日本の電動アシスト自転車界を牽引してきた製品といえば、やはりヤマハ発動機の「PAS」シリーズではないでしょうか。1993年に世界初の電動ハイブリッド自転車として初代PASが登場してから25年が経過。そして25周年となる2018年、6年ぶりにPASシリーズがフルモデルチェンジをします。そこで、先日開催されたPAS新製品発表会の模様をリポート。新型PASの乗り心地も体験してきました。
PASの新シリーズは「PAS With」
電動アシスト自転車は年々市場拡大の傾向にあります。発売当初は年間5万台にも満たない販売台数でしたが、2015年には45万台を超える市場規模となっています。
PASシリーズは、時代にニーズに合わせてそのコンセプトを広げています。2014年には高齢者の利用を想定して、“簡単・安心・便利”なSIONシリーズ、2015年にはスポーティで快適な走りを提供するスポーツ電動アシスト自転車YPJシリーズなどを投入。2018年に発売される新シリーズはその名も「PAS With」。6年振りのフルモデルチェンジとなる本製品は、デザイン性と実用性を兼ね備えたモデルとなっています。
もっともスタンダードな「PAS With」は、12.3Ahのバッテリーを搭載。満充電で最長76kmまで走ることが可能です。やわらかな曲線のデザインと、乗るのが楽しくなりそうなポップなカラーをラインナップした軽快車(いわゆるママチャリ)です。
ハンドル部の液晶ディスプレイは大型で見やすく、スイッチも大きめのサイズ。また、時計表示にも対応しています。
「PAS With DX」は、ベーシックな性能は「PAS With」と同様ながら、よりディテールのデザインにこだわったモデル。
グリップやサドルがレザー仕様になり、バスケットには籐風の編み込みデザインを採用。よりエレガントで高級感のある印象となっています。
最上位機種となる「PAS With SP」は、バッテリー容量が15.4Ahとなり、より長い距離の走行が可能。満充電で最長100kmまで走行することが可能です。また、アシストレベルは前出の2モデルよりも高いため、坂道などもより軽快に走ることができるということ。
PAS Withシリーズの発売は、すべて2018年2月9日の予定。メーカー希望小売価格は、Pas Withが11万8800円、PAS With DXが12万2040円、PAS With SPが15万120円(すべて税込)となっております。
PASユーザーの藤本美貴さんも納得の乗り心地
発表会には、PASユーザーであるタレントの藤本美貴さんが登場。藤本さんは、数年前からPASに乗っているそうで、2児の母である藤本さんにとってはなくてはならないツールになっているとのこと。現在は1台しか所有していないため、家族で近所の公園などに出かける際は、美貴さんの乗るPASの前後に2人のお子さんを乗せ、夫である庄司智春さんは走って移動しているので、ご主人のためにもぜひもう1台購入したいと話していました。
発表会の後は試乗会タイムです。まずは藤本美貴さんが試乗。やはり普段からPASを運転しているだけに、新しい「PAS With」もスムーズに乗りこなしていました。
そしていよいよ試乗です。まずはデザインにこだわった「PAS With DX」から。
普通の自転車ならば、ひと漕ぎ目が「よいしょ」という感じですが、PAS Withならば「スーッ」という感じで発進。これなら重たい荷物をかごに入れている状態でも、軽くこぎ出せます。
また、もっとも電動アシストの力が発揮されたのが上りの坂道。通常、坂道ならば、後ろに体重がかかる感じがしますが、PAS Withならばぐいぐい前に進んでいく感覚があります。とくにアシストモードをもっとも強力な「強モード」にすると、坂道でも平坦な道を走っているくらい楽々に走ることができました。
この後、アシストレベルが高い上位機種「PAS With SP」も運転してみましたが、こちらのほうが坂道をさらに軽快に登ることができました。PAS WithやPAS With DXでも十分なアシスト力を感じることはできましたが、PAS With SPはよりハイパワーなアシスト力で、高齢の方や、重い荷物を運ぶことが多い方、坂道の多い地域にお住まいの方などにオススメです。
この「PAS With」シリーズは、フレームから新設計ということで、いかにも“電動アシスト自転車”といった重々しさがなく、「街」に自然に溶け込むデザイン。カラーも豊富にラインアップされているので、きっとお気に入りの1台が見つかることでしょう。これから電動アシスト自転車の購入を検討されている方は、PAS Withシリーズをぜひチェックしてみて下さい。