落ち着きがない犬、噛み癖のある犬、怒りっぽい犬……。犬にもそれぞれの性格がありますが、犬の性格と飼い主の性格には似ている部分が多いという論文が最近発表されました。自分の犬が怒りっぽいのなら、それは自分が怒りっぽい性格だからなのかもしれません。
1600匹以上の犬&飼い主への調査で判明
ミシガン州立大学の心理学者は、生後数週間から15歳までの50種以上の犬1600匹以上の飼い主を対象に大規模な調査を行いました。犬の行動や性格について聞き取り調査を行い、さらに飼い主自身の性格についてもアンケートを実施。それらを解析したところ、犬の性格には年齢と性格、飼い主の性格との関連があり、飼い主との関係が犬の性格に大きな影響を与えることがわかったのです。
例えば、社交的な飼い主の犬は興奮しやすくアクティブ。否定的な考えを持つ飼い主の場合、飼い犬は怖がりで行動的なのに、しつけなどの訓練にはあまり反応しない。自分を「感じがいい」と回答した飼い主の場合、飼い犬は人や動物に対して怖がったり攻撃的になったりしにくという具合で、「飼い主の性格と飼い犬の性格は似ている」ということが明らかとなったわけです。
また、飼い主が飼い犬との関係を「最高に幸せ」と感じていると、飼い犬は活動的でしつけなどの訓練にもよく反応。人間同士でもよい関係性はよい結果や相乗効果を生みますが、これは人間と犬にも言えることなのです。
生活環境が変われば、犬の性格も変わる?
人間の場合、遺伝子に加えて、生活環境が人格形成に大きな影響を及ぼすもの。一方、犬の性格は環境が変わっても大きく変化しないものだと研究者たちは予想していました。しかしその予想に反して、犬も人間と同じように性格が大きく変わり、生活の変化による影響がすごく大きいということもわかったそうです。
犬の考えや意見を直接聞くことができないので、この研究結果はあくまでも飼い主から見た飼い犬の性格をもとにしたものですが、とは言え、うなづける部分も多い結果なのかもしれません。「犬を見れば飼い主の性格がわかる」とよく言われますが、それは嘘ではなかったようですね。