ブームの域を超えつつあるボードゲームですが、大人向けのイメージが強いため、子どもと一緒にするのは難しいんじゃないか……という懸念を持っている方は少なくないのでは。そこでここでは、ボードゲームに精通した3人が家族や子ども同士でのプレイにオススメのゲームをピックアップして紹介します。
【私たちがオススメします!】
【その1】意外な好みがわかる!? 図鑑やカタログで何でもランキング!
すごろくや
かたろーぐ
【日本】
2808円(税込)
カタログを使って遊ぶ、“好きなもの”ランキング予想ゲーム。一人がふきだしコマをカタログの写真の上に置き、ほかの人はその順位を予想します。カタログのようなものなら何でもOK。相手の意外な趣味や感性などを知って、仲が深まること必至。
●対象年齢:5歳以上●プレイ人数:2~8人●プレイ時間:10分●箱サイズ:W158mm×H158mm×D32mm
<小野さんイチオシ!>
いま一番ハマっているものを使って遊ぼう
図鑑から広告チラシまで、題材の選び方は工夫次第。子どもの大好きなものを使えば夢中になること間違いなしです。相手の意外な好みも知ることができて、会話が盛り上がるでしょう。
【その2】どこに飛ぶのか制御できないボールで図形を描け!
マテル・インターナショナル
バウンス・オフ!
【アメリカ】
1944円(税込)
お題カードと同じ並びを目指し、順番にトレーにピンポン球を投げ入れていくゲーム。ワンバウンドさせるのがルールのため、狙った場所に入れるのは至難の業。逆に思ってもみないミラクルショットも頻繁に出るので子どもも興奮します。
●対象年齢:7歳以上●プレイ人数:2~4人●プレイ時間:15分●箱サイズ:W267mm×H267mm×D48mm
<小野さんオススメ!>
運の要素が大きいからドラマチックな展開も
狙う場所には意外にも戦略がありますが、狙い通りにいかないところがチャレンジ心に火を付けて盛り上がります。適当に投げ入れたのがピッタリ入るなどして、ドラマチックです。
【その3】完成したらドカン!と爆破するド派手なバランスゲーム
ビバリー
ドキドキ建設
【アメリカ】
4104円(税込)
カードに描かれたイラスト通りに、ブロックを積み上げて建物を建設。完成したら相手の土台につながるダイナマイト型のポンプを叩いて、積み上げ中のブロックを爆破しましょう。単純だが夢中になれるスピード勝負のブロックゲームです。
●対象年齢:6歳以上●プレイ人数:2人●プレイ時間:3分●箱サイズ:W270mm×H270mm×D90mm
<河上さんオススメ!>
破壊と創造を繰り返す単純明快なバカゲー
「なぜ破壊する必要が……」と最初は思ったのですが、遊んでみると数秒に一度、爆破が起こるシュールな光景に親子で爆笑! 小さい子同士だとケンカになるので親子で遊ぶのがオススメ。
【その4】紙にブスッと穴を空け釣り糸を垂らして目指せ大漁!
すごろくや
カヤナック
【ドイツ】
6264円(税込)
紙を氷に見立ててボードの間にセット。ブスッと穴を空けて、ワカサギ釣りのように魚を釣って楽しむゲーム。簡単に遊べる初心者用ルールと、相手の妨害を図る戦略のある上級者用の2つのルールがあるので、年齢問わず楽しめます。
●対象年齢:4歳以上●プレイ人数:2~4人●プレイ時間:15分●箱サイズ:W265mm×H365mm×D55mm
<河上さんイチオシ!>
「幻の魚」を放流すれば異常なほど盛り上がる!
紙に穴を空けて釣りをするだけでも楽しいので幼児でも遊べます。我が家独自のルールですが、大きい玉を金色に塗って「幻の魚」を作るのもオススメです。驚くほど白熱しますよ!
【その5】相手の喜ぶことを一生懸命に考えて遊べば親友に!?
すごろくや
ベストフレンドS
【日本】
5400円(税込)
出題者は「最近うれしかったこと」などのお題を出し、ほかの人は出題者が喜びそうな答えを考えて提出。出題者がそのなかから一番気に入ったものを選びます。どんな答えを書いたら喜ぶのか、出題者の性格も吟味すると正答率がアップします。
●対象年齢:7歳以上●プレイ人数:4~6人●プレイ時間:30分●箱サイズ:W237mm×H237mm×D57mm
<保谷オススメ!>
好みを知れるので遊ぶと仲良くなれる
親戚や新しいクラスの友人など、お互いが知っているようであまり知らない間柄で遊ぶと少し仲良くなれるはず。子どもならではの意外な角度の回答に吹き出してしまうことも!
【その6】鳴きまねをしながらカードを出す、つい忘れると失敗!
