ロボット掃除機において、高い集じん性能はもはや大前提。各モデルが独自機能によって個性や優位性をアピールする時代に突入しています。ここでは家電ライターの平島憲一郎さんが、国内外の代表モデル4機種の集じん機能や走行性能、独自機能を比較・検証します。
私がCheckしました!
家電ライター 平島憲一郎さん
白物家電を中心に新製品情報などを執筆。本誌の掃除機検証企画にも数多く参加しています。
各ロボットの個性が明確化! 部屋に合った一台を選ぼう
ロボット掃除機はダイソンが新規参入したうえ、ルンバが走行方式を一新。これに対し、国内メーカーも使い勝手を進化させているとライターの平島憲一郎さんは話します。
そんなロボット掃除機ですが、使い方によって選ぶポイントがあるといいます。
「1回の走行で掃除するダイソンは集じん力の高さがウリ。家具が多い部屋なら、走行技術が多彩な機種が有利です。スマホ連携などの独自機能も使い勝手に大きな影響をおよぼします」(平島さん)
採点項目はコチラ!
【集じん機能】
吸込口の幅とサイドブラシの数を比較。また、メインブラシの形状や機能性もチェックしました。
【走行性能】
走行スタイルや壁際、家具近くでの動きを吟味。室内をどれだけ丁寧に掃除できるか精査しました。
【独自機能】
他の機種にない独自の機能をピックアップ。自動掃除におけるその実効性、便利度を確認しました。
その1 ダイソン
ソフトウェアの自動更新で常に最新機能で使える
【稼働時間:最大45分】
【充電時間:約2時間45分】
【アプリ:Dyson Linkアプリ】
【集じん方式:サイクロン式】
ダイソン
Dyson 360 Eye
実売価格14万5710円
パワフルモーターを搭載し、他機種の4倍以上の吸引力を実現。室内の状況を把握しながら効率よく掃除を行います。本体ソフトウェアの更新で購入後も性能アップを続けます。●サイズ/質量:W230×H120×D240mm/約2.4kg
ブラシなし
吸引口幅204mm
【集じん機能】
「吸引口が本体幅ぶんあるためサイドブラシ不要。ゴミを遠くに弾く心配がないです。ただ、部屋の隅には吸引口が届きにくい」(平島さん)
【走行性能】
「360°カメラで本体位置を認識し、一度通った場所は掃除しません。椅子などの足元への近寄りは苦手」(平島さん)
【独自機能】
「Dyson Linkアプリでスケジュール予約などが可能。ソフトウェアもWi-Fi経由で自動更新され、常に最新機能が使えます」(平島さん)
【まとめ】
強い吸引力と排気のキレイさが好印象
●総合力 4.5/5点
「強い吸引力で室内を効率よく掃除。家具の少ないスタイリッシュな部屋の掃除にオススメです。排気が上向きに出て、ホコリが舞い上がらないのも優秀」
【URL】
Dyson 360 Eye http://www.dyson.co.jp/dyson-vacuums/robot.aspx
その2 アイロボット
汚れの多い場所を何度も往復して進入禁止エリアも設定できる
【稼働時間:最大120分】
【充電時間:約3時間】
【アプリ:iRobot HOMEアプリ】
【集じん方式:ダストビン式】
アイロボット
ルンバ980
実売価格11万5940円
フロア全体の間取りと本体位置を把握。1回の走行でゴミを確実に取る効率化で、最大112畳の掃除が可能です。カーペット上で吸引力を上げる機能も搭載。●サイズ/質量:φ353×H92mm/約3.9kg
ブラシ3本×1か所
吸引口幅175mm
【集じん機能】
「サイドブラシでゴミを吸引口にかきこむ。特殊素材のローラーでゴミを浮かせ、従来機の最大10倍の吸引力で吸い取ります」(平島さん)
【走行性能】
「天面のカメラで室内状況を把握し、効率的かつ丁寧に掃除。ただ、隅は取り残しがチラホラと」(平島さん)
【独自機能】
「汚れの多い場所を検知し何度も往復する機能を搭載。進入禁止エリアを簡単に設定できるバーチャルウォールも便利です」(平島さん)
【まとめ】
基本性能の高さに加えスマホ連携機能も秀逸
●総合力 5/5点
「集じん力、走行性能ともに優秀。複数の部屋をまとめて掃除できます。スマホと連携し、外出先から操作も可能。スケジュール設定も簡単に行えます」(平島さん)
【URL】
アイロボット http://www.irobot-jp.com/
ルンバ980 http://www.irobot-jp.com/roomba/980/
その3 パナソニック
三角形の先端が部屋の隅を捕らえ床面によって吸引力を制御!
