立ち食いそば店の食べ歩きが趣味で、立ち食いそばムックも執筆したことがあるライター、平島憲一郎さんが気になるお店をレポートするコーナー。今回は、神奈川・横浜の「麺房 八角」を紹介します。横浜駅東口に直結するポルタの地下街には、食事時に多くの人が訪れるレストラン街があります。その一角を成す人気店として同店は知られており、1日400~500人のお客さんが訪れるそうです。
更科系の美しい細麺を大正時代の味のつゆで堪能
「麺房 八角」は大正10年創業の老舗。戦後は製麺業に転じ、現在は製麺所直営店として横浜市に2店舗を構える。横浜駅地下街の「ポルタ店」は全席椅子付きで、ちょっと高級な町場のそば店のような雰囲気を醸し出している。
そばは更科系の細麺で香りがしっかりあり、コシものどごしも素晴らしい。もりそばは410円とやや高めだが、大盛り無料なので納得できる。
人気メニューの「かき揚げつけ天そば」は、かき揚げとそばを温かいつゆにつけて食べる。つけ汁はかつおの香り豊かな味。もりつゆよりやや甘めで、かき揚げにもそばにも合う味わいだ。
聞けば、同店のつゆは大正の創業時のレシピを踏襲しているとか。つゆが誕生した遠い昔に想いを馳せつつ、そばを楽しむのもオツだ。