百町森
ココタキ
【ドイツ】
1512円(税込)
場にあるカードと種類もしくは色が同じカードを出すゲーム。カードを捨てるときには、動物の鳴きまねをする。しかし、「赤いカードの場合は言わない」などのルールがあり、相手のミスを発見すべく緊迫感をもってゲームを楽しめます。
●対象年齢:5歳以上●プレイ人数:2~10人●プレイ時間:15分●箱サイズ:W95mm×H120mm×D20mm
<保谷イチオシ!>
ルールを追加すると失敗する人が続出!
簡単に言うと動物の鳴きまねをするUNO。言わなくていいときに鳴くとかなり恥ずかしいです。少し慣れてきたら「ニワトリが出るとスキップ」など中級、上級ルールも試してみて!
【その7】具材をすべて集めてメニューを作る大人気の料理ゲーム
ホッパーエンターテイメント
レシピ
【日本】
1296円(税込)
「ぐざい」を集めて指定された料理を作るゲーム。冷蔵庫からぐざいを取り出したり、ほかのプレイヤーがシンクに置いたぐざいを引き取ったりして完成を目指します。ぐざいを置くためのキッチンカウンターが付属するなど雰囲気作りがグッド。 ※実際カードは裏向きで置きます
●対象年齢:4歳以上●プレイ人数:2~4人●プレイ時間:5分●箱サイズ:W93mm×H128mm×D21mm
<河上さんオススメ!>
子どもを夢中にさせる不思議な魅力がある
子ども向けゲームを600個以上所持するコレクターである知人の息子(6歳)と娘(5歳)が唯一、遊び続けているゲームがコレ! 正直、ゲーム性は低いのですが、実はそこが魅力なのかも!?
【その8】アイデアを駆使して少ない画数で伝わる絵を描く
ホビージャパン
みんなでぽんこつペイント
【日本】
2160円(税込)
お題を「直線」と「正円」だけで表現して、回答者に当ててもらうゲーム。画数の少ない人から回答者に見せるため、詳しく描くと画数が多くなって見せる順番が遅くなってしまいます。アイデアを駆使し、少ない画数で伝わる絵を描きましょう!
●対象年齢:6歳以上●プレイ人数:2~12人●プレイ時間:10分●箱サイズ:W100mm×H150mm×D50mm
<小野さんオススメ!>
大人同士も面白いが子どもとの対戦も格別
大人同士で遊ぶとレイアウトやアングルを駆使してイメージを伝えていくのですが、子どもと遊ぶとまた別の面白さがあります。大人には到底思いつかない発想に驚かされるはずです。
【その9】限られたアイテムをうまく使ってピンチを切り抜けろ!
幻冬舎
キャット&チョコレート 日常編
【日本】
1620円(税込)
「トイレが混んでて入れない」などの日常のピンチを、指定された数のアイテムをうまく使って乗り切る方法を考えるゲーム。互いにイメージや価値観を共有できないと成立しないため、子ども同士、または大人同士でのプレイがオススメ。
●対象年齢:8歳以上●プレイ人数:3~6人●プレイ時間:20分●箱サイズ:W160mm×H115mm×D28mm
<保谷オススメ!>
子どもの世界では「おかん」カードが最強!
子ども同士で遊ぶととんでもなく盛り上がる。「おかん」が何でも解決する万能カードになるなど、傍で見ていれば子どもたちの世界の意外な常識を垣間見ることができるはずです。
【CHECK】本当に子どもが喜ぶゲームの選び方
ゲームを知り尽くす専門店オーナーが子ども向けゲームの選び方を伝授。「ゲームを買ったのに子どもが遊んでくれない……」なんて経験がある人は必読!
【教えてくれた人】
すごろくやオーナー
丸田康司さん
15年間のテレビゲーム制作を経てボードゲーム専門店を開業。店主としてゲーム選びのサポートをしつつ、オリジナルゲームの制作もしています。
海外ゲームの場合には、パッケージに書いている対象年齢の7割は当てにならないということを覚えておいてください。1.5倍ぐらいで見るとちょうどいいです。もし、8歳という表記があるのなら、12歳以上が目安となります。
もし、めぼしいゲームがいくつかあって迷ったら、口出ししなくても対等に競い合えるゲームを選んでください。「攻略法を手ほどきすれば遊べるはず」では子どもの創造性は育ちません。子どもはたとえ手順が複雑なゲームだとしても、言われた通りの攻略は意外とできてしまうもの。しかし、その攻略の根拠となる理屈を自分の中で組み立てられていなければ、能動的にゲームの知的な面白さを楽しんでいるとは言えません。
まずは対象年齢がお子さんの年齢より低めのゲームから遊んでみることをオススメしています。
文/河上 拓、星 政明、保谷恵那(本誌) 撮影/高原マサキ