【きだてたく文房具レビュー】糊付けのアイデアで実現したパッと開くリングメモ
「急いては事をし損じる」「走ればつまずく」「残り物に福」と、昔から“慌てる”ことをいさめることわざは多い。それだけ言われているということはつまりそれだけみんな慌てている、ということかもしれない。
これは“ライターあるある”なんだけれど、取材中、急に相手が話し始めたので慌ててメモを取り出すものの、ペラペラとめくってもなかなか白紙のページが出てこない。→話はどんどん進む。→焦ってすでに書き込みのあるページの余白に書き始める。→で、後から見返す時に必要な情報がなかなか探し出せない。
筆者には日常茶飯のトラブルなんだけど、似たような経験はわりと誰でもしているはずだ。そして、そういったトラブルを未然に防げる機能を持った「確実かつ瞬時に空きページが開けるメモ」があれば欲しいと思わないか?
先日発売されたデザインフィルの「パッとメモ」が、まさにその夢のような機能を持ったメモ帳なのである。
見た目はごく普通の、ありふれすぎたレベルでよく目にするリングメモ。サイズも128×76㎜とスーツのポケットに収まる普通のメモサイズだし、片手で持って立ったまま筆記もしやすい硬めのPP表紙がついているところも、まったくありふれている。
じゃあ、その空きページを瞬時に開ける魔法機能はどこにインストールされているのかというと、表紙を開いて1枚目以降の紙の部分に秘密があった。
このパッとメモ、紙部分の全てのページが左辺側面だけのり付けされているのだ。“天のり”(紙の上辺をのり付けして束ねている)ならぬ“側のり”といった感じだろうか。
なので、新品状態ではまず、一番先頭のページしか開くことができないようになっている。
ひとまず1ページ目にメモをあれこれ書き込んで、紙面がいっぱいになったとしよう。それじゃあということで次のページをめくろうとすると、側面ののりがペリッとはがれる。この時点で、書き込んだ1ページ目とそれ以降の未使用ページの塊が分離したわけだが、実はこれがゲームで言うところのオートセーブ機能が働いた状態なのだ。
毎回こんな感じで書き終わったページをはがしてめくっておけば、空きページ=のりでくっついているページの塊の先頭、ということ。つまり、次に使う時は片手でページ側面を軽く押さえつつ開くと,必ず前回セーブした場所……のりでくっついた先頭の空きページが開くようになっているのである。
慣れれば、側面を押さえたまま手首をひねって振るだけのワンアクションで、空きページへ一瞬でジャンプすることも可能だ。これなら、どれだけ慌てていたとしてもメモを取り逃すようなことはないだろう。
紙面は2.5㎜方眼で細かく区切られたもの。この方眼を活かして文字は真っ直ぐ書けるし、行頭を揃えることもできるが、線が細かくうっすらしているので、方眼を無視して無地感覚でイラストを描くことも可能だ。
5㎜方眼だとついつい方眼に囚われてマス目に合わせて文字をいれようとしてしまいがちだが、2.5㎜方眼なら気にならない。逆に文字サイズ揃えてきちんと書きたいなら方眼4マス分を5㎜方眼として使うこともできる。フリーに書くメモ帳としては、この細かな方眼はやたらと使いやすいはずだ。
紙にこだわりの強いデザインフィルの製品だけに、紙質も間違いはない。水性・油性・鉛筆と筆記具を選ばずスルッと書けるオールマイティさで、咄嗟の走り書きが多いメモ帳としてはありがたい。
確実に空きページへジャンプできるオートセーブ機能+書きやすい紙面は、慌て者ならずとも万人におすすめできるリングメモだと思う。個人的にも、常時携帯のメモはこれに入れ替えることに決定したので、その旨お伝えしておく。ほんとこれ便利。