (RJ-45) ポート、HDMI 、ヘッドホン/マイク、DVDマルチスーパードライブ、SDカードスロット
「今回比較した製品では唯一DVDドライブを備えており、DVDビデオを再生したり音楽CDを取りこんだりすることができます。SDカードスロットもついているので、デジカメの画像データの取り込みにも不便がありません」(柳)
【総評】
「15.6型の大画面に、Dolby Audioに最適化されたスピーカー、DVDドライブなど、エンタメを楽しめる仕様が満載。自宅用としてネット動画やDVDビデオ視聴、CDの取り込み、デジカメ写真のバックアップなどマルチに使えるノートPCを探している人にピッタリの1台です」(一條)
3.持ち歩きもできる14型ノートPC
Acer
Aspire 1
実売価格4万5000円前後
●OS:Windows10 Home(64bit)●CPU:Celeron N3350デュアルコア1.1GHz●GPU:Intel HD Graphics 500●メモリ:4GB●ストレージ:64GBフラッシュドライブ●ディスプレイ:14型HD (1366×768ドット)●インターフェイス:USB 3.0×1、USB 2.0×2、イーサーネット (RJ-45) ポート、HDMI ●バッテリー:2 セル 4810 mAh リチウムポリマー(連続使用9時間)●サイズ/質量:343×245×17.95mm/1.7kg
※(今回試用したモデルはPentium搭載モデル)
【デザイン】
「シンプルなブラックのみですが、ブラシパターンがアクセントに。表面に凹凸感があって手触りがサラサラなのは好印象です」(一條)
【サイズ・重量】
343×245×17.95mm/1.7kg
「持ち歩きができるギリギリのサイズ・重量ですね。基本的は自宅に置いて使うけど、たまに外出先に持っていくこともある……という人は選択肢に入ると思います」(一條)
【ディスプレイ・サウンド】
14型HD (1366×768ドット) ノングレアタイプ
「目が疲れにくいノングレアタイプ。書類を作成したり、ネットサーフィンしたりと長時間の作業に向いています」(一條)
【キーボード】
「右のShiftキーの下、方向キー(矢印キー)のレイアウトがきゅうくつなのが気になります」(柳)
「ややフラットなキーなので、打鍵感が弱め。ブラインドタッチしにくい印象です」(一條)
【インターフェイス】
USB 3.0×1、USB 2.0×2、イーサーネット (RJ-45) ポート、HDMI、SDカードスロット
「外部ディスプレイやプロジェクターに映像を出力するのに必須ともいえるHDMI端子を備えています。さらにSDカードスロットのほか、USB端子も3つ付いておりインターフェイスは優秀ですね」(柳)
【総評】
「スペックはどちらかというとビジネス寄りな印象。持ち歩けるギリギリのサイズ・重量なので、基本的にはオフィスや自宅に置いて使うけど、たまに外出先に持ち出すこともある、というような人に向いています。また、10~11型台のモバイルノートPCは画面が小さく感じる、という人にもオススメ」(一條)
4.脱着型キーボードを備えたWindowsタブレット
マウスコンピューター
MT-WN1003
直販価格4万2984円
●OS:Windows10 Home(32bit)●CPU:Atomプロセッサー x5-Z8350(1.44GHz)●GPU:Intel HD Graphics 400●メモリ:2GB●ストレージ:64GBフラッシュドライブ●ディスプレイ:10.1型 (1280×800ドット) マルチタッチパネル●インターフェイス:USB 3.0×1、microUSB×1、miniHDMI、ヘッドホン●バッテリー:連続使用8.2時間●サイズ/質量:259×174×10mm/約916g(キーボード、カバー含む)
【デザイン】
「全体的にシンプルなデザインですが、カバーの素材がスエード調なので大人っぽい印象がありますね」(柳)
【サイズ・重量】
259×174×10mm/約916g(キーボード、カバー含む)
「モバイルに最適なサイズ・重量です。ただし、付属のスタンドは画面の角度が細かく調節できないので、電車のなかで膝に置いて使うとか、デスクやテーブルに置いて使えないような場面では使いにくいかもしれません」(柳)
【ディスプレイ・サウンド】
10.1型 (1280×800ドット)マルチタッチパネル IPS液晶/グレアタイプ
「4機種のなかでは唯一のタッチ対応。IPS液晶なので、ななめから見てもキレイです。鮮やかな発色のグレアタイプなので動画や写真が映えますね。タブレット部にスピーカーを搭載しているため、サウンドは期待できません。動画や音楽を再生するときはイヤホンなどを使いましょう」(一條)
「ディスプレイ部を取り外してタブレットとして楽しめる点に注目したいです。ソファーやベッドで横になりながら動画を楽しむといった使い方がしやすいのがこのタイプの特長です」(柳)
【キーボード】
「キーボードは一番小さいのですが、特に打ちにくさも感じず使いやすかったです」(柳)
「わたしは手が大きく指が太いほうなのですが、こちらのキーボードはキーが小さくピッチも狭いので、隣のキーまで間違えて押してしまうことが多かったですね」(一條)
【インターフェイス】
USB 3.0×1、microUSB×1、miniHDMI、ヘッドホン、マイク、microSDカードスロット
「タブレットながらインターフェイスは頑張っている印象。miniHDMIも備えているので、外部ディスプレイやプロジェクターなどに映像を出力できます」(一條)
【総評】
「タブレットとしても使える2 in 1モデル。付属のキーボードはコンパクトながら使い勝手は良好なので、ビジネス用としても十分使えます。とにかくコンパクトなモデルが欲しい、仕事でもプライベートでも使いたいという人に最適。2台目やサブ機としてもオススメです」(柳)
自分の使い方や用途に合ったモデルを選べば、5万円以下の低価格なノートPCでも十分使えます。手軽に買えるノートPCをお探しの方は、ぜひ参考にしてみて下さい。