友人皆無。一生独身。唯我独尊(ゆいがどくそん)。
『ひとり飲み飯 肴かな』(久住昌之・著/日本文芸社・刊)は、おひとりさま酒食エッセイです。著者は、『孤独のグルメ』原作者。ひとりメシ、ひとり酒を楽しむためのテクニックが満載です!
チャーハン de 焼酎ロック
腹がへっているけれど、お酒も飲みたい。そんな気分のときには、炭水化物メニューの肴(さかな)を選びます。自宅ですぐに作れるものなら、お好み焼き・チヂミなどの「粉もん」が好きです。ビールやチューハイを合わせます。
『孤独のグルメ』の原作者・久住昌之さんは、チャーハンをアテに焼酎を飲むことがあるそうです。
チャーハンを食べながらだと、自然に焼酎を飲むペースも落ちるし、胃にもやさしい。酔うカーブも当然なだらかになる。
チャーハンの軽い油分、卵、ネギが、冷たくて味の引き締まった焼酎に合う。(『ひとり飲み飯 肴かな』から引用)
久住さんいわく「ウマい焼酎を飲ませる店の常連客は、シメにチャーハンを頼んでいる」。焼酎好きの人なら思い当たるかもしれません。
作るのが面倒なときは、コンビニで冷凍食品を買います。最近の冷凍チャーハンは「角切りチャーシュー」がたくさん入っているので、宝探し気分で飲むことができます。
焼きそば de ホッピー
酒が飲みたい。でも、腹がペコちゃん。すきっ腹にアルコールは良くない。でも、米粒の気分じゃない。そんなときは、味が濃い「めん類」で決まりです。近ごろは「汁なし担々麺」という選択肢もありますが、今回は「ソース焼きそば」を推します。
とにかく、焼きそばの作り方は、色々あるんだ。それは知ってる。野菜や肉は炒めて1回出して、それから麺を炒めて、最後に合わせるとか。蓋して蒸すとか。
でもなんというか、どうやって作っても、なんとなくでき上がっちゃうところが焼きそばのよさだ。頂上に至る道が限りなくたくさんある山だ。(『ひとり飲み飯 肴かな』から引用)
酒飲みが「ホッピー」と言うとき、それは《ホッピーの焼酎割り》を指しています。自分好みの濃さ(アルコール度数)でビール風味を味わえるものです。人気の秘密は「安く酔える」こと。
そして、ホッピーに遅れること数十年。安く酔えるという理由から、最近では「高アルコールビール」「ストロング系ビール」というジャンルが盛り上がっています。
アサヒ『アサヒ グランマイルド』(7%)、キリン『のどごしストロング』(7%)、サントリー『頂<いただき>』(8%)など、おなじみの発泡酒や第3のビールとおなじ価格帯に据え置いて、「安く酔いたい」というニーズに応えるべく開発されたようです。
アルコール度数が5%〜6%のビールでは、濃いめのソース焼きそばに負けることがあります。《ホッピーの焼酎割り》ならば、焼きそばの仕上がりにあわせてアルコール濃度をカスタマイズできます。最高の組み合わせです。
ソース焼きそばで酒を飲む人がいるなら、おいしいパンをつまんで酒を飲みたい人もいます。
たとえば、ウイスキーと相性が良いのは……