FENDER(フェンダー)の名を知らぬ者、ギター弾きにあらず。かつての偉人がそういったかどうかはわかりませんが、アメリカの楽器メーカーであるフェンダーはギターとベースを愛する人、またはフェンダーの楽器を弾くミュージシャンのファンにまで広くその名が浸透するブランドです。そのフェンダーがイヤホンを手がけていることはご存知でしたか。昨年秋に発売された最新の「Pro IEMシリーズ」を紹介したいと思います。
Pro IEMシリーズは米国テネシー州ナッシュヴィルのフェンダー本社にある拠点「Fender Audio Design Lab(ADL)」で設計と開発、デザインが行われています。側面に大きく配置されたブランドロゴがカッコイイですね。イヤホンを担当するチームには多くの音楽制作の現場でも活躍するエンジニアやミュージシャンが在籍しているそうです。TEN3とNINE1は組み立てもナッシュヴィルの工場でハンドメイドで行なっています。またPro IEMシリーズのハウジングは、フェンダー最大級のギターファクトリーであるカリフォルニア州コロナの工場で、ギターと同じ手法を塗装をしています。
Pro IEMシリーズの製品名にはある法則があります。最初のアルファベットがダイナミック型ドライバーの口径を、後ろの数字がBA型ドライバーの数をそれぞれ表しています。例えば「TEN3」なら「10mm口径のダイナミック型ドライバー」と、「3つのBA型ドライバー」を組み合わせたハイブリッド方式のイヤホンです。
エントリークラスのNINEは9.25mm口径のダイナミック型ドライバー1基で、高解像かつパワフルなサウンドを鳴らせるイヤホンです。
NINE1はNINEとほぼ変わらないサイズでありながら、9.25mm口径のダイナミック型ドライバーとBA型ドライバー1基を搭載したハイブリッド方式のイヤホン。Pro IEMシリーズにとって“秘伝のタレ”とも言える独自の音づくりの技術「HDBA(Hybrid Dynamic Balanced Armature)」によって、種類の違うドライバーをコンパクトな本体の中に組み合わせて、一体感の高い音にまとめています。
TEN3は10mm口径の高密度ダイナミック型ドライバーに加えて、中/高/超高域の帯域を各々に受け持つBA型ドライバーを組み合わせています。その上位としてさらに「TEN5」「THIRTEEN6」というモデルもありますが、TEN3はフェンダーが誇るプレミアムサウンドの登竜門的なイヤホンです。
エントリークラスのNINEとNINE1まで、イヤホン本体からケーブルが着脱できるリケーブル対応であることにも要注目です。2ピン形状の端子は土台に凹凸の溝を設けて装着時の安定感を向上させる独自の「Talonコネクタ」を採用。
粘性が高いシリコン素材を使ったTPEイヤーチップと低反発フォーム素材のイヤーチップは複数サイズを同梱しています。