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歴史
2018/5/16 6:00

【今日の1冊】あの偉人達もじつはポンコツだった!?――『しくじり歴史人物事典』

ポンコツと決めつけるほどの理由にはならないとしても、欠点は誰にでもある。ただし、決定的な場面で出てしまうと強いインパクトが残り、“そういう人”というレッテルを貼られがちだ。ほかがいかに立派であっても、ポンコツな部分にまつわるネガティブな刷り込みが消えることはない。むしろその人の本質として認識されるようになる。

 

 

『しくじり先生 俺みたいになるな!!』

テレビ朝日系で放送されていた『しくじり先生 俺みたいになるな!!』という番組が好きだった。アスリートでは村主章枝さんや亀田興毅さん、芸能人ではルー大柴さんや斉藤こず恵さん、そして文化人なら茂木健一郎さんや堀江貴文さんといった面々が出演し、大成功の後にやってきた大失敗について語り、そこから何かを学ぼうという内容だ。

 

番組で取り上げられたのは、上で紹介したような現代日本の有名人だけではない。アインシュタインやエジソン、そして日本人なら伊能忠敬など歴史に名を残す偉人たちの見事なまでのしくじりっぷりも紹介されていた。冒頭で触れたように、偉大な業績を残している人に限って、ほんの少しのしくじりがクローズアップされがちな傾向は否めない。結果として、何百年という信じられないほど長い時間にわたっていじられ続けることになる。

 

 

ポップな歴史書

日本史を彩る数多くの偉人たちの知られざる一面を掘り下げていく『しくじり歴史人物事典』(大石学・監修/学研プラス・刊)は、ポップな歴史書といった趣の一冊だ。構成を見てみよう。

 

第1章 作戦でしくじった! (織田信長はじめ5人)

第2章 能力足りずにしくじった! (蘇我入鹿はじめ5人)

第3章 極端すぎてしくじった! (平清盛はじめ7人)

 

また、それぞれの人物についての解説が以下のような同じ項目で展開されていく。

 

・人生すごろく(一生をすごろく風に紹介する簡単な年表)

・しくじりでござる(“しくじりポイント”を偉人自らが解説)

・みんなのコメント(偉人の関係者から集めたコメント集)

 

児童書なのだが、大人もニヤリとしてしまう。そのニヤリとしてしまうポイントを中心にして、まずは第1章に収録されている織田信長についての項目に触れていこう。

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