【きだてたく文房具レビュー】色の組み合わせで選ぶ付箋とポップアップする付箋
みんなわりと気軽に「ちょっと、そこのポストイット取って」なんて言っていると思うが、実は表記する場合は、厳格なルールとして「ポスト・イット®」と末尾に「(R)」マークが必要となる。
これはRegistered Trademark……つまり登録商標を表すマークであり、「ポスト・イット®」は3M社が販売している付箋の商品名なのだ。だから文房具の記事でも(R)をつけないと3Mさんに確実に怒られちゃうし、間のナカグロ(・)を無視して「ポストイット」と書くなんて、もってのほか。
とはいえ、わざわざ登録商標なんですよ、と言わないと分からないぐらいに「ポスト・イット®」という呼称は一般化しているわけで、つまりはユーザーにとっては付箋=「ポスト・イット®」というほどのレベルで普及しているということだろう。
さて、実は2019年の夏、その圧倒的覇者「ポスト・イット®」が商品ラインナップにとんでもない大攻勢をかけているのをご存知だろうか? なんと新製品として展開されたのが、全部で100SKU!(カラーバリエーションも含めた在庫管理上のアイテム数)
正直、文房具ライターとしては「おいおい、王者がそこまでやっちゃうと他の付箋メーカーの呼吸止まっちゃわないか?」と心配になってしまうような猛攻なのだが、それでも紹介せざるを得ない、いいモノが揃っているのだ。
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とにかくカラーとカタチが圧倒的!
まず紹介したいのは、新製品ラインナップの大きな部分を占める「ポスト・イット® 強粘着見出し/ふせん/ノート マルチカラー」。これは従来品「ポスト・イット®強粘着」のカラーを大幅にバリエーションアップさせたものだ。
そもそも「ポスト・イット®強粘着」といえば、イエロー・ピンク・ブルー・グリーン・オレンジの5色が基本。いわゆる「付箋といえばお馴染みの、あのネオンカラー」というやつだ。一応、それ以外にもカラーはあったのだが、あまり目立たないというか、さほど精力的に展開されてなかったというか……。
これはもともと米国3Mがカラー展開に力を入れてこなかったということのようだが、それで納得できないのが、文房具にこだわりすぎる我ら日本人である。「とにかくもっとカラー出せ」「カラフルな付箋欲しい」という要望が日本からガンガンと出続けたことによって、ようやく3Mも重い腰を上げ、カラー展開を主軸にしたふせんを発売することになった、という流れらしい。
ということで、今回の強粘着マルチカラーシリーズは、まずサイズが小さい「見出し」(15×50㎜)から大きな「ノート」(75×75㎜)まで4タイプ、そこにカラーが全21色を4色アソートで8タイプという組み合わせ。さらに増量パックなどを入れて、これだけで合計48SKUという超ボリューミーなラインナップとなっているのだ。
今回のマルチカラー用に追加された新色は8色。特に要望が多かったと思われるピンク系のニュアンスカラーあたりがグッと増えて、色で選ぶ楽しみがアップしているように思う。アソート8タイプを眺めていても、それぞれに「あっ、この色使ってみたいな」と感じるカラーが入っていて、楽しいのだ。
これまで「付箋をカラーで選びたい」となると、どうしてもポスト・イット®以外の他メーカー付箋が選択肢になってきたわけだが、ここまでカラーの幅が広がってしまうともう、ポスト・イット®を選ばない理由がないな、という感じである。