【稼働時間:約60分】
【充電時間:約3時間】
【アプリ:非対応】
【集じん方式:ダストボックス式】
パナソニック
ルーロ MC-RS200
実売価格9万5710円
三角形状の採用で、部屋の隅のゴミも確実に捕らえる機種。床面を検知し、カーペット上ではブラシ回転と吸引力を上げます。掃除結果を音声報告する機能も装備。●サイズ/質量:W330×H92×D325mm/3.0kg
ブラシ:2本×2か所
吸引口幅:180mm
【集じん機能】
「サイドブラシを2か所に設置し、左右のゴミを吸引口に導きます。床材によって吸引力を変える機能も集じん力向上に貢献」(平島さん)
【走行性能】
「まず部屋の外側を掃除し、ランダム走行へ。ゴミが多いと赤く点灯し、往復走行やスパイラル走行で掃除します」(平島さん)
【独自機能】
「特定の場所を最初に掃除するエリア予約機能を搭載。リモコンの掃除レポート機能で、掃除結果もわかります」(平島さん)
【まとめ】
掃除の丁寧さとリモコン予約の便利さが光る
●総合力 4.5/5点
「ランダム走行で室内を丁寧に掃除。リモコンでエリア予約も可能で、月曜はリビング、火曜は寝室など、最大3か所の異なる部屋を確実に掃除できます」(平島さん)
【URL】
パナソニック http://panasonic.jp/
ルーロ MC-RS200 http://panasonic.jp/soji/rulo/
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その4 東芝
充電台が本体のゴミを蓄積! 側面の吸引口もユニーク
【稼働時間:最大約60分】
【充電時間:約5時間】
【アプリ:非対応】
【集じん方式:フィルター式】
東芝
トルネオロボ VC-RVS2
実売価格8万7080円
吸引風量は従来の約1.5倍。サイドブラシも長くして集じん力を高めました。サイクロン付きダストステーションに本体のゴミを吸引、約1か月ゴミ捨て不要。●サイズ/質量:φ350×H87mm/3.4kg
ブラシ:3本×2か所
吸引口幅:151mm
【集じん機能】
「長いサイドブラシが、部屋角のゴミを確実に捕らえる。回転ブラシに静電気抑制素材を使い、微細なチリも逃さず除去します」(平島さん)
【走行性能】
「状況に応じて70以上のパターンで走行。ゴミの多い場所ではランプが光り、2回旋回して掃除します」(平島さん)
【独自機能】
「充電台のゴミ吸引機能がゴミ捨ての手間を軽減。モップなどで集めたゴミを充電台の側面から吸引する機能も便利です」(平島さん)
【まとめ】
丁寧な掃除に加えメンテしやすいのも魅力
●総合力 4.5/5点
「ランダム走行で室内を丁寧に掃除。充電台まわりにゆったりとした空間が必要ですが、ゴミ捨ての手間が少なく、サイクロン部が水洗いできるのはいい」(平島さん)
【URL】
トルネオロボ VC-RVS2 http://www.toshiba.co.jp/living/cleaners/vc_rvs2/index_j.htm