米サンフランシスコで現地時間6月13日10時(日本時間14日午前2時)より開始されたアップルの開発者向けイベントWWDC(World Wide Developers Conference)。噂されたMacbook ProやApple Watch 2といった新型ハードの発表は一切なく、ソフトウェアについての情報が中心となりました。
その内容は、アップルのデバイスで利用される4つのプラットフォーム(OS)の刷新および新機能について。大きなトピックとして、Mac向けOSの名称が15年ぶりに変更され、これまでのOS X(テン)からmacOSに生まれ変わります。最新バージョンは「山脈」を意味する「Sierra」(シエラ)。
事前に予想されていた通り、これまでiOSなどに搭載されていた音声認識型のサポート機能SiriがmacOSにも搭載され、声による操作や検索が可能となります。また、macOSとiOS間のデータのやり取りが簡単になり、より一層シームレスに使えるように。将来的なプラットフォームの統合に向け、助走段階に入ったという印象です。
このほか、Apple Payがオンライン決済にも対応。残念ながら、日本でのサービス提供はまだ未定のようです。
iOSは大幅なアップデートに
また、大幅なアップデートになったのは、iPhone/iPad向けOSのiOS。バージョンは9から10に1世代繰り上がり、10の新機能が追加されます。特に、メールアプリ「iMessage」は、LINEのスタンプのようなステッカーや、フルスクリーンで花火や風船などのアニメーションを送れるようになるなど、視覚的な効果を強調する機能が多数追加されています。
対応機種は、iPhone 5以上、iPad 第4世代以上、iPad mini 2以上、iPod touch 第6世代以上。
【iOS 10の新機能】
1.ロック画面の利便性向上。ロック画面のまま様々なアプリの操作や通知が可能に。iPhoneを持ち上げるだけでロック解除も
2.3D Touchの機能拡大。アプリを立ち上げなくても3D Touchで各アプリの通知を確認可能に
3.Siriの機能向上。他アプリとの連携強化が図られ、サードパーティにも開放
4.Photosに顔認識やシーン認識機能搭載。自動で写真を分類し、ショートムービーとして再生
5.Mapの周辺検索機能強化や、リアルタイムの交通情報表示などナビ機能強化。CarPlayにも適応される
6.Musicのデザイン刷新。個人に合わせたプレイリストの自動作成など
7.Newsのサブスクリプション化(定額見放題)。ホットトピックの通知機能など
8.スマートホームの操作が手元で行なえるHomeアプリ追加。照明やブラインドの操作、インターホン映像の確認など。また、帰宅や就寝などの選択で照明などの一括操作が可能
9.電話の着信時に迷惑電話を表示してくれるVoicecall Transcription機能
10.iMessageのリッチリンク表示。リンク先の画像や動画をメッセージ内に表示する
Apple Watch向けのwatchOSは、速度や操作性が向上し、キビキビとしたレスポンスと、サイドボタンによるスムーズな操作が可能となっています。また、タッチスクリーンによる手書きの文字入力にも対応(英語、中国語)。
Apple TV向けのtvOSは、対応アプリの増加やSingle sign-on機能によるスムーズな視聴がフィーチャーされています。
いずれも一般ユーザーが利用できるのは今秋から。例年通り、iPhone新機種の登場などに合わせてリリースされると見られています。
【URL】
WWDC 2016 https://developer.apple.com/wwdc/about/