クルマの2%増は大きいが税制が変わることで複雑に
価格が高いクルマは、やはり2%の増税による負担が大きい。このため政府は増税に伴う消費の落ち込みを防ぐ&エコカーの普及を進めることを狙いに、クルマに関する税制を10月より変更します。その内容は、自動車取得税の廃止。消費税と合わせて“税の二重取り”と批判されてきましたが、これが廃止になります。新たに創設されるのが、「環境性能割」。要は「環境性能が凡庸なクルマに対しては購入時に最大3%の税金をかけますよ。環境性能がとても良いクルマに関しては税金はかけません」というものです。
また、10月以降に登録した新車に関しては、毎年の自動車税が割引になるという“アメ”も用意されています。現行車は環境性能割の恩恵を受けられるモデルが多いが、やはり2%の差はクルマでは大きい。試算してみると、環境性能の高いクルマほど増税前に購入すべし、という結果になりました。環境性能+安全性能の高いモデルを狙うなら、増税前のあと1か月余りで、納車に持ち込みましょう!
【わかりにくいクルマの税】 こう変わるを解説
その1 「自動車取得税」が廃止され、「環境性能割」が新たに導入
新車を購入する場合、車両本体価格の90%の額の3%相当が「自動車取得税」としてかかっていましたが、これが廃止になります。その代わり「環境性能割」が登場。2020年度燃費基準を大幅に超えて達成するクルマに対しては非課税とし、未達成に加え、少々超えて達成(+10%)というクルマに対して課税をするというもの。来年9月30日までに登録を完了したクルマに関しては、優遇措置として課税額が1%減となります。
その2 「自動車税」が排気量に応じて、ずーっと割引!
10月以降に新車登録をしたクルマに関しては、自動車税が“ずーっと”割引になります。自動車税が割引になるのは、税創設以来初めてのことといいます。その額は登録車の約9割を占める2000cc以下のクルマほど大きく、1000cc以下のクルマでは、年間4500円の割引、1500cc以下のクルマでは年間4000円の割引となります。
増税前と増税後を、マツダCX-8でシミュレート!
マツダCX-8を5年間乗ったとすると……
●増税前は2019年9月に登録・納車、増税後は2019年10月以降に登録・納車した場合での納税額の比較。自動車税は9月登録の場合6か月分、10月登録の場合5か月分の支払いとなります。また、自動車税(2年目)は、「自動車税のグリーン化特例」が適用され、CX-8(クリーンディーゼルモデル)の場合、おおむね75%軽減の金額で算出しました。試算は7月時点、国土交通省と経済産業省から発表されているデータを基に編集部で行ったものであり、実際に施行された場合計算値と異なる場合があります。
【クルマ】押さえておくべき4大トレンド
“環境にやさしい”“交通事故のない”という社会的な要請を盛り込んでいるのが大きなトレンド。特に運転支援技術の普及は顕著です。
【トレンド1】パワーユニット
ガソリン、ハイブリッド、クリーンディーゼル、そしてEVとパワーユニットは多彩。ただ燃費性能が良いグレードの方が車両本体価格は高くなります。
【トレンド2】運転支援技術
安全運転をアシストする運転支援技術の普及が進んでいます。現在日本で販売されている新車の7割に装着されているほど。選ばない理由はありません。
【トレンド3】コネクティッド
要は「インターネットにつながるクルマ」。エージェント(名称は各社異なる)につながり、様々な情報提供や緊急時の自動通報などが可能。
【トレンド4】ボディカラー
最近のトレンドは“多色展開”。ツートーンが選択できる仕様も増加しています。ただし、特別色となり有料オプションとなるカラーも多いので、見積もり時には注意して検討したい。