世界中で愛され、累計1億台以上も販売されている「スーパーカブ」。かつては商用バイクの代表でしたが、今ではそのシンプルなデザイン、頑丈な作りからオシャレでまたがる人も少なくありません。
他方、カブにはこれまでに派生モデルも複数あり、その筆頭の一つが1961年に発表され、以降コアな人気を得て50年以上もやはり海外で愛された「ハンターカブ」。2012年に生産終了となっていましたが、『第46回東京モーターショー2019』で、ホンダから突然このハンターカブのコンセプトモデルが発表されました。
その名も「CT125(ハンターカブ)」。
すでにネットでも大きく話題になっていますが、実は筆者、過去30年近くハンターカブを4台乗り継いだハンターカブマニアと自負しています。これまでに筆者が乗り継いできたハンターカブと、今回のコンセプトモデルとの違いを、古賀耕治さん、鳥山英二さんに話を伺いながら迫りたいと思います。
ハンターカブ生産終了から7年後の復活!
ーーハンターカブの新作、CT125が突如コンセプトモデルとして発表されましたが、この経緯をお聞かせください。
古賀耕治さん(以下、古賀) カブは2017年に累計生産台数1億台を突破し、昨年は発売から60周年を迎えました。これだけ愛されているカブですが、さらに世界に向けて発信していこうと考え、2018年に「C125」を出しました。
このC125は高い評価をいただき、さらに、このエンジンを使って世界中での用途に対応できるようなモデルを……と考え、コンセプトモデルとして発表したのがこのCT125、つまりハンターカブになります。
古賀 もともとハンターカブには複数のモデルがありましたが、近年まで流通していたのが輸出車のCT110というモデルでした。これはアメリカ、オーストラリア、ニュージーランドに輸出していたモデルで、実用車として活用される“働くカブ”でした。郵便局に採用されたり、農耕地域で愛用されたりしていたのですが、この真っ赤な外観や使い勝手の良さから日本人のコアな層でも人気となり、逆輸入されたモデルを購入する方が増えていました。しかし、海外輸出も2012年に終了。
ここ数年、ハンターカブの新車を作っていない状況だったわけですが、「カブをさらに世界中に広める」という意味で、このモデルを再構築して、まずコンセプトモデルで発表することを決めました。
他方、現在の日本の二輪市場は、全メーカーで約37万台です。一時期は300万台まであった市場が、ずいぶん小さくなっています。ただ、その約37万台のうちの約10万台が、原付二種と呼ばれる、ピンク色や黄色いナンバーのもの。つまり、現在の市場の全体の約4分の1以上が、この排気量帯のバイクなんですね。
古賀 この支持の厚さを受け「原付二種にはもっと種類があって良いだろう」という思いもあり、CT125の発表に至ったという側面もあります。
CT125のディテール・旧モデルとの改善点を細かくチェック!
ここでは肝心のCT125が、旧ハンターカブ(CT110)からどう改善されているか、ディテールなどを細かくチェックします。