日本史の教科書に坂本龍馬が登場しなくなる――? 最近、日本史にまつわるこんなニュースが話題になった。
暗記中心の教科書を改革する一環で、教科書に登場する用語を半分くらいに減らすという案が出されたのだ。それによると、龍馬だけでなく上杉謙信や吉田松陰も消える可能性があるのだとか。
もちろん、まだ決定事項ではないものの、誰もが知る人物が登場しなくなるのはかなり違和感がある。
小学校の日本史は意外に難しい
最近、日本史の本を執筆する機会があり、小学生~中学生の日本史の教科書を読んでみた。私の時代よりもカラーになっていて、写真もきれいで読んでいて楽しかった。
そして、驚いたのが、難しい用語、単語のオンパレードだったことだ。「こんなの習ったっけ?」と思うようなものばかりだった。
『答えられますか? 小学校の社会科』(学研教育出版・編/学研プラス・刊)には、小学校の教科書に載っている用語を中心に、中学受験などにも役立つ問題がたくさん掲載されている。腕試しのつもりで解いてみたら、意外にこれがわからなかった。
簡単なものからすぐには出てこないものまで、10問を抜粋してみた。ぜひやってみていただきたい。あなたは何問解けるだろうか?
さっそく問題にチャレンジ!
Q:以下の●●にあてはまる用語を答えなさい。なお、漢字もしくはカタカナで書いたとき、文字数が●の数に当てはまるようにしてください。
(1)旧石器時代~縄文時代、人々は地面を掘って柱を立てた●●住居に住んだ。
(2)奈良時代、戸籍に登録された6歳以上の男女に●●●が与えられた。
(3)1192年、源頼朝は●●●●●に任じられ、鎌倉幕府を開いた。
(4)栄西は●●宗、道元は曹洞宗を広めた。
(5)桃山時代、●●●が茶の湯からわび茶の作法を大成した。
(6)江戸幕府は1641年にオランダ商館を長崎の●●に移した。オランダと清だけに貿易を許した。
(7)8代将軍・徳川吉宗が行ったのは●●の改革。
(8)江戸時代末期、大老の●●●●が、1858年、アメリカ合衆国と日米修好通商条約を結んだ。
(9)1867年、徳川慶喜が政権を朝廷に返したできごとを●●●●という。
(10)1919年、●●講和会議でベルサイユ条約が結ばれた。
あなたはいくつできただろうか?
答えは以下の通りだ。
(1)竪穴 (2)口分田 (3)征夷大将軍 (4)臨済 (5)千利休 (6)出島(7)享保 (8)井伊直弼 (9)大政奉還 (10)パリ
源頼朝が鎌倉幕府を開いた年は「いいくに(1192)つくろう」のゴロ合わせで覚えているが、征夷大将軍という言葉がパッと出てこない。出島は、この前、長崎に旅行に行ったので答えられた。井伊直弼、名前は知っているが漢字で書けと言われたら苦戦しそうだ。
日本史の教科書は変化している
現在の日本史の教科書から消えている言葉に、「士農工商」「鎖国」などがある。
士農工商は江戸時代の身分制度を指す言葉だが、実際はこのような区分の身分制度は存在しなかったことが、研究でわかってしまったのだ。また、江戸幕府は決して海外と外交の扉を閉ざしていたわけではなく、先ほどの(6)の問題にあるように、出島で一部の国と貿易を行っていたのだ。
ちなみに、源頼朝と聞いて思い浮かべるあの有名な肖像画は、どうやら源頼朝を描いたものではないらしい。現在、教科書には掲載されないか、載っても「伝源頼朝像」と書かれている。
日本人は歴史好き
歴史離れが進んでいるという割には、戦国武将をテーマにしたゲームが流行っているし、大河ドラマの舞台には観光客が押し寄せている。
来年は明治維新150周年の記念すべき年ということで、書店には特集した本がたくさん並んでいる。教科書の用語ひとつでこれほど話題になるのだから、やはり日本人は潜在的に日本史が大好きなのだ。
【著書紹介】
答えられますか? 小学校の社会科
著者:学研教育出版(編)
出版社:学研プラス
小学校で習った社会科をこの一冊でクイズ形式で楽しくおさらいできる。都道府県、歴史人物・年号、地図記号、国会や憲法のことなど、今さら聞きづらい「社会の常識」を、豊富なビジュアルで自然に頭に入りやすい問題に。中学入試レベルのチャレンジ問題も。
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