フランスでの子育て時期、私は毎日おかしを手作りしていた。パリにはそれこそ有名なパティスリーがいっぱいだが、めったに買うことはなかった。家で作るほうがはるかに安上がりだったのがいちばんの理由。また、彼の地ではお客を招いたときも、訪問の手土産にも市販のおかしより、素朴な手作りのほうがはるかに喜ばれるという慣習があったからだ。
タルト、パウンドケーキ、クッキーから、和菓子のおだんごやどら焼きまで試行錯誤しながら必死にトライしていた。もしもあの頃、もしこの本があればどんなにかバリエーションを楽しめただろうと思ったのが、『大好評おやつBEST500』(フーズ編集部・編/学研プラス・刊)だ。食べたいおかし、作りたいおかしはこの中からぜったいに見つかるレシピ集なのだ。
大きなオーブンがなくても大丈夫!
ガスあるいは電気のコンロと大型オーブンの一体型が普及しているフランスでは焼き菓子が作りやすかった。材料を混ぜて、型に入れて、あとは大型オーブンに入れるだけなので、同時に2種のケーキを焼くことも可能だった。
しかし現在、わが家の台所には2口のガスコンロ、電子レンジ、小型のオーブントースターしかない。そのため、日本に帰国してからは、お菓子を作ることはなくなってしまっていた。
ところが本書を読むと、フライパンだけでできるお菓子、電子レンジでチンするだけのお菓子、炊飯器で焼き上げられるお菓子のレシピも数多く紹介されている。こんなに簡単に作れるんだ! と驚くレシピばかりでうれしくなってくる。下記のような構成になっており、
part1 人気のおやつBEST10
Part2 手間なし簡単おやつ
Part3 定番洋風おやつ
Part4 ホットケーキミックスのおやつ
Part5 ひんやりぷるるんおやつ
Part6 和風おやつ
Part7 からだにいいおやつ
Part8 デコレーション&季節のおやつ
また、500の各レシピには、フライパン、オーブン、電子レンジ、炊飯器、揚げる、鍋、冷凍・冷蔵のそれぞれのマークが付けられているので”自分が作れるレシピ”を探しやすい。
大福は電子レンジでチンするだけ!
繰り返し食べたくなる皆に人気のおやつベスト10は、1位パンケーキ、2位マシュマロチョコマフィン、3位ロールケーキ、4位大福、5位カスタードプリン、6位バナナミルクレープ、7位ベイクドチーズケーキ、8位豆乳ドーナツ、9位蒸しパン、10位アイスクリーム、だそうだ。
なかでも、こんなに簡単に作れるんだと驚いたのが和菓子の大福。白玉粉に砂糖と水を加えて電子レンジで2分加熱、一旦取り出して練り混ぜてからさらに1分加熱で大福の生地の出来上がり!
片栗粉をふるったバットに生地を広げ、市販のあん、生クリーム、いちご、オレンジなどを包んで形を整えればOK。私の大好きないちご大福があっという間に作れ、しかもクセになるおいしいさで感激してしまった。