手汗に負けない強グリップのシャープペン&鉛筆をレビュー
筆者は、筆記具を選ぶ際、どうしても譲れないことがある。「グリップがしっかりしているかどうか」だ。
体質的にやたらと手汗をかきやすいため、摩擦力のしっかりしたグリップでないと、2~3分も握ってるうちに、じっとりとかいた手汗ですべってくる。すべると握る位置もズレ動いてくるので、それをこらえるのに指先に力を込めてしまい、やたらと手が疲れてしまうのだ。
そんなの暑い夏だけの話じゃないの? と思うなら、我ら手汗かきかき人をナメすぎ。冬だろうと手は常にじっとりしているし、結果、半端なグリップは間違いなくすべるのである。だからボールペンなどは最低限、ゴムグリップが欲しいし、鉛筆もシリコンゴムの外付けグリップを装着する。そうしないとまともに長時間筆記なんかできやしないのだ。
書き味やインク色よりもまずグリップ。それが我々の選択なのである。
そこで今回は、同じく手汗かきかき人のために、グリップに優れた機能を持つ「すべらない筆記具」を2点、紹介したいと思う。時期的にも受験前と言うことで、ある意味縁起物としてもありじゃないかな、“すべらない”筆記具。どうせ試験中は、緊張して手汗でびっしょりになるんだし。
最強グリップが欲しけりゃ自分で巻くべし!「マイティグリップ」
まずは、2019年11月にゼブラから発売されたシャープペンシル「マイティグリップ」である。
ゼブラのシャープペンシルと言えば、絶対に芯が折れない「デルガード」シリーズが人気だが、対してこちらは、絶対にグリップが手汗ですべらない、という製品だ。
ゼブラ
マイティグリップ
600円(税別)※グリップバンド1枚付き
シャープペンシル単体で見ると、肝心のグリップ部がやたらとひょろっと貧弱な“坊や”タイプという印象。しかし、このひょろひょろのもやしっ子は、付属のグリップバンドを自分の手で巻くことによって、最強グリップに生まれ変わるのである。
巻く際は、まずバンドの表面のフィルムと裏面の両面テープ保護紙を剥がした状態で、先端をペン軸のコーン側端にある星マークに合わせる。ここが巻き始めの目安だ。
先端を両面テープで貼り付けたら、あとはグリップのらせん溝に合わせて、ぐるぐるぐると巻き付けていく。このとき、ちょっと強めに引っ張りながら巻かないと、最後に少し長さが足りなくなるので要注意! この時点ならまだ巻き直せるので、納得いくまでピチッと巻いて欲しい。
うまく巻き上がったら、最後に軸中央のゴムリングをバンドの貼り終わりに被せるようにずりおろして、最強グリップの完成だ。
実はこのバンド、テニスやバドミントンのラケット用グリップバンドと同じ素材で作られているので、テニス経験者なら手慣れた作業かもしれない(開発者もテニス経験者だそうだ)。
また、バンド一枚を巻いただけではグリップが細すぎて不満、という場合は追加もアリだ。バンド単体で別売されている(1枚150円/税別)ので、太さや柔らかさ次第で2重・3重と巻いていくことも可能である。個人的には、2重巻きぐらいが程よい太さと弾力で握りやすいと感じられた。
肝心のグリップ力だが、これはさすが、ラケットをフルスイングしてもすべらない素材だけに、がっちり指に食いつく感じ。握った瞬間に「ああ、これはすべらないわー」と実感できるレベルである。
ちなみにグリップバンドは、手汗をかいてもサラサラの「DRYタイプ」と、しっとり感触の「WETタイプ」の2種類がある。購入時には、自分の好みに合わせて選ぶといいだろう。DRY・WETともに、これまでの筆記具史上でも最強と言えるんじゃないかというグリップ力だが、やはり感触はそれぞれ別物だ。
よりグリップ強めなのはWETタイプで、握ると指先にしっとりと吸い付いてくる感じ。冬場でカサカサに乾燥した指でも、これなら確実に握ることができるはずだ。ただ、ややペトつくと感じる人もいそうで、好みは分かれるかもしれない。
対してDRYタイプはサラッと感とグリップ力を併せ持ち、より万人向きな印象。多少の手汗でもサラサラ感が持続するので、とにかく気持ちいいのだ。手汗かきかき人なら間違いなくこちらでOK。
さらにありがたいのは、グリップが汚れたら剥がして新しいのに巻き直せる、ということ。ペングリップなんて基本的に水洗いもしないんだから、お世辞にも清潔とは言い難いだろう。それならいっそ、たまにグリップバンドをさっぱりと新品に取り替えた方が快適じゃないか。
特にアスリートライクにガシガシと書き殴る人は、ペンケースに常に予備のバンドを備えておくというのもいいかもしれない。