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2018/1/26 20:20

Amazon VS Google激化の兆し!? CES 2018で連呼された「OK Google」ではなく「Hey Google」

1月9日〜12日に米ラスベガスで開催された世界最大のコンシューマー向け家電の見本市「CES 2018」。今年のCESで、ひときわ存在感を示していたがGoogleです。会場のあちこちに「Hey Google」というキーワードを掲げ、ラスベガスの中心部から会場に向かうモノレールの外装も車内も「Hey Google」一色に塗り尽くされていました。

 

↑会場のあちこちに「Hey Google」と掲げ、Google Homeなどが当たるアトラクションには行列がでてきいた
↑会場のあちこちに「Hey Google」と掲げ、Google Homeなどが当たるアトラクションには行列がでてきいた

 

↑CESの会場に向かうモノレールもGoogle仕様に
↑CESの会場に向かうモノレールもGoogle仕様に

 

この「Hey Google」は、英語圏でのGoogleアシスタントの呼び出し語。広く「OK Google」が定着していますが、今は「Hey Google」を普及させたいようです。日本ではGoogle Homeなどを起動する際に、「OK Google」のほかに「ねぇ、Google」が使えますが、「Hey Google」も同じ位置付けのようです。

 

「Hey Google」で起動するスマートディスプレイを発表

GoogleがCES2018の開幕に合わせて発表したのが、Googleアシスタント搭載のスマートディスプレイです。ディスプレイ付きのスマートスピーカーといったもので、Amazonは昨年6月から「Amazon Echo Show」を発売していますが(日本未発売)、その対抗モデルと言ってもいいでしょう。

 

↑Amazonが発売している「Amazon Echo Show」
↑Amazonが発売している「Amazon Echo Show」

 

↑レノボがCES 2018で発表した「Lenovo Smart Display」
↑レノボがCES 2018で発表した「Lenovo Smart Display」

 

Googleは、スマートスピーカーにおいては自社ブランドの「Google Home」を展開していますが、スマートディスプレイは自ら製品をリリースするのではなく、提携するメーカーから発売されます。その第1弾として発表されたのが、レノボの「Lenovo Smart Display」です。

 

Lenovo Smart Displayは、画面サイズが8型と10型の2モデルを用意。縦置き・横置きのどちらでも使えます。Googleアシスタント内蔵のタッチディスプレイ&スピーカーといった仕様ですが、ハンズフリーでの音声操作を前提とした設計になっていること。しかし、調べたいことをディスプレイに表示させて、そこからタッチで選択するなど、タッチ操作も併用できます。

 

↑8型モデル(写真左)は199.99ドル、10型モデル(写真右)は249.99ドルで、今年の第2四半期に発売予定
↑8型モデル(写真左)は199.99ドル、10型モデル(写真右)は249.99ドルで、今年の第2四半期に発売予定

 

↑8型モデルの背面は木目調、10型モデルの背面はホワイトグレイで、どちらもインテリアに合わせやすい印象。ネットにはWi-Fiで接続し、モバイル回線には対応していない
↑8型モデルの背面は木目調、10型モデルの背面はホワイトグレイで、どちらもインテリアに合わせやすい印象。ネットにはWi-Fiで接続し、モバイル回線には対応していない

 

Google Homeなどのスマートスピーカーとの違いは、「Googleマップ」「Googleフォト」などが見られること。Google HomeでもテレビにChromecastを接続して連携すると、Googleフォトが見られますが、スマートディスプレイでは、単体で見たい写真を表示でき、声で操作するデジタルフォトフレームのような感覚でも使えます。

 

↑レノボのブースでは、Googleの担当者がLenovo Smart Displayのデモンストレーションを行うコーナーが設けられていた
↑レノボのブースでは、Googleの担当者がLenovo Smart Displayのデモンストレーションを行うコーナーが設けられていた

 

↑クアルコムのブースでも、Lenovo Smart Displayのデモンストレーションが行われていた
↑クアルコムのブースでも、Lenovo Smart Displayのデモンストレーションが行われていた

 

