【きだてたく文房具レビュー】小さく収納できる&そのまま持ち運べるペントレー
前回のこの記事では「で、結局ペンケースどれにすればいいのよ問題」について話をさせてもらった。ここ数年という短いスパンで、ペンケースがやたらと機能を進化させ続けている(現在進行形だ)せいで、ユーザーが目移りしすぎてペンケースが選べなくなっている、という困った事態となっているのである。
省スペース&倒れない&整理しやすい!隙なしの「立つペンケース」2選
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今のところ、機能性ペンケースのメインストリームは、①「立つペンケース」と②「ペントレー変形型」のざっくり2タイプに分けられる。どちらも収納した中身の一覧性と、出し入れのしやすさを重視したもので、あとはそれを立てるか寝かせるか、という差。どちらも基本的に便利なんだけど、構造的な弱点というのもある。
「立つペンケース」は
・消しゴムなどの小物が底に沈むので使いづらい
・立たせた時にやや不安定
「ペントレー型」は
・設置面積が大きいので、狭い机では広げにくい
・広げた状態で机から机へ、という移動がしにくいものが多い
逆に言えば、これらの弱点を克服したペンケースはより使いやすい製品と言えるのではないか? そこで今回は、弱点の解決案を打ち出してきた最新ペントレー変形型のペンケースを2点紹介しよう。
1. 広げたままの移動を考えた「とっておきスタイル ペンケース」
ペントレー……つまりトレー(皿)ということで、ペントレー変形型のペンケースは、広げた際の収納部が浅い。これが一覧性の高さと出し入れのしやすさにつながっているわけだが、広げたまま持ち運ぶには適していない。
自席からミーティングスペースへ、といった小移動をするのに、いちいち畳んでから運ぶ必要がある。これが面倒なのだ。そこを解決しようというのが、レイメイ藤井の「とっておきスタイル ペンケース」である。
収納時は、細長い四角柱が2つ連結したような形のケース。四角柱それぞれが収納部となっており、フタを開いて展開するとこんな感じに変形する。
フタ同士が内蔵の磁石でパチッとくっついて取っ手に変形し、さながら工具用のツールケースのような形になるのだ。これなら見たまんま、開いた状態でも取っ手をつかんでラクラク移動ができる、という仕組みである。
ケース自体は側面・底面ともに硬めの芯材が入っているし、トレーとしてもやや深いので、中の筆記具などがこぼれる心配も少ない。
実際に使ってみると、この“移動のしやすさ”というのが意外なほどに便利だった。例えば「会議室の使用時間が終わって、追い出されるように移動をする」なんてシチュエーションは日常的によくあると思うが、そんなときも従来のペントレー型のように、慌ててペンをしまって畳んでジッパーを閉めて……という手間がない。ペンさえ放り込んだらそのまま取っ手を持って、さっさと自席に戻ればいいのだ。
取っ手があるだけでこんなにラクかー、としみじみ感じてしまったほどである。
ただし、収納にはちょっと問題も感じた。先にも述べたとおり、収納部が2つ連結しているのだが、取っ手が邪魔になって、裏側にあたる方の収納にはとっさに手が届かないのである。
「くるっと回して取ればいいじゃないか」と思われるかもしれないが、そういうちょっとした面倒も、積み重なればストレスでしかない。できれば、正面に来る側には使用頻度の高いレギュラーの筆記具、裏側には頻度は低いがたまに使うはさみやテープのりなどのツール類、といった入れ分けをしておくと良いだろう。(収納の片方にはタグがついているので、それを目印にしよう)