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2018/5/6 20:50

食べ終わった惣菜も返金OK!? ロシアで珍しく真っ当なスーパー「フクースウィル」が急拡大中

モスクワで近年急速に知名度をあげているスーパー「フクースウィル」。いまロシアでは日本同様、食品の安全や質に注目が集まっています。いままでのロシアでは高品質な製品は値段も高く、高所得者層のみのものという認識が一般的。しかし、このスーパーはすべての商品を自社ブランド商品にすることで価格を抑え、購入者層も広げました。さらに、ロシア初のサービスの提供で注目度は上昇中。9年間で566店舗にまで急成長したフクースウィルの躍進の秘密に迫ります。

 

クリーンな品質にこだわる

2009年、「メガポリスに新鮮で安全な食材を」というポリシーで始まったフクースウィル。公式ホームページの最上部には「品質を見極められるあなただけに。そして、ロシアでクリーンなビジネスが可能だと信じていただける方のためだけに」とあります。クリーンなビジネスとは何なのか? そこにはロシア市場の闇が隠れています。

 

日本ではあまり考えられないかもしれませんが、ロシアでは商品の内容物をカサ増ししたり、中身を変えたりと、販売側が顧客を裏切るような事件が起こっています。ソ連崩壊後、海外との交流が活発になり国民は食や製品の安全、品質の向上を求めてきました。そんななかで、フクースウィルはクリーンなビジネスを追求することで信頼を積み上げていき、2018年で566店舗にまで拡大。日本でのコンビニエンスストアを見かけるかのような頻度で店舗を目にするようになりました。

最初は乳製品のみ取り扱いしていたものが、いまでは加工品や冷凍品、スパイス、化粧品、日用品も販売。それらすべてが自社製品であり、それによってコスト削減もさることながら製品の品質安定にもつながっているようです。

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