二つ折りできるルーズリーフバインダーと専用ルーズリーフをレビュー
日常的に持ち歩く荷物が多すぎて、とにかくカバンが重くてしんどい。クラウドファンディングで「肩への負担が少ない」と謳っているリュックを買ったおかげで、確かに肩への荷重は減った。が、全体的な重量は変わっていないんだから、結果的に体全体が均等に疲れるということになってしまうわけだ。
そんなの、荷物を減らせばいいじゃんとも思うのだけど、なまじリュックに容量があるものだから、いつの間にかあれこれ放り込んでギッシリ……ということになってしまう。たぶん私は、ハムスターかなにかが功徳を積んで人間に転生したんだろう。
せめて仕事道具(PCやカメラなど)を持ち歩かない日は、できるだけ小さなボディバッグを使おうと切り替えたところ、これがやたらと軽快。そりゃ、普段10kg超だった荷重が1kgほどになったんだから、「フッ、そろそろ本気を出すか……」と体に巻き付けていたオモリを外したような話である。
ただ、軽いのはいいんだけど、やっぱり荷物が入らなすぎる。「最低限、普段から使っているA5ノートが入るサイズ」ということでバッグを選んだんだけど、幅がギリギリ過ぎて、出し入れがつらいのだ。だからといってノートを廃してハンドメモだけに頼るのは、なんとなく心許ない。大きく書けて、収納時には小さくなるノートってないものか……と思っていたら、ちょうどいいタイミングで、キングジムがまさに願っていたような商品を出していたのである。
ルーズリーフも折り畳める時代へ
2017年、キングジムの二つ折りにして持ち運べるクリアーファイル「コンパック」が、一時は生産が間に合わないほどの爆売れ大ヒット商品となった。「そうか、ユーザーは折り畳んで持ち運びがラクになると嬉しいのか」と気付いたキングジムは、今年の秋にシリーズ最新作として、二つ折りにできるルーズリーフバインダー「コンパックノート」を投入した。
キングジム
コンパックノート
A5サイズ 480円(税別)/B5サイズ 500円(税別)/A4サイズ 650円(税別)
※写真はB5サイズ
初代コンパックのときも、「おお、クリアーファイルって折り畳んでいいのか!」という驚きがあったのだが、今度も同様に「ルーズリーフも折り畳んでいいのか!」だ。
サイズは展開時でA5、B5、A4の3タイプ。それぞれ半分に折るので、収納サイズはA6、B6、A5となる(バインダーなので、厳密にはそれより一回り大きいが)。実際に運用する際は、B5バインダーの二つ折りはA5用紙とほぼ同幅になる、と考えておけばいい。
手に持ってみると、ノートとしては本当に小さい。これ本当にルーズリーフなの!? と不安になるほどだ。もちろんボディバッグにもスポスポ入るし、女性用の小さいカバンにだって余裕だろう。
ところがパカリと展開してみると、折れているとはいえ見覚えのあるいつものルーズリーフサイズに早変わり。「ルーズリーフバインダーは二つ折りにできない」という思い込みが抜けないせいか、1週間ほどテストとして使い続けた現時点でも、開くたびにギョッとするほどインパクトがある。これは、実際に使ってもらえば同意してもらえるのではないだろうか。
ではいざ書いてみるか、となったときにまず思うのは、表紙・用紙ともに折り目ががっちり付いてしまっているので、書きにくそうだなーということ。これは正直にいうと、確かにお世辞にも書きやすいとは言いづらい。机に置いて手で押さえても、どうしたって上か下かのどちらかが浮いてくるし、用紙自体もボコボコとしてフラットにはならない。
ちなみに浮き上がり感に関しては、サイズの小さいA5が最もピーキーで、大きくなるほど自重によって安定する印象だ。
ただ、それは使い物になるのか? と問われると、少し答えに悩む。確かに、ノートとしての書き味は万全とは言えない。だが、使い方によっては割り切れないレベルでもないのである。慣れれば書けないわけでもないし。
それよりも、メモなんかよりはるかに筆記スペースの大きいルーズリーフを半分に折って持ち運べる、というメリットのほうがありがたい場合もあるだろう。筆者も、ボディバッグ運用時には割り切ってこのA5バインダーを使うことに決めた。だって、これが持ち運びには最もラクだから!
万人向けでは絶対にないが、でもどこかに欲しい人はきっといるはず……という、10人中1人でも欲しい人がいれば商品企画にゴーを出すことでお馴染みのキングジムらしい製品、と言えるだろう。