Google Homeで「ニュースを聞かせて」と話すと、音声ニュースが流れますが、スマートディスプレイなら動画のニュースも見られます。料理のレシピを調べた時に、作り方がわかるYoutube動画を再生することもできます。Googleのビデオ通話アプリ「Duo」にも対応し、ハンズフリーで発信し、離れて住む家族や友達とビデオ通話を楽しむこともできます。…と聞くと、“もはやタブレットと同じでは?”と思うかもしれませんが、スマートディスプレイにはキーボードは表示できません。あくまでも声で操作する端末であり、タブレット向けのGoogleアシスタントとは異なるとのこと。

 

ディスプレイには現在時刻を表示できるので、アラーム時計としても重宝。音楽を再生している際は、楽曲情報が表示されるので、「ねぇ、Google この曲名は?」と聞いたりする必要もありません。スマートスピーカーに比べると「OK Google」「ねぇ、Google」と話しかける回数は大幅に減らせそうです。

 

なお、Googleアシスタント内蔵のスマートディスプレイは、LGエレクトロニクス、JBL、ソニーなどからも発売される見通しで、一部の製品は、CESに出展されていました。

↑LGエレクトロニクスが2018年内に発売予定の「LG ThinQ View」。8型のディスプレイを搭載
↑LGエレクトロニクスが2018年内に発売予定の「LG ThinQ View」。8型のディスプレイを搭載

 

↑JBLが発表した「JBL Link View」。8型のディスプレイの左右に10Wスピーカーを搭載し、背面にはパッシブラジエーターを備える
↑JBLが発表した「JBL Link View」。8型のディスプレイの左右に10Wスピーカーを搭載し、背面にはパッシブラジエーターを備える

 

Googleの説明員が各社ブースに出向いて「Hey Google」

CESに出展する企業のブースの中には、Googleアシスタント内蔵の製品を展示し、そのデモンストレーションを行うブースもたくさんありました。Googleの担当者が各社のブースに出向して説明にあたっており、GoogleがこのCESを機に、Googleアシスタントを積極的にアピールする“本気”を感じました。

 

↑Googleアシスタントのデモルームが会場のあちこちに
↑Googleアシスタントのデモルームが会場のあちこちに

 

例えば、昨年12月から日本でも発売が開始された、落し物トラッカー「TILE」もGoogleアシスタントに対応。TILEは、貴重品などに取り付けておけば、紛失した場合にスマホアプリで探せて、また、TILEにあるボタンを押して、スマホを鳴らして探しすこともできます。Googleアシスタントに対応したことにより、TILEを付けた貴重品もスマホも、どちらも見当たらないといった場合に、「ねぇ、Google  TILEを探して」や「ねぇ、Google  スマホを探して」と話しかけて、見つけ出せるというメリットがあるそうです。

 

↑Googleアシスタントでの「Tile」の使い方をマンツーマンで解説してくれたGoogleの説明員
↑GoogleアシスタントでのTILEの使い方をマンツーマンで解説してくれたGoogleの説明員

 

ほかにも、Googleアシスタントに対応するAndroid TVを用いたデモンストレーションが行われたり、Googleアシスタント内蔵の調理家電を用いた料理の実演に人だかりができていたりと、あちこちで「Hey Google」という呼びかけを耳にしました。

 

↑調理家電メーカーのGoumiaもGoogleアシスタント対応をアピール
↑調理家電メーカーのGoumiaもGoogleアシスタント対応をアピール

 

↑中国の新興メーカーのブースでも、Googleアシスタントを用いたスマート家電を展示
↑中国の新興メーカーのブースでも、Googleアシスタントを用いたスマート家電を展示

 

↑ソニーのブースでもGoogleが存在感をアピール。Google ExPressとは、アメリカで提供されているGoogleの即日宅配サービス
↑ソニーのブースでもGoogleが存在感をアピール。Google ExPressとは、アメリカで提供されているGoogleの即日宅配サービス

 

アメリカのスマートスピーカー市場では、先に発売されたAmazon Alexaが圧倒的なシェアを占めていますが、CESでは、Googleアシスタントが巻き返しに躍起になっているようにも見えました。総合家電メーカーのLGエレクトロニクスが自社のAIプラットフォームにGoogleアシスタントを連携させることを発表するなど、Googleアシスタントで操作できるデバイスも一気に増やしていく構え。Amazon vs Googleの競争は、今年さらに激化しそうですよ。