あけましておめでとうございます。
新年を迎えて早速初詣に出かける人も多いのではないでしょうか?
毎年のことだからと何気なくしているお参り。実は間違った作法で参拝している人が意外と多いんです。『日本のたしなみ帖 しきたり』(竹中龍太、姜信子、 的場美香、『現代用語の基礎知識』編集部・著/自由国民社・刊)から知っているようで知らない正しい参拝の作法をみていきましょう。
神社への参拝作法
あなたがお参りに行くのは神社でしょうか?お寺でしょうか?
実は、神社とお寺とでは参拝作法や用語にいくつか違いがあります。
例えば、境内の出入り口を示す場合、神社だと「鳥居」お寺だと「山門」といいます。こうした違いも紹介しつつ、まずは神社に参拝するときの作法をみていきましょう。
まず鳥居をくぐる前に、気持ちを落ち着かせて一礼。その後、参道の真ん中を歩きながら拝殿に向かう人をよく見かけますが実はこれはNG。参道の中央は神様が通る場所と言われているので、左右どちらかに寄って歩くようにしましょう。
次に手水舎での清め方を見ていきます。ちなみに「手水舎」はなんと読んでいますか?
そのまま「てみずしゃ」と読む場合もありますが「手水舎(ちょうずや)」と読む参拝場所も多いので、こちらの読み方もおさえておきましょう。その手水舎では左手→右手→口の順にすすぎ、最後にその左手を清めて完了です。
その後はお賽銭を静かに投げ入れ、軽く一礼してから邪気を祓うと言われている鈴を鳴らします。二回深くお辞儀をし、胸の前で二拍手。この拍手は神様を招き、その力を授かる所作と言われているので丁寧にやりたいところです。そして最後に、神様を送り返し感謝の気持ちを表すべく一回深くお辞儀をするというやり方が、基本的な「二拝二拍手一拝」の参拝作法です。
お寺への参拝作法
お寺への参拝作法は神社に参拝する時とだいたいは同じなのですが、異なる点をみていきたいと思います。
まずお寺には、神社で鳴らすような鈴はありません。その代わりに礼拝前にロウソクや線香をお寺では供えます。宗派によって本数など決められている場合をのぞき、基本的にはロウソク・線香ともそれぞれ一本ずつ供えるようにします。
また、お寺での礼拝では神社の時のように手を打たないというのも違いのひとつ。姿勢を正し、静かに合掌して一礼するようにしましょう。
この他にも神社やお寺で求める「お守り」や「お札」に関して、四季ぞれぞれのしきたりなどが本著には丁寧に解説されています。
一年の始まりだからこそ、キチンとした作法を再確認してみてはいかがでしょうか?
(文:凧家キクエ)
【文献紹介】
日本のたしなみ帖 しきたり
著者:竹中龍太、姜信子、 的場美香、 『現代用語の基礎知識』編集部(著)
出版社:自由国民社
四季折々に旬の食べ物を味わい、美しい草花を愛で、時節にふさわしい身支度をし、さまざまな伝統行事を楽しむ。古来、人びとが培ってきた、つつましくもこころ豊かな暮らしの知恵は、自然と身体の摂理に基づいたものだったのです。そしてそれは、この豊かな自然のなかに生きる私たちにとって、世界に誇れる文化のひとつであり、現代人が健やかに幸せに人生を過ごすためのたしなみと言えるのではないでしょうか。