野生動物の生態は、まさに「生ける哲学」です。
『いきもの人生相談室 動物たちに学ぶ47の生き方哲学』(小林百合子・著、小幡彩貴・イラスト、今泉忠明・監修/山と溪谷社・刊)では、醜かったり弱かったりしても、生まれもった特長を活かして、たくましく生きるためのコツを学ぶことができます。
社会人になってから親友は作れる?
【Q】会社に親友と呼べる友達がいません。社会人ってみんなそんなもの?【A】大人になってからの交友は友情だけでは続きません。
(『いきもの人生相談室』から引用)
回答者は、カクレクマノミです。「ファインディング・ニモ」に似ているオレンジ色の熱帯魚。
カクレクマノミは、イソギンチャクと共生関係にあります。ふたりは助けあって生きています。南の海では、よく知られた親友同士です。
外敵に襲われそうになったカクレクマノミは、決まってイソギンチャクの触手のあいだに逃げ込みます。イソギンチャクは身を守るための刺胞(毒針)を持っているので、それが抑止力になります。カクレクマノミには耐性があるので、毒の影響を受けません。
イソギンチャクは岩肌に定着しています。外敵から素早く逃げることができません。カクレクマノミの出番です。イソギンチャク毒にひるまない外敵が近づいてきたら、決死の覚悟によって追い払ってくれます。
損得抜きで助け合えるのは、ぜいぜい学生時代の友人まで。就職したあとは、たとえ同期入社であっても、助けてもらうためには「メリット(利得)」を求められます。相手に貢献できる「強み」を準備しておきましょう。
目立ったとき、叩かれるのがつらい
【Q】クラスで目立つことをすると悪口を言われそうで怖いです。【A】将来、自分の個性を開花させたいなら勇気を出してやりたいことをやろう。
(『いきもの人生相談室』から引用)
回答者は、インドクジャクです。漢字では「孔雀」と書きます。
孔雀の羽は、オスのほうがゴージャスです。ご存じでしたか? 理由は、メスにアピールするため。自分の子孫を残すためです。
その反面、目立つので外敵に襲われやすいデメリットがあります。しかし、インドクジャクの遺伝子は、サイケデリックな羽模様によって目立ち続けることを選びました。差し引きでは「目立ったほうが種の存続につながる」という生存戦略が成功しています。「打たれても出る杭」になったもの勝ちです。
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